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資産形成
貯金500万円は多い?年代・年収別の実態と達成するポイントや目指すための資産運用法
貯金500万円は多い?年代・年収別の実態と達成するポイントや目指すための資産運用法
「貯金500万円」は、節目の金額としてよく話題に上がりますが、実際に500万円を貯めている人はどのくらいいるのでしょうか。本記事では、年代別・年収別の統計から「貯金500万円」のリアルな位置づけを確認するとともに、貯金額によって異なるお金の考え方や、500万円を目指すための習慣、資産運用法についても解説します。

目次
1.貯金500万円ある人の割合は?
まず、貯金が500万円ある人はどのくらいいるのでしょうか。年代別・年収別に見て、貯金500万円がどのあたりの水準かを確認してみましょう。以下のデータは、いずれも金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年版)」の結果をもとにしています。
1-1.年代別の預貯金額
同調査によると、年代別の金融資産保有額の中央値は以下のとおりです。金融資産なので預貯金以外の資産も含まれますが、「それぞれの年代がどれくらいの財産を持っているのか」という目安になります。
| 年代 | 単身世帯の中央値 | 2人以上世帯の中央値 |
|---|---|---|
| 20代 | 103万円 | 171万円 |
| 30代 | 300万円 | 337万円 |
| 40代 | 500万円 | 500万円 |
| 50代 | 555万円 | 745万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年版)」
20代はまだ貯蓄に回せる資金的な余裕が少ないため、単身世帯・2人以上世帯ともに資産保有額が最も少ない傾向にあります。年齢が上がるにつれて収入が増え、貯蓄や資産運用に回せる余裕も生まれてくるため、資産保有額は徐々に増加していきます。中央値が本記事のテーマである「500万円」に達するのは、単身・複数世帯ともに40代以降となっています。
1-2.年収別の預貯金額
次に、年収別の資産保有額の中央値も見てみましょう。
| 年収クラス | 単身世帯の中央値 | 2人以上世帯の中央値 |
|---|---|---|
| 300万円未満 | 387万円 | 370万円 |
| 300~500万円未満 | 500万円 | 600万円 |
| 500~750万円未満 | 1,000万円 | 615万円 |
| 750~1,000万円未満 | 2,380万円 | 1,062万円 |
| 1,000~1,200万円未満 | 1,000万円 | 1,650万円 |
| 1,200万円以上 | 4,948万円 | 1,950万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年版)」
年収が高くなるにつれて資産保有額も増加する傾向が見られます。また、教育費などがかからない単身世帯のほうが、年収が高い層ではより多くの資産を保有する傾向が顕著に表れています。
興味深いのは、年収500万円未満であっても、資産保有額の中央値が500万円を超えている点です。「年収が低いから貯金や投資は難しい」といった声はよく聞かれますが、実際には年収にかかわらず資産を着実に蓄えている人が一定数いることが分かります。年収の多寡だけでは、貯蓄や投資をしない理由にはならないということかもしれません。
1-3.世帯構成別の預貯金額
続いて、世帯構成別の資産保有額についてもそれぞれの中央値を見てみましょう。
| 世帯構成 | 資産保有額の中央値 |
|---|---|
| 世帯主夫婦のみ | 910万円 |
| 世帯主夫婦と子のみ | 640万円 |
| 世帯主夫婦と親のみ | 900万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年版)」
「世帯主夫婦と子のみ」の世帯だけが、他の世帯と比べて資産保有額の中央値が低くなっています。これは、子どもの養育費や教育費などの支出が多くなることが影響していると考えられます。
とはいえ、中央値が600万円を超えている点からも、子育て世帯でも着実に貯蓄や投資に取り組んでいる実態がうかがえます。こうした世帯では夫婦共働きによる安定した収入を背景に、一定の資産形成が可能となっているケースも多いと考えられます。
ここまで読み進めて、「え!こんな金額、全然持っていない……」と焦った人もいるかもしれません。特別に贅沢をしているつもりはなくても、貯蓄に回せるほどのお金が手元に残らないと感じている人も多いのではないでしょうか。「他の人はどうやってそんなにお金を貯めているの?」と不思議に思うこともあるはずです。
「きっと年収が高いから貯金ができているに違いない」と考え、将来のためにまずは高収入を目指そうとする人もいるでしょう。もちろん、年収が高いほど貯金しやすくなるのは事実です。しかし、実際には年収の多寡と貯金の有無に明確な相関があるとは限りません。お金が貯まるかどうかは、「お金が貯まる仕組みを日常に取り入れているか」にかかっています。
思うように貯金ができていない人に多いのは、「余ったお金を貯金に回す」という考え方です。一方で、しっかりと貯金ができている人は、「まず貯める金額を確保し、残りで生活する」という発想をしています。
多くの人は、スマートフォン代や食費、家賃といった毎月の出費を大まかに把握しているはずです。しかし、そこに「貯金にいくら」といった項目が含まれていないことが、なかなか貯金ができない理由の一つといえるでしょう。
まずは、無理のない金額を毎月の収入から先取りで貯金に回す習慣をつけることが大切です。たとえば、毎月3万円を貯金すれば、1年で36万円、3年で約100万円が貯まります。
100万円というまとまった金額が貯まることも重要ですが、それ以上に「貯金してから残りで生活する」という金銭感覚が身につくことのほうが大きな意味を持ちます。この習慣は、ライフスタイルの中に「お金が貯まる流れ」を作ることにつながります。
こうした仕組みができあがれば、貯金額を少しずつ増やしたり、保険や株式などの運用商品に資金を振り分けたりすることも可能になります。
さらに、100万円程度の資金があれば、マンション経営などによって毎月安定した家賃収入を得る仕組みを構築することも視野に入ります。勤務先や職種によっては、少ない自己資金でも不動産投資を始められるケースもあります。
2.貯金額500万円以上・以下で全然違う!お金への考え方
ここでは、貯金額が500万円以上ある人とそうでない人の、お金の考え方の違いを整理してみました。
2-1.貯金額が500万円以上の人の特徴
500万円以上の貯金がある人は、ライフスタイルの中に「お金を貯めるパイプ」がしっかりと存在しているタイプです。そうした人には、以下のような特徴が見られます。
- 収支バランスを重視
- 予算の概念がある
- 分散投資をしている
- 無駄なお金を使わない
- プロに相談している
2-1-1.収支バランスを重視
最大の特徴は、家計簿をつけるなどしてお金の管理が習慣化している点です。細かく集計しているというより、エクセルやスマホアプリ、カード明細などを活用し、収支のバランスが崩れないよう管理しています。このような収支の把握が長年の習慣となっており、「いくら使って、いくら使えるか」が感覚的に分かっているため、いちいち確認しなくても頭の中にだいたいの収支バランスができあがっています。
2-1-2.予算の概念がある
収支バランスを意識しているだけでなく、「予算を組む」という発想が根づいています。収入の中から、食費・学費・生活費・通信費など、各項目に予算枠があり、その中には当然「資産形成」の枠も含まれています。仮に支出が予算をオーバーした場合でも、ボーナスなどで補填する、別月で調整するなど柔軟に対処しています。
2-1-3.分散投資をしている
10~50万円といった少額でも、複数の金融商品に分けて効率よく資産運用をしています。「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言に則り、生命保険・株式・投資信託・個人年金・債券・不動産などを組み合わせてリスクを分散しながら資産を増やしています。
2-1-4.無駄なお金を使わない
節約というより「自分にとって不要なものにお金を使わない」という明確な基準を持っています。交際費に重きを置く人はそこにしっかり使う一方で、興味のない分野にはお金をかけません。お金の使いどころと使わないところのメリハリが効いています。
2-1-5.プロに相談している
500万円以上の貯金がある人は、お金に関して相談できる専門家の存在を持っています。
ファイナンシャルプランナー:資産運用や保険選びの相談
税理士:税金や節税対策の相談
不動産の専門家:不動産投資による資産形成の相談
銀行や証券会社から勧められた商品を自分で調べるだけでなく、第三者のプロにお金を払ってまで相談し、納得のうえで選択しています。
2-2.貯金額が500万円以下の人の特徴
貯金額が500万円以下の人は、前項で紹介した500万円以上の人とは反対の特徴を持っています。現在、貯金500万円を目指して努力している人も含め、下記の項目に心当たりがあれば、それぞれの対策を参考にして改善を図ることで、目標達成に近づくことができます。
特に20~30代前半では、500万円未満の貯蓄額が一般的です。金額そのものよりも、日々の習慣を自覚し、500万円以上の貯金がある人の行動パターンに近づけることが重要です。
- 収支バランスが悪い
- 予算の概念がない
- 口座にお金を入れておくだけ
- 細かな無駄使いをする
- お金に関した相談相手がいない
2-2-1.収支バランスが悪い
収支のバランスが悪く、注意していても毎月なぜか赤字になる傾向があります。ボーナスなどで補填している人も多いですが、月単位で見ると赤字が続いていることも珍しくありません。中には、収支管理自体をしていない人もいます。
【対策】
スマホのレシート管理アプリなどで構わないので、週に1度は「何にいくら使ったか」を確認する習慣をつけましょう。次の項目とも密接に関係します。
2-2-2.予算の概念がない
収入の中から何にいくら使うかという「予算」の意識が薄く、お金の使い方が場当たり的になりがちです。欲しいもの・使いたいもの・趣味などの誘惑に対し、常に予算オーバーしてしまう傾向があります。また、予算項目の中に「貯金」や「資産形成」が入っていないことも多いです。「余ったら貯金」というスタンスのため、なかなかお金が貯まりません。
【対策】
予算感覚を養うには時間がかかるため、まずは確実に貯金を生む方法として「先取り貯金」を導入しましょう。財形貯蓄や定期預金などで、給料が入った時点で自動的に一定額を貯金に回す仕組みを作るのが効果的です。
2-2-3.口座にお金を入れておくだけ
貯金は預金口座にお金を置いておくことだと考えがちで、金融商品への関心や知識が乏しく、資産運用に消極的な人も少なくありません。ATM利用料や振込手数料などに無頓着なケースも見られます。
【対策】
数字が苦手な人には、不動産投資など実物資産を活用した資産形成の勉強が向いています。実体経済を通じてお金の動きを理解するきっかけになります。
2-2-4.細かな無駄使いをする
無駄遣いしているつもりがなくても、日々少しずつお金を使ってしまい、結果的に支出が膨らんでいるケースもあります。例えば以下のような支出が該当します。
- 毎日コンビニやスーパーで何かを買っている
- 必要なくても、とりあえず3個くらい買う
- 気が付くと、同じタイプの服や物がたくさんある
- 冷蔵庫が満杯で、賞味期限切れの食品がある
- 課金やサブスクリプションに抵抗がない
【対策】
レシートを読み込むだけのアプリなどを活用して、支出を「見える化」するのが第一歩です。買い物の際にも「家にあったか?」「本当に必要か?」を立ち止まって考える習慣をつけましょう。意識しはじめると、無駄な出費を自然と減らせるようになります。
2-2-5.お金に関した相談相手がいない
お金のことを誰にも相談せずに抱え込んでしまい、ファイナンシャルプランナーや税理士に対して苦手意識を持っている人も少なくありません。たとえ無料相談の機会があっても、自分から積極的に行動に移さない傾向があります。また、金融商品に興味を持ったとしても、ネットの情報だけでは理解が深まらず、正しい判断ができないまま終わってしまうこともあります。
【対策】
この機会に、資産運用のプロであるファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。今後の資産の増やし方について、客観的で具体的なアドバイスが得られるかもしれません。また、不動産投資に関する資料請求やセミナー参加を通じて、実物資産の可能性を知っておくのも有効です。自分に合った、やりがいのある資産形成の方法に出会えるチャンスが広がります。
貯金額500万円は、人生全体を支えるには十分とはいえないかもしれませんが、生活にゆとりをもたらすには大きな意味を持つ金額です。例えば、今すぐ会社を辞めたとしても、自由に使える500万円があれば、2~3年は生活を維持できる可能性があります。
そのほかにも、以下のような場面で心強い備えとなります。
- 病気やケガで働けなくなったときの生活費として
- 起業や独立の準備資金として
- 結婚や出産といったライフイベントの補填として
- 家や車の購入時の頭金として
- 不動産投資を始める際の自己資金として
このように、人生で起こりうるさまざまな局面に柔軟に対応できる余力が生まれます。逆に、十分な貯金がないままこうした出来事に直面した場合、「お金のために動かざるを得ない」という状況に追い込まれてしまうかもしれません。
そのようなプレッシャーは、精神的な負担にもなりかねません。今の時点で貯金が500万円に届いていなくても、ある程度まとまったお金が手元にあるなら、資産運用を本格的に考えるタイミングです。お金に振り回されるのではなく、自らがコントロールする立場に変わっていくことが可能です。
例えば、手元資金をマンション経営の自己資金として活用すれば、マンションオーナーとして長期にわたり安定した賃料収入を得ることができます。不動産という「かたちのある資産」を保有することで、息の長い資産形成を実現できます。
お金は、ただ貯めるだけでなく、上手に活用することで資産へと育てていくことができます。自分で資産を作る力を身につければ、自分らしい生き方を実現しやすくなるでしょう。マンション経営への第一歩を踏み出すなら、初心者にも丁寧に対応し、運営までしっかりサポートするREISMにご相談ください。
3.貯金500万円を達成するポイント
これから貯金を進めて500万円を目指したいと考えている人に向けて、そのために意識したい7つのポイントを紹介します。これらを実践することで、貯金習慣が身につきやすくなり、500万円達成後の自分の姿もより明確にイメージできるはずです。
3-1.家計の状態を把握する
貯金は一時的な行動ではなく、日常の習慣によって積み上がるものです。まずは自分の家計の現状を正確に把握することから始めましょう。毎月の収入と支出を明確にし、何にお金がかかっているのか、削れるところはないかを見直します。
特に、何となく使ってしまっている出費を見つけることで、ムダな支出を抑えることができます。普段のお金の使い方を見直し、手元に残るお金を意識的に増やしていきましょう
3-2.毎月の固定費を見直す
固定費は継続的にかかる支出なので、削減できればそれがそのまま貯金に回せる安定した原資になります。見直すべき代表的な固定費としては、以下のようなものがあります。
| 固定費の項目 | 節約できる可能性 |
|---|---|
| 家賃 | 郊外物件や最適な広さの物件など家賃の安い物件への引っ越し |
| 携帯料金 | 格安SIM会社への乗り換え |
| ネット回線 | 格安会社への乗り換え、携帯料金とセットにすることで割引の適用など |
| 保険料 | ネット型保険への乗り換えなどで保険料の引き下げ |
| サブスク | 使っていないサービスの解約や安いプランへの乗り換えなど |
| 光熱費 | 格安会社への乗り換え、電気とガスの集約による割引など |
| 車両費 | あまり使わないのであればカーシェアを活用 |
それぞれの項目を少しずつ削減していくだけでも、合計すれば大きな金額になります。例えば、月に1万円節約できれば、1年間で12万円が貯金に回せることになります。
3-3.使い道ごとに口座を分ける
1つの口座だけでなく、用途ごとに複数の口座でお金を管理すると、余計な出費を抑えやすくなります。口座を使わず、封筒に現金を入れて分けて保管する方法でも構いませんが、口座を活用したほうが、履歴情報から支出額を「見える化」しやすくなります。
例えば、飲食代用として用意していた口座のお金を使い切った場合、その月の外食は終了です。1つの口座で管理しているとその境界があいまいになりがちなので、使い道ごとにお金を分けておく方法は有効といえるでしょう。
3-4.貯金500万円の達成時期を明確に決める
貯金500万円というのは、決して簡単な金額ではありません。だからこそ、まずは達成時期を決めて、そこから逆算し、毎月いくら貯金すればよいのかを明確にすることをおすすめします。
例えば「5年で500万円を貯める」という目標を立てた場合、毎年100万円ずつ、毎月では約8万3,000円の貯金が必要になります。これが厳しいと感じる場合は、期間をもう少し長く設定するなどして、現実的な目標に調整しましょう。
重要なのは、無理なく続けられる目標を立て、その目標に沿って行動することです。貯金は習慣であり、目標を立てるだけでなく、それを継続する仕組みを日々の生活の中に取り入れていくことが大切です。
3-5.財形貯蓄制度を利用する
財形貯蓄制度とは、給料からの天引きによって自動的に貯金ができる仕組みです。自分で毎月貯金の手続きをする必要がないため、なかなか貯金が続かない人や、貯金習慣が身につかない人にとっては特に有効な方法といえます。
勤務先にこの制度がない場合でも、給料の振込口座から自動的に積立預金ができるように設定するなど、強制的にお金が貯金に回る仕組みをつくっておくと、着実に貯金が進みやすくなります。
3-6.臨時収入があった時は多めに貯金する
定期的な収入からの貯金を続けている際に臨時収入があれば、それもしっかり貯金に回しましょう。もともとは入るはずのなかったお金なのですから全額を貯金に、と言いたいところですが、それだと臨時収入の喜びも半減してしまうので、半分を貯金に回すなどの「折り合い」をつけるのがよいでしょう。
貯金は続けていくことが何よりも大切なので、臨時収入があった場合も無理のない範囲で貯金をすることが継続のコツです。
3-7.資産運用について学ぶ
「お金が貯まってから資産運用を考えよう」と後回しにするのではなく、貯金をしている段階から資産運用について学び始めることをおすすめします。もちろん、貯金を続けながら資産運用を並行して進めていく方法も有効です。
お金が増える仕組みやリスクについて理解を深めておけば、自分に合った運用方法を見つけやすくなりますし、「資産運用のために貯金をしている」と捉えることで、目標へのモチベーションも維持しやすくなります。
4.貯金500万円を目指すための資産運用法

少しでも早く貯金500万円を達成するためには、貯金をしながら資産運用を取り入れるのが得策です。ここでは、そのために知っておきたい方法を紹介します。
4-1.不動産経営
不動産経営とは、マンションなどの不動産を購入し、それを賃貸に出して家賃収入を得る運用方法です。今回紹介する運用法の中では唯一、資産形成のためにローンが活用できるのが大きな特徴です。
不動産投資では、購入した物件を将来的に売却し、値上がり益(キャピタルゲイン)を得ることもできますが、ここでは主に家賃収入(インカムゲイン)を得る「不動産経営」に焦点を当てて紹介します。
4-1-1.不動産経営のリターン
不動産経営は、ごく簡単にいえば「ローンは入居者が返済し、収益も得ながら、最終的に資産としての不動産が手に入る」仕組みです。主なリターンは以下のとおりです。
- 入居者から得られる毎月の家賃収入
- ローン完済後に所有となる不動産
多くの場合、不動産の購入にはローンを利用しますが、その返済は入居者からの家賃でまかなわれます。ローン返済後は、家賃収入のほとんどが手取り収入となり、不動産という資産も手元に残ります。また、購入時に団体信用生命保険に加入していれば、万が一の際にローンの返済が免除され、家族に不動産と家賃収入の両方を残すことができます。
4-1-2.不動産経営のリスク
不動産経営には、以下のようなリスクも存在します。
- 自己資金が必要
- 空室リスク
- 滞納リスク
- 自然災害リスク
購入時には、物件価格の1~2割程度の自己資金が必要になります。例えば、3,000万円の物件であれば300~600万円が必要です。また、入居者がなかなか決まらない「空室リスク」や、家賃の滞納といったリスクもあります。さらに、地震などの自然災害によって修繕費が発生したり、家賃収入が途絶えたりする可能性もあります。
【対策】
こうしたリスクを避けるには、まず入居者が付きやすく長く住んでもらえる物件を選ぶことが重要です。例えば、
- 立地が良い
- 住み心地が良い
- 都心にあって利便性が高い
といった条件を備えた物件が理想的です。こうした物件は、自分で探すことも可能ですが、不動産経営のプロと一緒に検討したほうが、よりよい選択ができるでしょう。運営後は、入居率の高い管理会社に委託することで空室や滞納のリスクを軽減できます。また、火災保険や地震保険に加入すれば、自然災害による損失をカバーすることも可能です。
4-2.REIT
REITは「リート」と読み、不動産投資に特化した投資信託です。不動産経営をパッケージ化し、金融商品として提供されているものと考えるとわかりやすいでしょう。
REITは、投資法人が資金を集めて複数の不動産に投資し、運用はアセットマネージャーと呼ばれる専門家が担います。得られた賃料収入や売却益などを、REITを保有している投資家に分配する仕組みです。
最大の特徴は、実物の不動産を購入しなくても、不動産経営に参加できる点にあります。J-REIT(日本の上場REIT)であれば、証券会社を通じて銘柄によっては数万円程度の比較的手頃な価格から購入が可能で、個人でも実物不動産投資に比べると手軽に始めやすい金融商品といえます。さらに、複数のREITを組み合わせることで、分散投資によるリスク軽減も図れます。
4-2-1.REITのリターン
REITに投資することで得られるリターンは、主に投資先の不動産から得られる賃料収入や売却益を原資とした分配金です。一般的な投資信託と同様に、運用のプロが不動産から収益を上げ、その利益を投資家に分配します。
REITの分配金利回りは比較的高めであることが多く、初心者にも魅力的な投資対象とされています。背景には、REITには利益の90%以上を分配することで法人税が実質的に免除される制度上のメリットがあるため、他の金融商品よりも分配率が高くなる傾向がある点が挙げられます。また、証券として取引できるため流動性が高く、必要なタイミングで売却して現金化しやすいのも利点です。
4-2-2.REITのリスク
REITには、以下のようなリスクがあります。
- 経済や市場の変動による価格下落リスク
- 地震・火災など自然災害による収益の悪化リスク
- 投資法人自体が経営難に陥るリスク
REITは証券化されている分、経済環境や不動産市況の影響を受けやすい側面があります。実物の不動産であれば、景気の変化が賃料や資産価値に反映されるまでに時間がかかることが多いですが、REITの場合は株式同様に比較的早く価格や分配金に影響することがあります。
さらに、扱っている資産は不動産であるため、火災や地震といった自然災害によるダメージを受ければ、分配金の減少や資産価値の低下につながるおそれもあります。
【対策】
リスクを抑えるためには、不動産市況や景気動向を把握し、必要に応じて早めに売却判断をすることが大切です。また、耐震性や災害対策が整った物件を中心に運用しているREITを選ぶことも、自然災害リスクの軽減につながります。
REITは投資法人を通じて運用されるため、万が一その法人が破綻した場合には元本割れする可能性もあります。ただし、REITは実物資産に裏付けられているため、投資先の不動産価値に応じて一定の資産価値が残る可能性があるのも特徴です。
4-3.投資信託
投資信託は、一般の投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーという資産運用のプロフェッショナルが運用し、その運用によって得られた利益を投資家に分配する仕組みです。
プロが選定した複数の銘柄を組み合わせて運用するため、個別株式に集中投資する場合と比べて、価格変動リスクを抑える効果が期待できます。日々の値動きを細かくチェックする時間や知識がない人にとっても、資産運用の手段として有効です。運用状況は、月次レポートや運用報告書などで確認できます。
投資信託は、証券会社や銀行などで購入できます。
最近ではスマートフォンから100円や500円といった少額から投資信託を始められるサービスも増えています。
4-3-1.投資信託のリターン
投資信託におけるリターンは、運用によって得られる利益です。投資信託は複数の銘柄に分散投資しているため、特定の投資先の価格が大きく下落した場合でも、他の投資先でカバーされることで、ポートフォリオ全体の値動きが緩やかになる効果が期待できます。
投資信託にどのような銘柄が含まれているかも大事ですが、運用方針や市場環境によってもリターンは変動します。過去の運用実績は参考になりますが、将来の成果を保証するものではありません。
4-3-2.投資信託のリスク
投資信託には、以下のようなリスクがあります。
- 元本割れリスク
- 運用コスト(信託報酬など)を支払う必要がある
- 換金に関する制限や留意点がある
投資信託はあくまで「投資」であり、元本保証はありません。運用成績が悪ければ、元本割れのリスクもあります。また、運用や管理の対価として信託報酬などのコストが差し引かれるため、運用で利益が出ていても、コストを差し引くとリターンが目減りする可能性があります。例えば、ファンドの運用で年3%の利益が出ても、信託報酬が年2%かかれば、実質的なリターンは1%です。
さらに、投資信託を解約(売却)してから現金化されるまでには通常数日かかります。また、投資信託の種類によっては、特定の期間中は解約できない場合や、解約が制限される場合もあります。
【対策】
元本割れを避けるには、過去の運用実績が安定しているファンドを選ぶことが基本です。運用報酬の負担を抑えるには、目論見書で信託報酬を確認し、低コストのファンドを選ぶのが効果的です。
投資信託を選ぶ際は、まず達成したい利益の目標やリスク許容度を定め、それに合った運用方針やリスク水準の商品を選びましょう。例えば、資産をどの程度増やしたいか、どの程度のリスクなら受け入れられるかを考慮し、
必要な利回りとコストを踏まえて検討します。
また、資金の使途に応じて運用期間を分けることも重要です。近い将来に使う資金はリスクの低い運用、使途が未定の資金は中長期運用を検討するなど、目的に合わせて選択すると安心です。
4-4.NISA
NISAは、2024年に制度が大幅に拡充されたことで注目を集めている税の優遇制度です。最大1,800万円分までの投資による利益が非課税になるため、本格的な資産形成に役立てることができます。
4-4-1.NISAのリターン
NISAはあくまでも税の優遇制度であって、「NISA」という名称の投資商品があるわけではありません。NISA口座を開設して、その口座で購入・保有しているものを非課税で運用できます。
運用対象は投資信託やETF(上場投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)、株式などです。購入する商品をうまく選べば資産が増え、しかもその増えた分についても課税されないので、より資産形成効果が大きくなります。
4-4-2.NISAのリスク
NISA口座で購入する商品によっては、元本割れを起こすリスクがあります。あくまでもNISAは運用益が非課税になるだけであって、利益が出ることを保証する制度ではない点に注意しましょう。
4-5.iDeCo
iDeCo(イデコ)も、NISAと同様に投資に関する税制優遇が受けられる制度です。老後資金の準備に特化しており、現役のうちに自分で運用商品を選んで積立投資を行い、60歳以降にその運用益とあわせて年金として受け取る仕組みです。
4-5-1.iDeCoのリターン
iDeCoで積立投資をした投資商品が、積立時よりも受取時に値上がりすれば、年金として受け取れる金額は大きくなります。自分で運用対象を選べるため、将来予測が正しければ払い込んだ掛金より多くの年金を受け取れるため、この増加分がiDeCoのリターンといえます。
4-5-2.iDeCoのリスク
NISAと同様に、iDeCoも投資の税優遇制度です。そのため、積立投資をする商品が大きく値下がりするようなことがあると、元本割れになるリスクがあります。iDeCoで元本割れが起きると、年金として受け取る際の金額が払い込み時の掛金よりも少なくなります。
4-6.株式投資
数ある投資商品の中でも、おそらく最も有名なのが株式投資でしょう。ひと口に株式投資といっても、株価上昇を狙う方法や配当を狙って保有し続ける方法など、さまざまです。
4-6-1.株式投資のリターン
株価上昇を狙って売買をする場合は、戦略が当たれば大きな利益が期待できます。株式投資の世界には「テンバガー」といって株価が10倍以上になる銘柄も少なくありませんが、うまくテンバガーを仕込むことができれば資産を10倍に増やすことも不可能ではありません。
配当狙いの株式保有の場合であっても、配当利回りが高い銘柄であれば5%以上の利回りも期待できるので、株式投資は有望な資産運方法の1つといえます。
4-6-2.株式投資のリスク
大きなリターンが期待できる一方で、株式投資にはリスクもあります。最大のリスクは保有している銘柄が倒産や経営破綻などで無価値になることですが、そうでなくても業績不振や高値掴みによって株価下落の影響を受けてしまう可能性もあります。
5.貯金500万円は「貯める」から「活かす」への転換点
貯金500万円は、年代別・年収別の中央値から見ても、一定の水準に達した証といえます。この金額を達成する人には、収支バランスを意識し、予算を立て、無駄な支出を避けるといった日々の習慣がしっかりと根づいています。一方、貯金額が500万円に届いていない人は、日々の金銭管理を見直し、貯まる仕組みを生活の中に取り入れることが大切です。
「500万円あると人生が変わる」と言われるのは、万一の備えになるだけでなく、資産運用という次のステージに踏み出せるからです。マンション経営をはじめ、不動産投資信託(REIT)、投資信託、株式投資、NISAやiDeCoなど、資産を増やす選択肢が広がります。
貯金500万円はゴールではなく、新たな可能性へのスタートラインです。貯めたお金を守るだけでなく、計画的に育てていく意識が、今後の暮らしをより自由で豊かなものにしてくれるでしょう。


