不動産投資(管理)

不動産投資家のための家賃保証会社の選び方

賃貸契約で家賃保証会社を利用するケースが増えています。入居審査や滞納家賃の回収のための取り立てなどは、心理的な部分も含めて負担が大きくなります。そのため代行してくれる家賃保証会社は、オーナーにとっては頼もしく便利な存在といえるでしょう。しかし近年は家賃保証会社が多すぎてどうやって選んだらいいかわからない、という声も聞こえてきます。そこでここでは家賃保証会社の概要とその選び方について考えてみましょう。

不動産投資家のための家賃保証会社の選び方

家賃保証会社の利用メリット

家賃保証会社は入居者からの家賃の支払いに滞りが生じた際に支払いの立て替えと入居者への取り立てを行ってくれるサービスを提供します。具体的には入居者と家賃保証会社が直接契約を結び、家賃保証会社が入居者の家賃を保証する仕組みになります。

不動産投資には空室や災害などのリスクが想定されますが、そのうちの一つに家賃滞納リスクがあります。入居者の家賃滞納によって毎月の家賃収入がなくなると、不動産投資ローンの返済を自己資金から捻出したり延滞されている家賃の回収を行ったりするなど精神的な負担も大きくなります。仮に滞納が長引いて訴訟することになった場合は、さらに時間的にも大きなダメージを被ることになるでしょう。

2018年12月に公益財団法人日本賃貸受託管理協会は第20回賃貸住宅市場景況感調査「日管協短観」で「月初」「月末での1ヵ月」「月末での2ヵ月以上」の家賃滞納率に関する3つの統計を発表しています。2018年上期の全国の延滞率は月初6.8%、月末での1ヵ月3.1%、月末の2ヵ月以上1.3%でした。一方、首都圏では月初5.8%、月末での1ヵ月4.0%、月末の2ヵ月以上1.5%です。

こうしたリスクを回避するためにオーナーは入居者に対して連帯保証人を求めます。ただ家庭の事情で連帯保証人の用意が難しい入居者も少なくありません。単身の中高年者層も重要な見込み顧客ですが、高齢化や少子化の影響で連帯保証人の確保が困難な人もいるでしょう。

しかし家賃保証会社を活用すれば、家賃保証会社が入居者の審査を行いその上で家賃を保証してくれるので滞納リスクを回避することができます。また、審査結果は賃借契約の審査にもそのまま反映させられるので契約の手続きもスムーズとなり、オーナーにとってはメリットが大きいと言えるでしょう。

家賃保証会社の利用メリット

家賃保証会社の選び方

一般的に家賃保証会社を利用する場合、まずオーナー側で保証会社を選びその会社を入居者に紹介するという形になります。家賃保証会社を選定する際の注意点ですが、入居者の支払いを立て替える存在なので資金面での信頼性はもちろん、家賃保証会社としての実績が評価されている会社を選ぶようにしましょう。単に料金の安さや人に勧められたからという理由で選んでしまうと、後々トラブルが発生した時に苦労することになりかねません。

また家賃保証会社のサービス内容も会社によって微妙に異なります。

  • 保証した家賃の振り込みまでの期間
  • 保証が行われる期間
  • 入居者への催促の仕方
  • 裁判になった際、蒸発し連絡取れなくなってしまった入居者の残置物処理の費用など

滞納家賃の督促を電話で終わりにするところもあれば訴訟まで対応してくれるところもあります。サービスが手厚い保証会社ほど基本的に保証料(入居者が負担)が高くなり入居者の初期費用が増える傾向です。もちろん客付けのハードルは上がってしまうので自分の物件の魅力度も踏まえた上で最適な保証会社を選ぶようにしましょう。

家賃保証会社利用の流れとその費用

家賃保証会社を利用する際の注意点は、オーナーから直接「利用希望」の問い合わせをしても申し込みができないことです。家賃保証会社は不動産会社を代理店としているため不動産会社を通して申し込むことになります。

利用する際は、まず入居申込時に同時に保証会社に入居者の審査をしてもらい問題がなければ契約となります。初回保証委託料として月額賃料総額の0.5~1ヵ月分が初期費用として入居者から徴収されるのが一般的です。契約更新の際にも入居者から保証会社への支払いが発生します。また入居者と家賃保証会社の契約では、オーナーへの提出書類とは別に免許証など本人確認書類、源泉徴収票、確定申告書類の控えなど収入を証明できる書類も必要になります。

上述のとおり家賃補償はオーナーにとっては魅力的なシステムであるという反面、入居者にとっては費用面や手続き上の負担になってしまうという一面もあります。入居者の立場になって負担にならないように丁寧にアナウンスするなど、スムーズに手続きが進むように配慮することを心がけておくとよいでしょう。

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