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不動産投資
不動産投資詐欺に騙されない!手口から対策まで初心者が知るべき全知識を解説
「安定した家賃収入で将来に備えたい」「節税対策をしたい」といった思いから、不動産投資に興味を持つ方が増えています。しかし、その期待感につけ込み、大切な資産をだまし取ろうとする「不動産投資詐欺」が後を絶たないのも事実です。
この記事では、これから不動産投資を始める方が詐欺被害に遭わないために、知っておくべき全ての情報を網羅しました。最後まで読めば、詐欺師の甘い言葉に惑わされず、冷静な判断を下すための「知識」と「警戒心」が身につきます。安全な資産形成への第一歩を、ここから踏み出しましょう。
目次
1.不動産投資詐欺が後を絶たない3つの背景
不動産投資詐欺のニュースは後を絶ちません。なぜ、これほどまでに被害が続いてしまうのでしょうか。その背景として、主に次の3つが考えられます。
1-1.不動産取引特有の「情報の非対称性」と専門知識の壁
不動産取引では、売り手であるプロ(不動産会社)と、買い手である一般の投資家との間に、圧倒的な情報量の差、いわゆる「情報の非対称性」が存在します。業者は、マーケットにおける相場観や物件の資産価値に影響するプラスの情報もマイナスの情報(例:隠れた欠陥、将来の周辺開発計画など)も専門家として把握していますが、一般の方がそれらをすべて見抜くのは非常に困難です。
特に、契約前に行われる「重要事項説明」では、その情報格差が顕著に現れます。分厚い書類を前に、「建ぺい率」や「容積率」、「用途地域」といった普段聞き慣れない専門用語で説明を受けても、その場で完全に理解するのは至難の業でしょう。
結果として、疑問点を解消できないまま「専門家が言うのだから大丈夫だろう」と話を進めてしまいがちです。この買い手の知識不足や遠慮が、悪意のある業者につけ込まれる大きな原因となります。
1-2.「高利回り」「節税」などの言葉で期待を煽り冷静さを奪う
「楽して儲けたい」「損をしたくない」という感情は、誰しもが持つ自然な心理です。しかし、不動産投資詐欺師は、この心理に巧みにつけ込んできます。
「年利〇%確実!」「この物件なら大幅な節税が可能」「何もしなくても家賃収入が毎月振り込まれます」このような魅力的な言葉は、投資に対する過度な期待感を煽ります。特に、仕事で忙しい会社員にとって、「手間なく資産を増やせる」という話は非常に魅力的に聞こえるでしょう。
その結果、リスクを軽視し、物件や業者の精査を怠るなど、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
1-3.SNSで信用させて近づく、進化する詐欺の組織プレー
近年、詐欺の手口はより巧妙化・組織化しています。特にSNSの普及は、詐欺師に新たな活動の場を与えました。
FacebookやInstagram、マッチングアプリなどで個人に接触し、信頼関係を築いてから投資話を持ちかける手口が増加しています。成功した投資家を装い、豪華な生活をアピールして興味を引くケースも典型的です。
また、詐欺グループは役割分担が明確化されており、集客役、営業役、契約役などが連携して、ターゲットを計画的に追い込みます。成功した手口は他のグループに模倣・改良され、次々と新しい詐欺が生まれていきます。
2.不動産投資詐欺の手口12パターンと対策
ここでは、古典的なものから最新のものまで、不動産投資詐欺の代表的な手口と、それぞれに対する具体的な対策を12パターンに分けて解説します。
2-1.存在しない好条件物件で誘い込む、おとり広告
非常に条件の良い物件広告で客を釣り、問い合わせると「タッチの差で売れてしまった」などと嘘をつき、別の質の悪い物件を勧める手口です。さらに悪質な場合は、「人気物件なので手付金だけでも」と契約を急かし、存在しない物件の手付金を持ち逃げする詐欺に発展することもあります。
- 登記簿謄本で所有者情報を確認し、物件が実在するかを公的にチェックする。
- 必ず自分の足で現地を訪問し、物件と周辺環境をその目で確かめる。
- 相場より著しく好条件な物件は、まず「おとり広告」と疑う冷静さを持つ。
2-2.不利な事実を隠して契約させる重要事項の不告知
物件の構造的な欠陥(雨漏り、シロアリ被害など)や、周辺の嫌悪施設、近隣トラブルといった、資産価値に直結する重要な事実を故意に隠して契約させる手口です。後から事実が発覚しても、業者とは連絡が取れなくなっているケースがほとんどです。
- 契約前に気になる点は徹底的に質問し、重要な回答は必ずメールなどでもらう。
- 特に中古物件では、専門家による建物診断(ホームインスペクション)の実施を検討する。
- 「言った、言わない」を避けるため、商談内容は日付とともに記録する。
2-3.相場を無視した手数料を請求する不当な諸費用請求
不動産取引では仲介手数料や登記費用などさまざまな諸費用が発生しますが、その知識がないことを利用し、法外な金額を請求する手口です。例えば、仲介手数料には宅建業法で上限が定められていますが、それを超える金額を請求したり、「コンサルティング料」などの名目で不透明な費用を上乗せしたりします。
- 仲介手数料の上限額((売買価格×3% + 6万円) + 消費税)を正確に覚えておく。
- 複数の会社から別の物件の見積書を取り寄せ、諸費用の相場観を養っておく。
- 提示された費用の内訳一つひとつに説明を求め、納得できなければ支払いを拒否する。
2-4.「絶対儲かる」と断言し誤解させる法律違反のセールストーク
「絶対に値上がりします」など、将来の不確実な利益を断言し、買主の不安を取り除いて契約させるのは、宅地建物取引業法で明確に禁止された違法行為です。投資である以上、本来「絶対」はありえません。
- 「絶対」「必ず」という言葉が出た時点で、その業者は法律違反と判断し、話を打ち切る。
- 会話の録音を打診し、違法な勧誘への牽制とする。
- 「常に満室」「家賃下落なし」といった、非現実的な前提の収支計画を鵜呑みにしない。
2-5.「家賃保証」のリスクを隠すサブリース契約の罠
サブリース契約自体は詐欺ではありませんが、それを悪用する業者が問題です。「家賃保証」という言葉の安心感だけを強調し、将来の賃料減額の可能性や、オーナーからの解約が極めて困難であるといった、契約の核心部分を意図的に隠して契約を迫ります。
- 契約書で「賃料の見直し(減額)条項」を徹底的に確認する。
- オーナー側からの「中途解約の条件」と違約金の有無を確認する。
- サブリース会社の経営状態や実績を、第三者機関の評価なども参考に調査する。
2-6.節税メリットだけを強調する過度な節税勧誘
「給与所得と損益通算できるので節税になる」という仕組みの側面だけを強調し、収益性の低い物件を高値で売りつける手口です。特に高所得のサラリーマンは、「節税」という言葉に弱いため狙われやすく、収益性を度外視した危険な契約を結んでしまいがちです。
- 節税をあくまで「副次的効果」と捉え、投資の主目的と混同しない。
- 減価償却期間が終わった後の税負担まで含めた、長期的な収支で判断する。
- 節税のために赤字経営の物件を買う」という提案は、本末転倒であると見抜く。
2-7.「あなただけ」と囲い込む限定勧誘
「未公開物件」「あなただけに」と情報の限定性をアピールし、「このチャンスを逃すと二度と手に入らない」という機会損失の恐怖を煽る手口です。冷静な比較検討の時間を奪い、その場の雰囲気で契約させることが目的です。
- 1社の情報だけを鵜呑みにせず、必ず複数の情報源にアクセスする。
- 「未公開物件」という言葉に踊らされず、その物件が本当に優良か客観的に評価する。
- 「今決めないと損をする」という焦りの感情に流されず、即決を避ける勇気を持つ。
2-8.長時間拘束や威圧で契約を迫る強引な勧誘
長時間にわたる面談、深夜の電話、職場への押しかけなど、断りにくい状況を作り出して強引に契約を迫る手口です。購入を迷っていると「こんなチャンスは二度とないですよ」「決断力がない人は投資に向いていない」などと、人格を否定するような言葉で心理的圧力をかけてくることもあります。
- その場で絶対に署名・捺印せず、「一度持ち帰って検討します」と必ず時間を確保する。
- 不要であれば「買いません」「興味ありません」と明確に意思表示する。
- 度を越えた勧誘や脅迫まがいの言動は、証拠として録音する。
2-9.恋愛感情や友人関係を利用した勧誘
恋愛感情や友人関係といった「心の隙」につけ込み、断りにくい状況で契約させる手口です。例えば、マッチングアプリなどで親密になった相手から、「二人の将来のために」と持ちかけられるのが典型的なデート商法です。相手への好意が冷静な判断を曇らせ、「がっかりさせたくない」という心理から契約してしまいます。
- どんなに親しい関係でも、投資の判断はビジネスとして客観的に行う。
- 相手に紹介料が入る仕組みではないか、その利益構造を冷静に考える。
- 人間関係を壊したくないという気持ちだけで、安易に契約書にサインしない。
2-10.現地確認の困難さを悪用する、海外不動産投資詐欺
「経済成長が著しい国の高利回り物件」などと夢を語り、物理的に現地確認が難しいことを悪用して、架空の物件や、相場よりはるかに高額な物件を売りつける手口です。為替や法制度のリスクも隠されることがほとんどです。
- 日本の販売代理店の情報だけでなく、現地の公的機関や法律事務所から裏付けを取る。
- 現地の法制度(所有権、税金、送金ルールなど)を必ず確認する。
- リスクを完全に理解できるまで、安易に送金しない。
2-11.一つの物件を複数人に売却する二重譲渡
一つの不動産を複数の買主に売り、それぞれから代金を受け取って逃亡するという古典的な詐欺です。不動産の所有権は、契約の順番ではなく「登記」を先に行った買主が取得します。現金一括払いを求められ、登記手続きを後回しにさせられた場合などに被害に遭うリスクがあります。
- 代金の支払いと登記申請を同時に行う「同時履行」を絶対条件とする。
- 業者任せにせず、信頼できる司法書士を自分で手配し、決済に立ち会ってもらう。
- 司法書士や金融機関といった「第三者のチェック機能」を排除しようとする提案は拒絶する。
2-12.高齢者や若者などの弱者を狙う悪質商法
判断能力が低下しがちな高齢者や、社会経験の少ない若者をターゲットにする悪質な手口も存在します。不要なリフォーム契約とセットで投資用物件を販売したり、複雑な契約内容を十分に説明せずに署名・捺印させたりします。家族が気づいたときには、すでに多額の被害が発生しているケースも少なくありません。
- 家族や周囲が見守り、不動産投資の話が出たら内容を一緒に確認する。
- 判断能力に不安がある場合は、財産管理をサポートする「成年後見制度」の利用も検討する。
- 知識不足につけ込まれた契約は、「消費者契約法」で取り消せる可能性があることも知っておく。
3.不動産投資詐欺から身を守る!被害を未然に防ぐための7つの鉄則
前半では、具体的な詐欺の手口とその対策を紹介しました。ここでは、どのような手口にも冷静に対応できるようになるための、投資家として身につけておきたい基本的な考え方を7つ紹介します。
3-1.知識は「防御」のためでなく「質問」のために使う
基礎知識を学ぶ目的は、詐欺師の嘘を見抜くだけではありません。相手の説明に矛盾がないかを確認し、納得できるまで質問できる力を身につけることが重要です。
例えば、「この収支計画の根拠は何ですか?」「なぜこの金額の修繕費なのですか?」といった具体的な質問をすることで、相手の対応を見極めることができます。誠実な業者であれば、根拠を丁寧に説明できますが、詐欺的な業者ほど曖昧な返答になりがちです。
3-2.「自分だけのモノサシ」を創り上げる
複数の会社から提案を受ける目的は、単に物件を比較するためではありません。さまざまな情報に触れることで「自分なら、この利回り以下は検討しない」「このエリアは自分の戦略に合わない」といった、あなただけの揺るぎない投資基準、すなわち「モノサシ」を創り上げるためです。このモノサシがあれば、どんなに魅力的な話を持ちかけられても、ブレずに判断を下せます。
3-3.契約書を「交渉の成果物」として捉え直す
多くの人は契約書を「サインするだけの書類」と考えがちですが、それは間違いです。契約書とは、本来あなたと業者が対等な立場で交渉を重ねた末に完成する「成果物」であるべきです。不利な特約があれば削除を求め、必要な条項は追加を要求する。その交渉プロセスを経て初めて、あなたの権利が守られた、真に有効な契約が生まれるのです。
3-4.「感情の罠」に気づき、意思決定プロセスを標準化する
人は好意を持った相手を肯定する情報ばかり集め(確証バイアス)、一度決めたことを正当化しようとします(一貫性の原理)。詐欺師はこの「感情の罠」を利用します。これを防ぐには、どんな物件でも「必ず第三者に意見を聞く」「必ず現地を3回以上見る」など、自分なりの意思決定プロセスを標準化し、感情に左右されず機械的に実行することが有効です。
3-5.「時間」を思考の熟成期間として活用する
詐欺師は「時間的プレッシャー」で思考を停止させようとします。これに対抗するには、意図的に「思考のタイムラグ」を作り出すことが有効です。この時間は、単なる冷却期間ではありません。「感情が支配する時間」と「論理が支配する時間」を意識的に分離するために重要なプロセスです。興奮や焦りといった感情の霧が晴れた後、初めてその投資案の矛盾点やリスクが客観的に見えてきます。
3-6.「記録」を思考の外部化ツールとして使う
業者とのやり取りを記録することは、単に証拠を残すだけでなく、自分の判断を冷静に見直す助けにもなります。人はその場の雰囲気や相手の話し方に影響されやすいため、あとで録音やメモを見返すことで、話の内容を客観的に確認できます。その結果、相手の説明に矛盾がないか、自分の思い込みがなかったかを冷静に判断することができます。
3-7.失敗から学び、自分の「ブラックリスト」を更新し続ける
詐欺の情報を収集する目的は、最新手口を知ることだけではありません。他人の失敗談や自身の小さな失敗から、「こういうパターンの勧誘は危険だ」「このタイプの担当者は信用できない」という自分だけの経験則、すなわち「ブラックリスト」を常に更新し続けることが重要です。この生きたデータこそが、未来の大きな失敗を防ぐ土台となります。
4.もしや詐欺?怪しいと感じたとき、被害に遭ってしまったときの対処法
どれだけ注意していても、巧妙な手口に引っかかってしまう可能性はゼロではありません。万が一のときのために、冷静に行動するための具体的な対処法を解説します。
4-1.【契約前の最終防衛ライン】違和感を信じて、きっぱり断る
商談中に少しでも「話がうますぎる」「何かおかしい」と感じたなら、その直感を信じ、勇気を持って「今回は見送ります」と明確に断りましょう。その場で決断を迫られても、「専門家に相談したいので、一度持ち帰ります」と伝え、物理的に距離を置くことが重要です。
万が一、自宅や喫茶店など不動産会社の事務所以外の場所で契約してしまっても、一定の条件を満たせば、クーリング・オフ制度が適用される場合があります。これは、宅地建物取引業者が売主であり、法定の書面を受け取ってから8日以内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。ただし、買主が自ら契約場所を指定した場合や、すでに代金を全額支払い、物件の引き渡しが完了している場合などは、適用されないことがあります。
4-2.【被害発覚後の第一歩】一人で悩まず専門機関に相談する
被害に遭ったと気づいたら、一人で抱え込まず、すぐに以下の専門機関に相談することが重要です。相談先によって役割が異なるため、状況に応じて適切な窓口を選びましょう。
| 相談先 | 主な役割と特徴 | こんなときに相談 |
|---|---|---|
| 消費生活センター(消費者ホットライン188) | 全国の消費者トラブルの総合相談窓口。トラブルの内容に応じた助言を行い、必要があれば他の専門機関を紹介してくれる。 | 契約に不安がある、業者と交渉しにくい、クーリング・オフが可能か確認したい、まずどこに相談すべきかわからないとき。 |
| 免許行政庁(都道府県の担当課) | 宅地建物取引業者を監督する行政機関。不当な勧誘や違法行為が疑われる場合、行政庁が業者に対して指導や処分を行うことがある。 | 強引な勧誘、虚偽説明、断定的な営業トークなど、業者の法令違反が疑われるとき。 |
| 宅地建物取引業保証協会 | 業者が保証協会の会員である場合、トラブル解決のあっせんや、一定額までの弁済に対応している。 | 業者が保証協会の会員であり、返金や損害回復を求めたいとき。 |
| 法テラス(日本司法支援センター) | 経済的に余裕がない人への無料法律相談や、弁護士費用の立替えを行っている。法的対応を考えるときの入り口となる機関。 | 弁護士に相談したいが費用が心配なとき。訴訟や契約解除などの法的手段を検討したいとき。 |
| 警察(相談専用ダイヤル#9110) | 詐欺や脅迫など、明確な犯罪が疑われる場合に対応。刑事事件として立件が可能かの判断を行う。 | 架空物件、二重譲渡、偽造書類など、詐欺罪やその他の犯罪が疑われるとき。 |
| 弁護士 | 被害者の代理人として、相手方との交渉、内容証明の送付、訴訟手続きなどを進める専門家。 | 損害賠償請求、契約解除、返金請求など、具体的な法的措置を取りたいとき。 |
4-3.【交渉・裁判の生命線】有効な証拠を集めて整理する
専門機関への相談や法的手続きに進むうえでは、自身の主張を裏付ける客観的な「証拠」が何よりも重要になります。被害に気づいたら、関連する資料をすべて集め、失くさないように保管しましょう。特に、以下のようなものが有効な証拠となります。
| 証拠のカテゴリ | 具体例 |
|---|---|
| 契約関連書類 | 売買契約書、重要事項説明書、ローン契約書、登記簿謄本 など |
| 勧誘時の資料 | 物件のパンフレット、収支シミュレーション資料、商談時の手書きメモ など |
| 業者との通信記録 | メール、LINE等のメッセージ履歴(スクリーンショットも可)、手紙、FAX など |
| 会話の記録 | 面談や電話での会話の録音データ(※相手の承諾がなくても証拠になる場合がある) |
| 金銭の授受記録 | 銀行の振込明細、ATMの利用明細、領収書 など |
これらの証拠を時系列に整理しておくと、相談がスムーズに進み、交渉や裁判を有利に進めることができます。
4-4.【お金を取り戻すために】法的手段の選択肢と可能性を知る
弁護士に相談をするなどして返金を求める場合は、いくつかの法的手段を検討することができます。相手の対応や被害額に応じて、最適な方法を選択しましょう。
弁護士に相談の上、被害回復に向けていくつかの法的措置が考えられます。相手の対応や被害額に応じて、最適な方法を選択することになります。
| 法的手段 | 特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| 内容証明郵便 | いつ・誰が・誰に・どんな文書を送ったかを郵便局が証明する郵便。主にトラブル時の証拠として使われ | 比較的安価で手軽。交渉のきっかけになり、心理的圧力をかけられる。 | 法的拘束力はないため、相手に無視される可能性がある。 |
| 支払督促 | 簡易裁判所を通じて金銭の支払いを命じてもらう、書類審査のみの迅速な手続き。 | 費用が安く、相手が異議を申し立てなければ強制執行が可能になる。 | 相手が異議を申し立てると、通常の裁判に移行する。 |
| 少額訴訟 | 60万円以下の金銭トラブルを、原則1回の審理で解決するための裁判制度。 | 迅速に判決が出る。弁護士に依頼せず本人でも行いやすい。 | 複雑な事案には不向き。相手が望めば通常訴訟に移行する。 |
| 通常訴訟 | 地方裁判所などで、証拠に基づいて法的に白黒をつける正式な裁判。 | 高額な被害や複雑な事案に対応できる。最も強力な法的手段。 | 解決までに時間と費用(弁護士費用など)が多くかかる。 |
| 集団訴訟 | 同じ業者から同様の被害を受けた人たちが集まり、共同で訴訟を起こす方法。 | 弁護士費用などの負担を軽減できる。社会的な影響も大きい。 | 被害者の足並みを揃えるのが大変。解決までに時間がかかる。 |
残念ながら、相手の資産状況によっては全額回収が困難な場合も多いですが、迅速な行動が被害回復の可能性を高めます。
4-5.【未来のために】心のケアと二次被害を防ぐ
金銭的な損失以上に、詐欺被害は「騙された」という事実によって心に深い傷を残します。自分を責めたくなる気持ちもあるかもしれませんが、本来悪いのは騙す側にあります。一人で抱え込まず、家族や信頼できる友人に打ち明け、必要であればカウンセリングといった専門的な心理サポートを受けることも重要です。
また、被害に遭った人のリストが出回り、「被害金を取り戻してあげる」などと持ちかけてくる別の詐欺(二次被害)にも厳重な注意が必要です。公的機関や、自ら探した正規の弁護士以外からの甘い話には絶対に乗らないでください。
5.不動産投資家として成長し続けるための5つの視点
詐欺を避ける知識や注意点を学んだうえで、次に目指したいのは「確かな実力を持つ不動産投資家」へと成長していくことです。不動産投資は一度きりの勝負ではなく、長期的に取り組む資産運用です。ここでは、被害を未然に防ぐだけでなく、投資家としての実力を磨いていくための5つの視点を紹介します。
5-1.リスクとリターンの本質を理解し、戦略的に目標を立てる
目先の高利回りに飛びつくのではなく、空室・修繕・金利など複合的なリスクとどう向き合うかを見極める力が必要です。そのうえで、自身の資金力・年齢・投資目的に応じた現実的な戦略を立てることが、持続可能な投資へとつながります。
5-2.情報を見極める力は、投資判断の核心
SNSやセミナーなどで発信される情報は玉石混交です。だからこそ、「誰が・なぜその情報を発信しているのか?」を見抜く視点と、複数の情報を比較し、自分の判断軸で選び取る力が求められます。詐欺を見抜く力は、そのまま投資判断の質にも直結します。
5-3.契約の読み解きと交渉力が、投資家の武器になる
契約書や重要事項説明書に込められた条項の意味を理解することは、単なるリスク回避にとどまりません。必要に応じて修正や交渉を行える視点と知識が、投資家としての主導権を確保する土台になります。自分の立場を守る力は、利益を守る力でもあります。
5-4.長期的な計画が安定収益の鍵となる
不動産投資は、短期間で利益を狙うものではなく、時間をかけて安定した成果を目指すものです。物件の管理や家賃設定、将来の売却までを見据えて、中長期的な視点で計画を立てることで、市場の変動に左右されにくい、堅実な収益構造を築くことができます。
5-5.信頼できる専門家との連携が、投資の土台を強くする
不動産投資では、物件選びから契約、税務対応に至るまで、さまざまな専門知識が求められます。信頼できる不動産会社や司法書士、税理士などと日頃から関係を築いておくことで、手続きがスムーズになるだけでなく、判断に迷ったときにも的確な助言が得られます。こうした体制は、詐欺を防ぐ力にもなり、安心して投資を続けるための大きな支えとなります。
6.不動産投資詐欺を防ぎ、資産形成を安全かつ着実に進めよう
本記事では、不動産投資詐欺の手口と対策に加え、冷静に見極めるための考え方や注意点も含めて幅広く解説してきました。
重要なのは、個別の詐欺手口を知るだけでなく、「どのように誘導されるのか」「何が判断を鈍らせるのか」といった詐欺全体の構造を理解し、流されない意識を持つことです。甘い言葉や都合のよいシミュレーションに惑わされず、自分の中に確かな基準を育てていきましょう。
詐欺に遭わないことは、資産形成のスタートラインです。知識と警戒心を持って、着実に前進する第一歩をここから踏み出してください。
7.不動産投資詐欺に関するよくある疑問と回答
Q1.不動産投資セミナーに参加すると騙されますか?
すべてのセミナーが危険なわけではありません。内容が具体的で、契約を急がせないものは信頼できる可能性があります。「誰でも儲かる」といった話ばかりするセミナーや、高額な参加費を取るセミナーは注意が必要です。
Q2.「絶対に儲かる」と言われたら、どうすればいいですか?
その時点で詐欺の可能性が高いと考え、すぐに断るのが正解です。投資に「絶対」はなく、法律でも断定的な勧誘は禁止されています。証拠として、会話の録音ややりとりの記録を残しておくと安心です。
Q3.知人や友人から投資話を持ちかけられた場合、どうすればいいですか?
どんなに親しい相手でも、内容は必ず自分で確認しましょう。紹介料などの利害関係がないかもチェックしてください。判断に迷うときは、必ず第三者の専門家にも相談するようにしましょう。
Q4.不動産投資の勧誘電話がしつこいとき、どう対応すればいいですか?
「興味がありません」「電話はやめてください」とはっきり伝えることが大切です。再び電話をかけてくるのは法律違反です。会社名や担当者名、電話番号を控え、消費者センターなどに相談してください。
Q5.詐欺に遭ったお金は取り戻せますか?
状況にもよりますが、相手が資産を隠していたり逃げていたりする場合、回収は難しくなります。だからこそ、まずは被害に遭わないようにすることが大切です。もし被害に気づいたら、すぐに専門機関や弁護士に相談し、できるだけ早く対応しましょう。


