COLUMN

コラム

不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ

不動産投資の危険エリア6要件と、危険エリアを回避する有効な方法

不動産投資には、「危険なエリア」があることをご存知でしょうか。治安が悪い、災害のリスクがあるといった意味の「危険」はもちろんですが、それ以外にも不動産投資が成功しにくくなる「危険」があります。

不動産投資は総じてリスクの低い投資だといわれていますが、危険なエリアで物件を購入してしまうと一気にリスクが高まってしまいます。

そこで本記事では、不動産投資の物件選びにおいて知っておきたい「危険なエリア」の要件6つと、危険なエリアを避けるための重要なポイントについて解説します。

1.不動産投資で危険エリアの特徴は?

不動産投資で危険エリアの特徴

不動産投資の物件選びで避けるべき危険なエリアについて、ここでは6つの項目を挙げました。これらに該当する物件はよほどの理由やメリットがない限り、購入するべきではないでしょう。

1-1.人口が少ない・減少している

不動産投資家にとって、入居者は大切な収入源となる顧客です。この顧客候補が多くいるかどうかは、エリア選定においてとても重要な意味をもちます。人口が少なければ顧客候補も少ないですし、今後人口の減少が予測されているエリアは将来的に空室に悩まされる恐れがあります

日本全体では人口が減少しているため、人口が増加しているエリアは限られていますが、それでも大都市圏など今も人口が増えている、もしくは減少していないエリアはあります。

今は十分な人口があるエリアであっても、不動産投資は長期目線で取り組むビジネスです。将来的に人口が減少する見通しになっているエリアは潜在的な危険エリアといえるでしょう。

1-2.生活の利便性が悪い

不動産投資の主流ともいえるマンション投資は、マンションに住みたいと考えている人が顧客です。マンションでの生活を好む人は利便性を重視する傾向が強く、交通アクセスや近隣の商業施設や公共施設などが充実しているかどうかをシビアに検討しています

スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど生活に欠かせない商業施設が近隣にあること、深夜まで営業していることなど、入居者がそこで生活することを想定した目線で周辺環境を精査することが重要です。

1-3.交通の利便性が悪い

上記と同じ理由で、マンションでの生活を好む人は交通アクセスを重視します。最寄り駅から都心までの交通アクセスが良好である、さらに最寄り駅が特急や快速などの停車駅であることなどはプラス要因ですが、その逆だと危険エリアとなってしまいます。

特に最寄り駅からの距離が遠い、また最寄り駅自体が都心から遠いといったエリアは危険度が高く、空室リスクが高くなる可能性が高いでしょう。

1-4.災害のリスクが高い

日本は地震をはじめとする災害大国であり、日本全国のどこにいても自然災害のリスクを完全に排除することはできません。2011年から2020年までの期間に日本付近で発生したマグニチュード6.0以上の地震は、全世界の17.9%を占めるそうです。

こうした事実を踏まえると、災害のリスクが高い場所は文字通り危険エリアです。オーナーである不動産投資家にとってはもちろんですが、入居者も災害リスクの高いエリアは敬遠しがちです。そのため災害リスクが高いエリアでの物件購入は避けるのが賢明です。

1-5.大学や施設などに賃貸需要を依存

郊外にある大学のキャンパスや大企業の工場などは、周辺に賃貸住宅需要をもたらします。しかし、そういった特定の施設に賃貸需要を依存しているエリアは、当該の施設が移転したり閉鎖したりすると需要も冷え込んでしまい、かなり危険度の高いエリアに変貌してしまいます。

郊外の物件は価格が安いため利回りを高くできるメリットはありますが、その需要の根拠が脆弱である場合は慎重な検討が求められます。

1-6.治安が悪い

治安が悪いエリアも、文字通り危険エリアです。一人暮らしをしている女性の入居者など、とりわけ治安に敏感な人たちから敬遠される可能性が高く、空室リスクに悩まされる恐れがあります。

さらに治安が悪化すると所有物件の資産価値が低下する恐れもあるので、やはり避けるべき危険エリアです。

2.不動産投資で危険エリアを避けるポイント

前項では危険エリアに該当する6つの要件を紹介しました。こうした危険エリアで物件を買ってしまわないようにするには、いかに危険エリアであることを察知し、回避するかが重要です。

ここでは、危険エリアを回避するためのポイントについて解説します。

2-1.危険エリアに該当しないかまずチェックする

購入を検討しているエリアや物件があるのであれば、前項で紹介した危険エリアの6つの要件に照らしてみて、それぞれの項目に該当していないかをチェックします。

人口動態や地価の推移、災害の危険度を知るためのハザードマップなど、ネット上で調べられることは多数あります。それに加えて重要なのが、現地に足を運んでみることです。現地に行けばネット上の情報以外に感じられることがたくさんあるはずです。

特に治安面については実際に現地を歩いてみると気づけることが多いので、最終的な購入判断の前に現地や該当物件をしっかりチェックしてみてください。

2-2.地方より都心部を選ぶ

物件が地方にあるか都心にあるかというのは大きな違いですが、やはり都心を基本線として物件を選ぶことをおすすめします。

地方の不動産への投資は……

地方の不動産は、地価が安いため、初期コストが抑えやすい傾向です。家賃相場と比較して、購入コストが低く、高利回りになる可能性が高いという特徴があります。また、購入価格に対する建物価格の割合を高めに設定すると、減価償却費が多めにできるので、さらに節税効果が高くなるというメリットもあります。

その一方で、地方は都心に比べて人口減少のスピードが速く、空室リスクや地価下落リスクが高くなりがちな点がデメリットです。もちろん、地域によっては、地方であったとしても、人口が増加しているエリアがあるので、きちんとデータに基づいて、そうしたエリアを判断する必要があります。

また、地方都市の場合、大企業の工場や大学などによって、人口が保たれている場合も多い傾向です。そうしたエリアは、企業や大学の経営判断で工場やキャンパスが移転・閉鎖されると、人口が大きく変化するため、不動産投資に大きな影響を与える可能性があります。

都心の不動産への投資は……

都心の不動産に投資する最大のメリットは、何といっても人口の多さゆえの賃貸需要の高さでしょう。もちろん、都心の不動産であっても必ず需要があって簡単に客付けをできるわけではありません。しかし、人口が減り続けている危険エリアと比べれば、人口が増加しているエリアの強みは大きいです。

地方の場合は物件管理や仲介してもらえる不動産会社の候補に限りがあります。しかし、都心はたくさんの不動産会社がしのぎを削っています。つまり、頼りになる良いパートナーが見つけやすいというわけです。

その一方で、もちろんデメリットもあります。不動産投資に必要な費用が、どうしても大きくなってしまうことです。人口が増え続けている東京、神奈川、千葉、埼玉などには、魅力的な物件がまだまだあります。

ただ、地価高騰も相まって都心になればなるほど、一般的なサラリーマンでは、手が出せないような高額物件が増加傾向です。2023年の時点で東京23区の新築マンション価格平均が1億円の大台に乗ったことが報道されました。すでに東京23区では一般的な収入クラスの人が手を出しにくい状況が始まっています。

不動産クラウドファンディングのように、自分ひとりで現物を購入するのではなく、投資家たちと一緒に資金を出しあったり、都心部などの高価な物件に投資したりする手法も登場しています。そうした手法も活用しながら、都心の不動産に投資を行うのも良い選択肢といえるでしょう。

2-3.単身者の多いエリアを選ぶ

危険エリアを避けるひとつの方法として、単身者が多いエリアを選ぶのも有効です。というのも、大都市圏では単身世帯の比率が増加し続けており、単身者が好むワンルームマンション投資が単身者の需要とマッチしているからです。

令和2年の国勢調査によると、東京都では単身者世帯が50.26%となり、初めて半数を超えました。この傾向を踏まえると、「東京でのワンルームマンション投資」が需要にマッチしていることになります。

2-4.再開発計画を鵜呑みにしすぎない

再開発はそのエリアの魅力が向上する期待感があるため、不動産投資の好適地として意識されがちです。もちろんそのセオリー自体は間違ってはいないのですが、再開発されるからといってすべてのエリアで賃貸需要が上昇するとは限りません。

再開発が「コケる」こともあるため、再開発計画があるからといってそのまま鵜呑みにするのは早計です。実際に再開発が進んで新たな街の姿が見えるようになってから検討をしても、遅くはありません。

2-5.プロの不動産会社に相談する

不動産投資家の全員が不動産のプロというわけではありません。むしろ、副業として不動産投資をしている人の多くは初心者もしくはそれに近い状態でしょう。これから不動産投資を始めようと考えている人も、もちろん初心者に含まれます。

不動産の世界は海千山千といわれており、目利きや業界のルールなどに関する知識がないと投資も成功しにくいといわれています。そこで重要になるのが、プロの不動産会社というパートナーです。

不動産会社のなかには、主に不動産投資家を顧客として収益物件を提案・販売している会社があります。
信頼できる不動産会社を見つけることができれば、その会社から提案される物件は買うべき物件である可能性が高く、不動産投資の成功がぐっと近づきます。

3.不動産投資の危険エリアを回避すれば、不動産投資は成功が近づく

当記事では不動産投資の危険エリアといえる6つの要件、そして危険エリアを回避する方法について解説しました。これは逆に考えると、危険エリアさえうまく回避して物件選びをすれば、不動産投資は成功しやすいともいえます。

本文中でも述べたように、危険エリアの回避や買うべき物件選びには、信頼できる不動産会社によるプロの知見が欠かせません。まずは不動産投資に強い不動産会社を調べてみて、比較検討から始めてみてはいかがでしょうか。

関連記事:不動産投資の物件選び、3大比較ポイントと失敗しないための注意点

このコラムを読んだ人におすすめ