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最新のマンション価格推移。購入するのに最適なタイミングはいつ?

マンション価格が高騰しているという話を見聞きしたことはないでしょうか。不動産投資に関心がある方であれば、気になる内容だと思います。結論から述べると首都圏をはじめとする大都市圏のマンション価格は上昇傾向が続いており、購入するとキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できる状況にあります。

不動産投資を検討している方にとってはチャンスともいえる状況ですが、そもそもマンション価格はなぜ上昇しているのでしょうか。価格推移のデータを交えながら解説し、これから投資用マンションを購入する方に知っていただきたいことも紹介します。

最新のマンション価格推移。購入するのに最適なタイミングはいつ?

1.新築マンション価格の推移

新築マンションの価格は、長期にわたって緩やかな右肩上がりの上昇を続けています。その傾向が一目で分かるグラフがあるので、まずはこちらをご覧ください。

新築マンション価格の推移

出典:一般社団法人不動産協会 不動産関連データ・新築マンション1戸当たり平均価格の推移

一般社団法人不動産協会の「不動産関連データ・新築マンション1戸当たり平均価格の推移」を見ると、首都圏、近畿圏ともに長期的な上昇傾向が続いていることが観察できます。

2.中古マンション価格の推移

新築マンションの次に、中古マンションの価格推移も見てみましょう。データの出典元は公益財団法人東日本不動産流通機構、通称「東日本レインズ」と呼ばれる不動産流通ネットワークの定期レポートです。

公益財団法人東日本不動産流通機構 月例速報 MarketWatch サマリーレポート

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 月例速報 MarketWatch サマリーレポート 2023年12月度

赤い棒グラフ部分が、首都圏中古マンションの平方メートルあたりの単価です。首都圏の中古マンションについても、緩やかな上昇傾向が続いていることが分かります。コロナ禍の収束が見えてきた2023年にはさらに価格が上昇し、在庫が減っている傾向も観察できます。

3.新築と中古マンションの価格は同じように推移

先ほど紹介した新築マンションと中古マンションの価格推移を見ると、新築、中古ともに似た動きをしています。新築と中古とでは価格帯や購入者層が異なりますが、なぜ両者がリンクするような動きをしているのでしょうか。

まず、新築マンションの価格が高騰している背景には建設に要する材料費や人件費の高騰があります。さらに円安を追い風に海外投資家の購買意欲が旺盛になっており、これらの事情が相まって新築マンションが高騰しているといわれています。

中古マンションは新築マンションと比べると価格は低めなので、高騰している新築マンションに手が届かない人たちが中古マンション市場に流れ込み、売り手市場になることで価格が高騰しているとも考えられます。

つまり、新築マンションの価格高騰が続く限り、中古マンションの価格も上昇傾向が続く可能性が高いということです。

4.マンション価格に影響を与えた出来事を振り返り

ここでは、近年のマンション価格に影響を与えた出来事を振り返ってみましょう。いずれもマンション価格を上昇させる要因として作用しました。

4-1.アベノミクス

安倍政権が推し進めたアベノミクスには、大規模金融緩和が含まれていました。金融緩和政策によってお金の供給量が増えると資金調達をしやすくなるため、金利が低下します。金利が低下するとローンを組んで不動産を購入する意欲が高まるため、不動産の価格は上昇しやすくなります。

4-2.東京オリンピック

東京オリンピックはコロナ禍によって1年延期され、さらに無観客試合が大半を占めるなど本来の形での開催はできませんでした。しかしながら東京オリンピックを控えて首都圏では不動産の需要が高まり、旺盛の投資意欲も相まって価格の上昇要因となりました。

4-3.マイナス金利政策

先ほどのアベノミクスの項目でも述べたように、日銀がとり続けている低金利政策は、ローンを組んで不動産を買いたいと思う人にとっては追い風となります。2023年は幾度となく日銀がマイナス金利政策を修正するのではないかとの観測が流れましたが、実際には12月まで現状維持の路線が採用されました。

2024年はマイナス金利解除が必至との論調が強く、それが現実になると金利上昇が予想されるため不動産の需要は低下します。しかし2023年12月時点ではマイナス金利政策が維持されているため、マンションを含む不動産を購入しやすい状況は続いています。この状況が続く限り、マイナス金利政策はマンション価格を押し上げる要因となるでしょう。

4-4.新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのパンデミックでは、在宅ワークやリモートワークといった新しい働き方が模索されました。これによって自宅で仕事をするのに適したタイプのマンションへの住み替えなど、新たな需要が喚起されました。

これによりマンション需要は高まりましたが、逆にオフィスに出社する必要性が薄れ、都心のオフィス物件などが低迷した局面もありました。

4-5.ロシア・ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナ侵攻は、世界経済に大きな影響を及ぼしました。ロシアは資源大国ですが西側諸国による経済制裁によってロシアの資源が輸入できなくなり、世界的な資源高が進みました。エネルギー資源だけでなく建設材料などもひっ迫のリスクが高まり、世界的に材料価格が高騰しました。

建設コストの上昇はそのまま新築マンションの販売価格に転嫁されるため、マンション価格高騰の要因になっています。

5.マンションを購入するのに最適なタイミングは?

価格上昇が続いている状況では、マンションを購入するタイミングにも慎重になりがちです。そこで、マンションを購入するのに最適なタイミングを考察してみたいと思います。

5-1.社会情勢を踏まえたタイミング

社会に大きな影響を及ぼしたコロナ禍ですが、新型コロナウイルスが5類扱いになり、コロナ禍の真っただ中にあったような先行きの不透明感はひとまず払拭されました。

不可抗力による失業のリスクも軽減したことからローンを組むことへの安心感が増し、マンションを購入するには今が好機とも考えられます。

5-2.金利動向を踏まえたタイミング

日銀が低金利政策を修正して日本の金利が上昇し始めると、ローンの金利も上昇することになります。そうなると購入コストが高くなってしまうため、金利上昇前に固定金利型のローンを組んでマンションを購入するのもひとつの戦略です。

5-3.時期的要素を踏まえたタイミング

不動産市場には、繁忙期があります。新社会人や進学などで人の移動が多くなる4月に向けて、例年1月から3月が不動産業市場の繁忙期です。この時期は売り手も強気なので価格交渉においても買い手が不利になりやすく、この時期を外して購入するのが有効です。

6.マンション購入の「ラストチャンス」が近づいてきている

マンション価格の上昇傾向が続いていることについて解説しました。コロナ禍が収束し、金利上昇の足音が聞こえてくる時期の今、マンションを購入するラストチャンスが近づいているのかもしれません。

購入を検討している方は物件探しや不動産会社探しを始めるなど、何か具体的な行動を始めてみてはいかがでしょうか。

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