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不動産投資
【2025年版】マンション投資の失敗例と全回避策|プロが教える資金計画・物件選びの罠
「将来のために、給料以外の収入源を……」。そう思い描いて始めたマンション投資でも、夢とはほど遠い現実に直面する人は少なくありません。
ただ、失敗の多くは事前の対策で避けられます。具体的な対策を立てる前に、よくある失敗のケースをおさえておきましょう。
「毎月5万円の家賃収入で、ローンを差し引いてもプラスだったのに。突然の給湯器交換で20万円の出費。ようやく入居者が決まったと思えば、半年で退去。気づけば、自分の給料から毎月3万円を持ち出して赤字を埋める日々。資産を築くどころか、貯金が減っていくばかり……」
「営業マンの『今後も価値が上がる』という言葉を信じて購入。しかし、周辺に新築マンションが乱立し、家賃は下落。収支が悪化し、泣く泣く売却を決意したが、購入時より1000万円も安い価格でしか売れなかった。結果、手元には500万円のローンだけが残った。資産形成どころか、ただ借金を背負っただけだった……」
「お金の心配はもちろん、家賃滞納の督促、入居者からのクレーム対応…。管理会社とのやり取りもストレスで、本業に全く集中できない。家族との時間も、ついイライラして険悪な雰囲気に。一体、自分は何のためにこの投資を始めたんだろう……」
これらは、決して特別な話ではありませんが、重要なことは、これらの失敗はすべて「事前に知っていれば防げたはずだ」ということです。
この記事では、マンション投資の失敗パターンを構造的に理解し、同じ轍を踏まないための具体的な「回避策」と「チェックポイント」をこれから解説します。
1.【原因別】マンション投資でよくある5つの失敗パターンと全対策
導入で紹介したような悲劇は、なぜ起きてしまうのでしょうか?
実は、マンション投資の失敗には、いくつかの典型的な「パターン」が存在します。それらの多くは、「物件選び」「資金計画」「パートナー選び」といった、投資の重要な局面での判断ミスが原因です。
これから、その5つの失敗パターンを、具体的な対策法とセットで詳しく見ていきましょう。それぞれのパターンに「回避チェックポイント」も設けたので、ぜひご活用ください。
1-1. パターン①:資金計画の罠|甘いシミュレーションと隠れたコスト
最も多い失敗が、資金計画の甘さに由来するものです。
特に、不動産会社の営業マンが提示する「毎月これだけのプラス収支です」というきれいなシミュレーションを鵜呑みにしてしまうケースは後を絶ちません。
▼なぜ起こるのか?
そのシミュレーションには、不動産経営で必ず発生する「コスト」や「リスク」が甘く見積もられている、あるいは意図的に含まれていないことが多いからです。
たとえば、以下の項目は大丈夫でしょうか?
- 運営費:管理費、修繕積立金(これらは年々値上がりする可能性があります)
- 税金:毎年かかる固定資産税・都市計画税
- 突発的な修繕費:給湯器やエアコンの交換(10年〜15年周期で数十万円の出費)
- 空室期間の損失:1年のうち1ヵ月空室になるだけで、収益は8%以上も悪化します。
- その他:確定申告を依頼する税理士費用、入居者募集時の広告料など。
▼具体的な対策
対策はただ一つ、「他人任せにせず、自分で収支計算をしてみる」ことです。営業マンの資料はあくまで参考とし、上で紹介したコストをすべて盛り込んだ、より現実的なシミュレーションを行いましょう。
特に金利のある世界に戻った今、「もしローン金利が1%上昇したら、毎月の返済額はいくら増え、収支はどうなるか?」というストレステストは必須です。このひと手間が、あなたの資産を守る最大の防御策となります。
【回避チェックポイント】
□ 営業マンのシミュレーションに、固定資産税や修繕費などの全コストが含まれているか?
□ 空室期間を年間1ヶ月程度、想定したシミュレーションになっているか?
□ 金利が1%上昇しても、キャッシュフローがマイナスにならないか?
1-2. パターン②:物件選びの罠|高利回り・新築・地方物件の落とし穴
「表面利回り10%!」「今だけの新築プレミアム物件!」「地方なら安く始められます!」──。こうした魅力的な言葉に惹かれて物件を選んでしまうと、後で大きな後悔につながる可能性があります。
▼なぜ起こるのか?
これらの物件には、数字や言葉の裏に大きなリスクが隠れていることが多いからです。
- 高利回り物件の罠:利回りが高い物件は、築年数が古い、立地が悪いなど、何らかの理由で価格が安くなっています。これは、高い修繕費や長期の空室リスクと表裏一体です。
- 新築物件の罠:新築マンションは、買った瞬間に価格が1〜2割下がると言われる「新築プレミアム」が上乗せされています。また、最初はキャッシュフローが良くても、数年後に減価償却費が減ると税金が増え、赤字に転落する「デッドクロス」に陥りやすい傾向があります。
- 地方物件の罠:価格が安いというメリットはありますが、日本の多くの地方都市は人口減少が進んでいます。将来的に賃貸需要が減り、空室の長期化や家賃下落、売却困難といったリスクを抱えています。
▼具体的な対策
対策は、「目先の数字や言葉に惑わされず、長期的な賃貸需要で物件を判断する」ことです。
日本の人口動態を考えれば、今後も需要が安定しているのは、人口流入が続く都心部や主要都市の、駅から近い物件です。価格が安定し、新築プレミアムもなくなった「築10年以降の中古コンパクトマンション」などを中心に検討するのが、失敗を避ける王道と言えます。
国が提供する統計サイト「e-Stat」で、市区町村ごとの人口推移を自分で確認するのも有効な手段です。
【回避チェックポイント】
□ 表面利回りだけでなく、経費を考慮した「実質利回り」で比較検討しているか?
□ 検討エリアの人口は、今後も増加または維持が見込めるか?
□ なぜこの物件が「安い」のか、あるいは「高い」のか、その理由を論理的に説明できるか?
1-3. パターン③:目的の罠|「節税」「年金代わり」という言葉の危険性
「マンション投資は節税になりますよ」「公的年金にプラスして、私的年金が作れますよ」。これらは不動産投資のメリットの一部であり、嘘ではありません。
しかし、これらを投資の「主目的」にしてしまうと、判断を大きく誤る原因となります。
▼なぜ起こるのか?
- 「節税」目的の危険性:不動産投資による節税は、主に建物の「減価償却費」によって生まれます。しかし、この効果は建物の耐用年数が終わればなくなり、特にローン返済が進んで元金の返済割合が増えると、帳簿上は黒字なのに税金だけが増える「デッドクロス」状態に陥ります。「節税」は最初の数年間だけのボーナスステージに過ぎないのです。
- 「年金代わり」の危険性:ローン返済中にキャッシュフローがマイナスで、毎月持ち出しが発生しているような状態では、年金生活を迎える前に経営が破綻してしまいます。ローン完済後の家賃収入を夢見る前に、まず「今現在、手元にお金が残っているか」が何よりも重要です。
▼具体的な対策
対策は、「マンション投資の目的は、あくまでキャッシュフローをプラスにし、総資産を増やすことである」と明確に定義することです。節税や年金効果は、その結果として得られる「副次的なメリット」と捉えましょう。
目先の節税額に惑わされず、10年後、20年後、そしてローン完済後まで、長期的な視点でキャッシュフローがどう変化していくのかをシミュレーションすることが不可欠です。
【回避チェックポイント】
□ 節税効果がなくなった後の収支シミュレーションも確認したか?
□ ローン返済中のキャッシュフローは、年間を通して本当にプラスになっているか?
□ 投資の目的を聞かれた際に「キャッシュフローを増やすため」と即答できるか?
1-4. パターン④:パートナー選びの罠|不動産・管理会社の見極め方
どんなに良い物件を選んでも、それをサポートしてくれるパートナー選びを間違えると、投資の成功は遠のきます。ここで言うパートナーとは、購入時に相談する「不動産会社」と、購入後に運営を任せる「管理会社」の両方を指します。
▼なぜ起こるのか?
不動産投資は情報戦であり、専門知識が不可欠です。
しかし、初心者は知識がないため、営業マンの言うことを鵜呑みにしがちです。また、「売ること」が専門の不動産会社と、「管理・運営すること」が専門の管理会社では、求められる能力が全く違うことを理解していないケースも多く見られます。
人柄の良い営業マンから買ったものの、その後の管理会社の対応が杜撰で入居者が決まらない、といった失敗は典型例です。
▼具体的な対策
対策は、「1社を信じ込まず、複数の専門家を客観的に比較・検討する」ことです。そして、彼らが本当に信頼できるパートナーか、厳しい目でチェックしましょう。
【回避チェックポイント】
□ (不動産会社)メリットだけでなく、その物件のリスクやデメリットについても正直に話してくれるか?
□ (不動産会社)あなたの質問に対し、データや根拠をもって論理的に回答してくれるか?
□ (管理会社)管理戸数や入居率、平均空室期間といった具体的な実績データを開示してくれるか?
□ (管理会社)担当者のレスポンスは速く、親身に対応してくれるか?
1-5. パターン⑤:出口戦略の罠|売却できずに塩漬けになる
不動産投資における最大の落とし穴の一つが、「出口戦略」の欠如です。買ったはいいものの、いざ売りたい時に全く買い手がつかず、かといって持ち続けても赤字が膨らむだけ……そんな「塩漬け」状態に陥ってしまうオーナーは少なくありません。
▼なぜ起こるのか?
購入時に「家賃収入を得ること」しか考えておらず、「いつかこの物件を売却する」という視点が抜け落ちているためです。
不動産投資は、物件を売却して利益を確定させるまでがワンセットです。売却という出口を考えていない投資は、ゴールのないマラソンを走っているようなものです。
特に、需要の少ない地方物件や、特殊な間取りの物件は、この流動性(売りやすさ)リスクが非常に高くなります。
▼具体的な対策
対策は、「購入時に、売却時のことまでシミュレーションする」ことです。これは、プロの投資家が必ず行っている鉄則です。
【回避チェックポイント】
□ (ターゲット)この物件を5年後、10年後、どんな人が買ってくれそうかイメージできるか?(例:次の投資家、あるいは実需のファミリー層など)
□ (価格)その時、いくらぐらいで売れそうか?周辺の売買事例や取引されている利回りを調べて把握しているか?
□ (税金)売却して利益が出た場合にかかる「譲渡所得税」についても理解しているか?(※5年以内の短期譲渡は税率が高くなるため注意)
2.【診断】あなたは大丈夫?失敗を回避し、成功に近づく5つの行動原則
これまで失敗パターンを見てきましたが、裏を返せば、これらの罠を避けるための行動を取れば、成功の確率は飛躍的に高まります。
ここでは、成功している投資家に共通する5つの行動原則を紹介します。ご自身がいくつ当てはまるか、診断するつもりで読んでみてください。
2-1. 原則①:最低限の知識(CF、実質利回り、減価償却)を身につける
「勉強不足」では、営業マンの言うがままになってしまいます。すべてを理解する必要はありませんが、最低限の「物差し」となる知識は身につけましょう。
具体的にはこの3つです。
① 手元に残るお金がわかる「キャッシュフロー(CF)」
② 本当の収益力がわかる「実質利回り」
③ 節税のカギとなる「減価償却」
この3つの言葉の意味を理解しているだけで、不動産会社との会話の質が劇的に変わります。
2-2. 原則②:具体的な目標設定(いつまでに、いくら)から逆算する
「計画性がない」投資は、地図を持たずに航海に出るようなものです。「なんとなく老後のために」ではなく、「65歳までに、年間キャッシュフロー500万円を達成する」といった、具体的な目標を設定しましょう。
そして、そのゴールから逆算して、「そのためには、年間CF50万円の物件を10戸持つ必要がある。まずは最初の1戸を3年以内に……」と、具体的な行動計画に落とし込むことが、成功への最短ルートです。
2-3. 原則③:自分なりの「投資判断の軸」を持つ
「優柔不断」で情報に振り回されてしまうのは、自分なりの「投資判断の軸」がないからです。例えば、「エリアは東京23区内のみ」「駅から徒歩10分以内」「実質利回りが4%未満の物件は検討しない」など、自分なりの投資ルールをあらかじめ決めておきましょう。
この軸を持つことで、魅力的な物件が現れた時に迷わず判断でき、逆に条件に合わない物件はすぐに除外できるため、効率的でブレのない投資が可能になります。
2-4. 原則④:複数の専門家(不動産会社、FP等)の意見を聞く
「プロに相談しない」のはもちろん危険ですが、「一人のプロの意見を信じ込む」のも同様に危険です。不動産会社は物件を売るプロ、ファイナンシャルプランナー(FP)はライフプランニングのプロです。それぞれの立場からの意見を聞き、多角的な視点を持つことが重要です。
特に、購入を検討する際は、最低でも3社以上の不動産会社と面談し、セカンドオピニオン、サードオピニオンを得ることを強くお勧めします。
2-5. 原則⑤:必ず現地・現物を確認する
今はネットで物件情報が簡単に見られますが、データだけではわからないことがたくさんあります。物件の外観や共用部の管理状態、周辺の街の雰囲気、坂道の有無、昼と夜の環境の違いなど、自分の目で見て、肌で感じる情報は、最終的な投資判断において非常に重要です。
営業マンに勧められた物件でも、必ず一度は自分の足で現地を訪れる。この基本的な行動を怠らないことが、大きな失敗を防ぐことにつながります。
3. 失敗から学び、リスクを管理して成功の確率を高める
本記事では、マンション投資でよくある5つの失敗パターンと、それを回避するための具体的な対策、そして成功に近づくための5つの行動原則を解説しました。
失敗事例を知ると、不安に感じてしまうかもしれません。
しかし、重要なのは、これらの失敗はすべて「原因」があり、「対策」が可能であるということです。
失敗例を学ぶことは、暗い夜道に懐中電灯を持って進むようなものです。どこに危険な落とし穴があるか分かっていれば、それを避けて安全に目的地へ向かうことができます。
マンション投資は、決して楽な道ではありません。しかし、正しい知識を武器にリスクをしっかりと管理すれば、あなたの人生を豊かにする強力なツールとなり得ます。
まずは信頼できるプロに相談し、あなたの現在地とゴールを客観的に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
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REISMコラム編集部
編集者
「不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ」そのために資産形成の基本的な情報から、不動産投資の基本やリスクなど、お金に関するお役立ち情報を紹介いたします。


