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不動産投資はいくらから始められる?ローン審査基準や必要年収、成功のポイントも

これから不動産投資を始めてみたいと考えている方にとって、「資金はいくらから必要なのか」という点は大きな関心事だと思います。物件購入の際、多くの方がローンを活用して資金を調達できることはご存じかもしれませんが、「では自己資金はいくら必要なのか」「ローン審査に通るには年収はどれくらい必要なのか」といった具体的な疑問が次々と湧いてくるものです。

そこで本記事では、不動産投資を始めるために必要な自己資金の目安や、初期費用の内訳、さらにローン審査に通るために求められる年収や条件などについて解説します。

不動産投資はいくらから始められる?ローン審査基準や必要年収、成功のポイントも

目次

1.不動産投資はいくらから始められる?物件タイプ別の特徴

まずは不動産投資を始めるために、どれくらいの資金を用意すればよいのかを整理しました。物件価格帯を3つに分け、それぞれで購入できる投資物件タイプと自己資金の目安を以下の表にまとめています。

物件価格帯 購入できる投資物件タイプ 自己資金の目安
(物件価格の20%の場合)
1,000万円~3,000万円 区分マンション など 200~600万円
4,000万円~ 区分ファミリー向けマンション
一棟アパート など
800万円以上
1億円~ 区分タワーマンション
一棟マンション・ビル など
2,000万円以上

※この表は一例です。実際の金額は、物件の種類や立地、融資条件などによって変わります。

不動産投資を始める際、ほとんどの方はローンを利用して物件を購入します。金融機関から求められるローンの頭金は物件価格の10~20%程度だといわれていますが、頭金以外にもさまざまな初期費用がかかるため、物件価格の20~30%ほどの資金を準備しておくと安心です。

ただし、物件の担保価値や購入者の属性によっては、少額の自己資金でスタートできる場合もあります。例えば、区分マンションなら自己資金が10万円程度でもスタートできるケースがあります。

ここでは、投資物件タイプごとの特徴も確認しておきましょう。

1-1.区分マンション

少ない資金で始めやすく、投資初心者にも取り組みやすいのが区分マンションの特徴です。このタイプの物件は投資用として購入されることが多いため、売却時には不動産投資家が主な買い手となります。そのため、比較的スムーズに売却できる点が魅力です。

管理面では、オーナーが対応するのは専有部分のみで、共用部分の管理は管理会社に任せることができます。そのため、本業が忙しい方でも手間をかけずに不動産経営を行うことが可能です。また、複数の区分マンションを所有する場合、物件のエリアを分散させることで、災害や市場変動のリスクを軽減でき、より安定した収益を目指せます。

1-2.区分ファミリー向けマンション・一棟アパート

区分ファミリー向けマンションは、家族向けに設計された広さや設備を持ち、投資用物件としても人気があります。ワンルームタイプと同様に売却時は投資家が主な買い手となりますが、物件によっては居住目的の購入者が買い手になる場合もあります。管理は専有部分のみで、共用部分は管理会社に委託できるため、手間をかけずに運用可能です。

一方、一棟アパートは2~3階建ての構造が多く、オーナーチェンジ物件が一般的です。各部屋から家賃収入を得られるため収益性は高いですが、建物全体の管理が必要となるため、区分マンションよりも管理負担が増えます。ただし、管理会社に運営を任せることで効率的な運用も可能です。

1-3.区分タワーマンション・一棟マンション・ビル

区分タワーマンション(タワマン)は、高額な初期費用が必要ですが、入居者の収入やステータスが高い傾向があり、安定した賃貸経営が期待できます。管理は専有部分のみですが、分譲タイプの場合は管理組合への加入が必要です。売却時には不動産投資家だけでなく、一般の購入者や企業も買い手となるため、売却の選択肢が広がります。

一棟マンションやビルは、建物全体を購入し、住居やテナントとして貸し出すことで収益を得られる物件タイプです。建物全体の管理が必要となりますが、他の物件タイプと同様に賃貸運営や建物管理を管理会社に委託することも可能です。初期投資は高額ですが、複数の収入源を確保できるため、安定した収益が期待できます。

2.不動産投資の初期費用の内訳

不動産投資の初期費用は、物件価格の20~30%程度が目安となります。大きな金額に感じるかもしれませんが、それぞれの内訳を確認すれば納得できる内容です。

2-1.ローンの頭金

多くの方は、物件購入時にローンを利用します。先述したように、金融機関から求められる頭金は、一般的に物件価格の10~20%ほどです。ただし、頭金の金額は申込者の年収や勤務先、物件の担保価値などによって変わるため、具体的な金額は条件次第で異なります。事前に、不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。

2-2.不動産登記費用

不動産登記とは、購入した不動産の権利や名義人を登記簿に記録する手続きのことで、この際に登録免許税がかかります。中古物件の所有権移転登記の場合、税率は固定資産税評価額の2%が適用されます。例えば、評価額が1,000万円の物件であれば、登録免許税は20万円となります。

またローンを組む場合、物件には抵当権が設定され、抵当権設定登記には借入額の0.4%が必要です。1,000万円のローンを組んだ場合、登録免許税は4万円となります。これらの手続きは自分で行うことも可能ですが、専門知識が求められるため、一般的には司法書士に依頼します。司法書士への報酬は3~8万円程度が目安です。

2-3.各種税金

不動産を購入すると、さまざまな税金を支払う必要があります。代表的なものには、不動産取得税、印紙税、固定資産税、都市計画税などがあります。

まず、不動産取得税は不動産を取得した際にかかる税金で、税額は固定資産税評価額の4%が基本です。例えば、評価額1,000万円の物件なら40万円となり、購入後半年以内に納税通知が届きます。この税金は購入時に支払う必要はありませんが、後で支払うための準備が必要です。また、不動産売買契約書には収入印紙が必要で、1,000万円超~5,000万円以下の物件では印紙税は2万円です。

さらに、物件を所有している場合、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税と都市計画税が課されます。都市計画税は市街化区域内の物件が対象です。固定資産税は評価額の1.4%、都市計画税は0.3%で、例えば評価額1,000万円の物件では、固定資産税が14万円、都市計画税が3万円となり、合計で17万円の税金がかかります。

なお、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者が支払いますが、中古物件の場合、売買契約時に日割りで税額を清算するのが一般的です。

2-4.ローン事務手数料・保証料

ローンを組む際には、金融機関で事務手数料が発生します。この手数料は借入額の1~3%程度(定率制の場合)が一般的で、例えば1,000万円を借りる場合、10~30万円ほどかかります。

保証料は連帯保証人の役割を担う保証会社に支払う費用で、支払い方法には一括払いと金利に上乗せして分割払いする方法があります。一括払いなら融資総額の2%程度、金利上乗せなら0.2~0.3%程度が相場となっています。

これらの費用は金融機関や借入期間、借入額、申込者の属性、支払い方式などによって変わるため、事前にしっかり比較検討することが大切です。

2-5.保険料

保険料とは、物件にかける火災保険や地震保険などのことです。ただし、一般的な損害保険ではなく、不動産オーナー向けの保険商品を選ぶ必要があります。保険料は、基本金額で年間5~10万円程度が相場ですが、特約を追加して補償範囲を広げることも可能です。できれば物件購入と同時に、遅くとも入居者が決まるまでに加入しておくことをおすすめします。

なお、金融機関によってはローンと損害保険がセットになっている場合や、不動産会社が保険代理店として保険商品を提供していることもありますので、事前に確認しておきましょう。

2-6.仲介手数料

仲介手数料は「宅地建物取引業法」によって、以下のように段階的に上限額が定められています。

売買価格 上限額
200万円以下の部分 売買価格の5%+消費税
200万円超~400万円以下の部分 売買価格の4%+消費税
400万円超の部分 売買価格の3%+消費税

ただし、金額ごとに計算するのは慣れていないと時間がかかることがあります。そこで、以下の「速算式」を使えば、仲介手数料を簡単に計算することができます。

売買価格 上限額
800万円以下 最大30万円+消費税
800万円超 売買価格×3%+6万円

3.不動産投資物件は現金一括購入がお得?ローンとの7つの比較ポイント

不動産投資を始める際、初期費用として物件価格の20~30%程度を用意しておくと、スムーズにスタートできます。ただし、資金に余裕がある方やローンに抵抗がある方の中には、「現金一括で購入したほうが得なのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、この選択については状況や目的によって異なるため、一概にどちらが良いとはいえません。

以下の表は、不動産投資を現金一括で始める場合とローンを利用する場合とで、不動産投資のポイント別に比較したものです。

現金一括で始める場合 ポイント別比較 ローンを利用する場合
手持ち資金が大きく減る 購入時 手持ち資金を減らさずスタート可能
ローンの諸経費・金利がない 諸経費 ローンの諸経費・金利が発生する
資金の範囲内で物件を探す必要あり 手に入る物件 自己資金以上の好物件を購入可能
空室リスクの影響が大きい 経営開始後 空室リスクの影響が大きい
いつでも売却できる 売却時 綿密な出口戦略が必要
節税効果が小さくなる可能性あり 税金対策 相続税対策としては万全
大金を長期間動かせなくなる 投資効果 レバレッジによる投資効果が高い

3-1.購入時

ローンを利用して投資物件を購入する場合、融資額の10~20%が自己資金として必要です。また、その他の初期費用を含めると、1,000万円の物件では合計で200~300万円程度が一般的な初期費用の目安となります。一方、現金一括で1,000万円の物件を購入すると、多額の手持ち資金が必要となり、購入後に資金が不足すると、経営開始後の予期せぬ出費に対応しづらくなる可能性があります。この点には十分な注意が必要です。

なお、売主が早急に現金化を希望している場合などでは、「現金払い」を条件とされることがあります。このようなケースでは値引き交渉がしやすく、予想以上にお得な価格で物件を購入できる可能性があります。預貯金に余裕がある場合は、あえてローンを組む必要はありませんので、他の条件も考慮しながら、どちらを選ぶかを検討することが重要です。

3-2.諸経費

不動産取得税や固定資産税、保険料、仲介手数料などは、ローンで購入しても現金一括で購入しても同じように発生します。ただし、現金一括購入の場合は、ローンを利用した際に発生する利息や事務手数料、保証料などの費用は一切かかりません。また、融資審査が不要なため、スピーディーに不動産投資を進めることができる点もメリットです。

一方、ローンを組む場合、これらの費用が追加されるため、最終的な支払額は物件価格を超えることになります。例えば、1,000万円の物件を金利2%で20年払いにすると、金利の合計は約214万円となり、総支払額は1,214万円になります。

3-3.手に入る物件

現金一括で購入する場合は、手持ち資金の範囲内でしか物件を選ぶことができません。言い換えれば、用意できる資金を超える金額の物件には投資できないという制約があります。また、ローンを利用せず現金一括購入を検討している場合、必要な資金を準備するまでに時間がかかることがあり、不動産投資を始めるタイミングが遅れる可能性も考えられます。

一方、ローンを利用すれば、少ない手持ち資金でも頭金として活用することで、より高額な物件への投資が可能になります。ローンを上手に活用することで、投資効率を高めた不動産投資を実現することができます。

3-4.経営開始後

経営開始後のリスクは、現金一括購入の場合でもローンを組んでいる場合でも共通して存在します。不動産投資におけるリスクについては、関連記事「不動産投資の7大リスクと対策を解説!知っておきたい7つのメリットも紹介」をご覧ください。

中でも、特に影響が大きいのが空室リスクです。このリスクは、ローン返済に直接関わるため、ローンを利用している場合のほうが、より深刻になる傾向があります。

3-5.売却時

不動産は周辺環境の影響を大きく受けるため、購入時に良好な立地条件であっても、数十年後に同じ環境が維持される保証はありません。たとえ優良物件であっても、空室の増加や家賃の下落によって利益が減少した場合には、物件を売却し、より収益性の高い物件に買い替えることが重要です。このように1つの物件の運用を見直し、区切りをつけることを「出口戦略」と呼びます。

また、経営が順調であっても、地価の上昇によって大きな利益が見込まれる場合には、売却を検討する価値があります。特にインフレ時には、不動産価格や賃料が上昇する傾向があるため、継続運用するか売却するかを慎重に判断することが大切です。

現金一括購入の場合、売却のタイミングを自由に選ぶことができます。一方、ローンを利用している場合は、売却代金で残債を完済できるかどうかが重要なポイントになります。もし売却価格が予想を下回り、完済が難しい場合、不動産投資全体がマイナスに転じるリスクがあるため、注意が必要です。

売却を検討する際には、現金一括購入でもローン利用でも、不動産投資全体でプラスとなるように慎重な判断を行うことが求められます。

3-6.税金対策

不動産投資における一般的な節税対策として、不動産経営にかかる経費を多く計上し、収支を赤字にすることで所得税や住民税を抑える方法があります。特にローンを利用する場合、手数料や毎月の利息を経費として計上できるため、節税効果を得やすくなります。一方、現金一括購入では利息が発生しないため、その分の経費が発生せず、税金対策の観点ではローンのほうが有利です。

相続税対策としては、不動産を購入することで現金資産を減らし、相続税の課税対象となる評価額を抑える効果があります。現金は時価で評価されますが、不動産の場合は相続税評価額が時価より低くなることが多いため、多額の現金資産を不動産に変えることで節税が可能です。

さらに、ローンを活用して不動産を購入した場合、残債がマイナスの資産として扱われるため、他の資産と相殺され、相続税評価額をさらに引き下げることができます。手持ちの現金を頭金として借入額を増やし、賃貸経営を行うことで、相続税対策の効果を最大化することも可能です。詳細については関連記事をご覧ください。

関連記事:不動産の相続対策で知っておくべき3本柱と節税に関する最新事情

3-7.投資効果

投資効果とは、投資した金額をどれだけ効率的に増やし、早く確実に資産を拡大できるかということです。例えば、1,000万円の預金で1,000万円の不動産を購入し、年間80万円の家賃収入を得る場合、利回りは8%です。しかし、同じ1,000万円をローンの頭金にして2,000万円を借り入れ、合計3,000万円の物件を購入した場合、収益は3倍の240万円となります。

手持ち資金 購入方法 購入価格 借入額 利回り 年間収益 投資効果
1,000万円 現金一括 1,000万円 0円 8% 80万円
1,000万円 ローン購入 3,000万円 2,000万円 8% 240万円

同じ1,000万円を使った場合でも、ローンを利用すれば収益が3倍になります。このように、借入金という他人資本を活用して利益を最大化する方法を「レバレッジ(てこの原理)」と言い、投資効果を高めるための手段として使われます。現金一括購入とローン購入を比較する際には、手持ち資金の額や手残りの資金も重要ですが、投資においては資産をいかに効率よく増やせるかも大切なポイントです。

実際、多くの資産を持つ富裕層でも、不動産投資ではローンを利用するのが一般的です。ローンを利用することで、少ない労力でより効率的に資産を増やせることを理解しているからです。ただし、どちらを選ぶかは、預金残高や投資効果への期待だけでなく、自分の性格やリスク許容度にも左右されます。そのため、自分が納得できる方法を慎重に選ぶことが重要です。

4.自己資金ゼロから始める不動産投資の方法

これまで、物件購入費用のうち自己資金は20~30%程度が目安とお伝えしてきました。しかし実際には、自己資金ゼロで不動産投資を始めることも可能です。

4-1.フルローンの仕組みを知ろう

フルローンとは、自己資金を使うことなく全額を融資で調達することです。購入する物件の収益性や申込者の属性(年収や勤続年数、保有資産など)によっては、自己資金なしでも融資の審査に通ることが可能です。手持ちに資金があっても他のことに使いたいという場合、フルローンであれば手持ちの資金に手をつけることなく不動産投資を始められます。

4-2.自己資金なしでの融資審査の難しさ

フルローンで融資を受けることは「可能」ではありますが、決して「簡単」ではありません。金融機関にとって、自己資金がある場合に比べて融資リスクが高くなるため、フルローンでは審査基準がより厳しくなります。

不動産投資ローンの審査では、主に物件の収益性と申込者の返済能力が重視されますが、フルローンの場合はこれらの条件が自己資金を用意する場合よりも厳しくなります。具体的には、より高い収益性を持つ物件であること、申込者自身の年収や勤続年数などの属性が優れていることなどが求められます。

5.自己資金ゼロで不動産投資を行うリスク

自己資金ゼロ、つまりフルローンで不動産投資を行う際には、そうでない場合よりもリスクが高くなります。フルローンにした場合に知っておくべきリスクは、収益性と出口戦略への影響です。

5-1.毎月の返済額が大きくなる可能性

フルローンは物件の取得費用の全額を融資でまかなうため、その分借入額が大きくなります。借入額が大きくなると月々の返済額も大きくなるため、家賃収入に占めるローン返済の比率が高くなります。ローン返済の比率が高いとオーナーの手残り(最終的な利益)が少なくなるため、収益性が低くなる可能性が高いでしょう。

5-2.長期返済による出口戦略の制約

1つの物件に対して売却や買い替えなどの区切りをつけることを「出口戦略」といいます。物件を生涯保有し続ける場合を除き、あらかじめ何らかの出口を想定しておくことが重要です。しかし、フルローンを利用すると、この出口戦略において不利になる可能性があります。

その理由は、フルローンでは借入額が大きくなるため、返済期間が長引き、売却時にローン残債が残っているケースが多くなるからです。残債を抱えた状態で新たな物件を購入しようとすると、2つのローンを同時に抱えることになり、追加融資の審査が難しくなる可能性があります。その結果、出口戦略の選択肢が狭まるリスクが高くなります。

6.不動産投資ローンの審査基準

不動産投資ローンの審査では、主に物件の収益力と申込者の返済能力が重視されると述べました。ここではさらに具体的に、不動産投資ローンの審査基準について3つの視点から解説します。

6-1.属性

属性とは、申込者の返済能力に関する指標です。年収や勤務先の安定性(大企業、官公庁などは高評価)、その勤務先での勤続年数(長いほど収入の安定性が高いと評価される)などをはじめ、他にも以下のような情報も属性に含まれます。

  • 他の借入状況と信用履歴(現在の借入が少ない、過去に延滞などをしていなければ高評価)
  • 家族構成(独身よりも既婚者のほうが社会的に安定していると評価される)
  • 他の資産保有状況(資産が多いほど返済能力が高いと評価される)

属性に関する指標は、これら以外にもさまざまな要素があります。金融機関は審査基準や詳細な内容を公表していないため正確には分かりませんが、一般的には「収入が高い」「保有資産が多い」「社会的ステータスが安定している」といった条件を満たす人ほど審査に通りやすいと考えられます。

6-2.物件の価値・収益力

住宅ローンの場合は不動産が収益を生むわけではないため物件の収益性は考慮されませんが、不動産投資ローンの場合は不動産による収入が返済原資になるため、物件の収益性が重視されます。また、万が一返済困難になってしまった場合は担保にしている物件を売却して回収をする必要があるため、十分な担保価値(資産価値)があることも重要です。

これらの点から、不動産投資ローンの審査では「返済に充てられる十分な収益が見込めること」と「万が一の場合でも融資額を回収できるだけの担保価値があること」の2つが大きな基準となります。

6-3.不動産投資の実績

ここまでの解説では触れてこなかった要素ですが、不動産投資はビジネスの一種であるため、そのビジネス経験があるかどうかも審査基準となります。

すでに所有している物件で安定した利益を上げている場合、「これから購入する物件でも賃貸経営を成功させられる可能性が高い」と評価されるため、審査に通りやすくなります。一方で、初めて収益物件を購入しようとする場合は実績がないため、経験による信用の上積みは期待できません。この点を考慮し、準備を進めることが重要です。

7.不動産投資ローンを組むのに必要な年収

不動産投資の審査では、年収が重要なポイントの1つとされています。では、具体的にどの程度の年収が必要なのでしょうか。

7-1.基準となる年収

金融機関が審査基準を公表していないため、基準となる年収も一般論ではあるのですが、おおむね700万円程度が目安であるといわれています。もっといえば、700万円以上の年収が何年も続いていて安定していることが望ましいでしょう。

とはいえ、不動産投資ローンでは安定した家賃収入が返済の原資とみなされるため、年収が700万円に満たなくても物件の収益性が評価されれば、審査に通る可能性は十分にあります。収益性の高い物件を選ぶことが重要です。

7-2.年収以外に重要な条件

年収は不動産投資ローンの審査において重要な要素ですが、それだけで審査結果が決まるわけではありません。金融機関は、申込者の属性情報や物件の資産価値、収益性、不動産投資の実績など、多角的な視点から審査を行います。高い年収があっても、それだけで審査に通るとは限らない点は、不動産投資ローンならではの特徴といえるでしょう。

8.年収に不安がある場合の不動産投資ローンの審査対策

年収が700万円に満たないために、審査に不安があるという方は多いかもしれません。国税庁の「民間給与実績調査」の令和5年版では、男性の平均年収が569万円で、女性は316万円です。年収700万円というのは男女両方の平均年収を上回っているため、決して多い人数ではありません。

そこで、年収700万円に満たないために審査に不安があるという方に向けて、審査に通りやすくする方法を3つ紹介します。

8-1.自己資金をできるだけ多く用意する

フルローンではなく、自己資金を多く用意することは審査上の評価を高める要因となります。自己資金が多ければ借入額が少なくなり、その分審査に通りやすくなるだけでなく、「自己資金を準備できる」という事実が、不動産投資に対する熱意や計画性を示すものとして評価されます。そのため、金融機関にとっても安心材料となり、審査が通りやすくなる傾向があります。

8-2.属性を少しでも上げておく

属性情報には他社での借入状況も含まれます。他社からの借入件数が多かったり、借入額が大きかったりすると、審査で不利になる可能性があります。そのため、返済可能な借入は事前に返済してから審査に臨むことが有効です。

さらに、クレジットカードやカードローンの利用可能枠にも注意が必要です。利用していなくても、「いつでも借金できる状態」と見なされる場合があるため、使っていないカードは解約するか、利用可能枠を必要最小限に減らしておくとよいでしょう。

8-3.自分に合う借入先を探す

金融機関は、それぞれ独自の審査基準に基づいて審査を行っています。そのため、自分の状況や目的に合った金融機関を選ぶことも有効な対策です。金融機関は大きく以下のように分類されます。

  • 大手メガバンク
  • 地方銀行
  • 信用金庫、信用組合
  • ネット銀行、ベンチャー系銀行
  • ノンバンク系金融機関

大手メガバンクとは、全国規模で展開している銀行を指します。これらの銀行(例:三菱UFJ銀行や三井住友銀行など)は、主に大企業向けの融資を中心としているため、個人が不動産投資ローンを申し込んでも、審査に通るのは難しい場合があります。

一方で、不動産投資ローンに力を入れているネット銀行やベンチャー系銀行、地域密着型の地方銀行や信用金庫は、個人の不動産投資にも柔軟に対応しているケースが多いため、有効な選択肢となります。また、ノンバンク系の金融機関も選択肢の1つです。これらの機関は金利がやや高めではあるものの、不動産投資ローンに特化したサービスを提供している場合があり、資金調達の手段として検討する価値があります。

9.不動産投資で成功するために大切な3つのポイント

不動産投資は長期にわたる資産運用です。安定した利益を得るためには、いくつかの重要なポイントを押さえることが大切です。ここでは、不動産投資で成功するための3つのポイントを紹介します。

9-1.ローンを組むメリットを理解しておく

不動産投資ローンでは、一般的に年収の5~10倍程度まで融資を受けられることが多いため、手持ち資金が少なくても条件の良い物件に投資しやすくなります。ローンを利用することで投資の選択肢が広がり、不動産投資の成功確率を高めることができます。

さらに、ローンを組む際に団体生命保険に加入すると、万が一の事態が発生した場合でも、返済義務のない物件を家族に遺せるという大きなメリットがあります。

一方、現金一括購入を検討する方もいますが、資金を貯めている間に投資の機会を逃してしまう可能性があります。不動産投資は長期的な視点が重要なため、ローンを活用して早めにスタートし、繰り上げ返済で早期完済を目指すほうが成功につながりやすいでしょう。

9-2.資産価値の高い物件を選ぶ

不動産投資における資産価値とは、物件そのものだけでなく、そのエリア全体の評価を含めた価値を指します。例えば、都心部の人気エリアにある物件は需要が高く、築年数が経過していても空室が発生しにくいことから、安定した経営が期待できるという特徴があります。

資産価値の高い物件は購入価格が高くなる傾向がありますが、その分リスクが低く、長期的に堅実な収益が見込めます。不動産投資を成功させるためには、初期費用だけでなく、物件の収益性やリスクを総合的に評価し、慎重に選ぶことが重要です。

9-3.信頼と実績のある不動産会社にサポートしてもらう

初めての不動産投資では、信頼と実績のある不動産会社のサポートを受けることが成功への近道となります。不動産投資には、物件選び、融資手続き、運用管理、さらには税務対策など、幅広い専門知識が必要です。これらを一人で対応するのは難しく、特に初心者には大きな負担となる場合があります。

信頼できる不動産会社に相談することで、投資目的や予算に合った物件を提案してもらえるだけでなく、購入後の賃貸管理やトラブル対応などもサポートしてもらえます。また、不動産会社は市場動向やエリアごとの需要に詳しいため、リスクを抑えた計画を立てるうえで非常に役立ちます。

さらに、不動産会社を通じて、一般には公開されていない未公開物件の情報を得られる可能性もあります。このようなサポートにより、初心者でも安心して不動産投資を始めることができ、長期的な成功につながります。

ただし、不動産会社を選ぶ際には、その実績や顧客からの評価をしっかりと確認することが重要です。信頼できるパートナーを見つけることで、不動産投資の成功率を高めることができるでしょう。

10.思い立ったが吉日、まずはできることから始めよう

不動産投資を始めるには、自分に合った資金計画を立て、無理のない範囲で物件や金融機関を選ぶことが大切です。たとえ現在の条件が基準に達していなくても、対策を講じることで審査に通る可能性を高めることができます。

重要なのは、最初の一歩を踏み出すことです。完璧を求めるのではなく、できることから行動を起こすことで、不動産投資への道が開けていきます。小さな一歩が、将来の安定した収益を生む大きなチャンスにつながるかもしれません。まずは、今できることから始めてみてはいかがでしょうか。

関連記事:不動産投資ローンの金利相場はどのくらいなの?金利に影響するポイントも解説

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