COLUMN

コラム

不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ

不動産投資ローンと住宅ローンの違いを徹底比較!賢い併用術と融資成功の秘訣を解説

不動産投資ローンと住宅ローンの違いを徹底比較!賢い併用術と融資成功の秘訣を解説

1.不動産投資ローンと住宅ローンの違いを理解しよう

不動産投資を始めるにあたり、多くの方が活用を検討するのが「不動産投資ローン」です。しかし、マイホーム購入で馴染みのある「住宅ローン」とは、その性質が大きく異なります。この不動産投資ローンと住宅ローンの違いを理解しないまま計画を進めてしまうと、「思ったように融資が受けられない」「想定外の費用がかさんでしまう」といった失敗にもつながりかねません。

そこで、不動産投資ローンと住宅ローンの本質的な違いを7つの視点から徹底的に比較・解説します。さらに、ローンを賢く活用するためのメリットや、多くの方が疑問に思うローンの併用、そして融資審査を通過するための具体的な秘訣まで、専門的な知見を交えて分かりやすくお伝えします。

2.不動産投資ローンと住宅ローンの「違い」を7つの視点で徹底比較

不動産投資ローンと住宅ローンは、同じ「不動産」を対象としながらも、その目的や仕組みは全く異なります。両者の違いを理解することは、適切な資金計画を立てるための第一歩です。ここでは、特に重要な7つの視点から、それぞれの特徴を比較してみましょう。

比較項目 不動産投資ローン 住宅ローン
①借入目的 賃貸経営など事業(収益)のため 自身や家族が居住するため
②返済期間 物件の法定耐用年数による 最長35年など長期間
③返済原資 家賃収入 契約者の給与収入など
④融資金額 数千万円〜数億円(上限が高い) 年収の7〜10倍程度
⑤金利 高め(1%〜5%程度) 低め(1%以下のケースも)
⑥審査基準 個人の属性+物件の収益性 個人の属性(返済能力)
⑦契約名義人 法人での契約も可能 原則として個人

2-1.借入目的の違い

最も根本的な違いは、ローンの「目的」です。
不動産投資ローンは、家賃収入を得ることを目的とした「事業用」のローンです。一方、住宅ローンは、契約者自身やその家族が住むための「居住用」のローンであり、利益を目的とした利用は原則として認められていません。

2-2.返済期間の違い

ローンの返済期間は、住宅ローンの方が長く設定されるのが一般的です。
住宅ローンは最長35年といった長期の返済プランが組めるのに対し、不動産投資ローンは物件の「法定耐用年数」が大きく影響します。

たとえば、木造アパートなら22年、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションなら47年といった基準があり、築年数によっては返済期間が短くなるケースも少なくありません。

2-3.返済原資の違い

返済の原資、つまり「何のお金で返済するか」も明確に異なります。
住宅ローンは、契約者の給与や事業所得といった個人の収入を返済原資とします。これに対し、不動産投資ローンは、投資対象の物件が生み出す「家賃収入」を主な返済原資として見なします。そのため、金融機関は個人の収入だけでなく、物件が将来にわたって安定的に収益を上げられるかを厳しく審査します。また、返済が滞った時には物件を売却して残債を回収をすることを目的として、物件の積算価格を重視する傾向があります。

※積算価格とは:土地と建物の価格をそれぞれ個別に評価して合計した価格

土地の積算価格:土地の路線価または公示価格に、土地面積を乗じて計算します。

計算式:路線価(または公示価格) × 土地面積

建物の積算価格:建物の再調達価格(同じ建物をもう一度建てるとしたらいくらかかるか)に、建物の延床面積と残存年数を乗じて計算します。

計算式:再調達価格 × 延床面積 × (残存耐用年数 ÷ 法定耐用年数)

2-4.融資金額の違い

融資される金額の上限は、不動産投資ローンのほうが高くなる傾向にあります。
住宅ローンの借入額は、一般的に年収の7〜10倍が目安とされています。一方、不動産投資ローンは、個人の年収に加えて物件の収益性も評価されるため、年収の10倍を超える融資や、場合によっては数億円規模の融資も可能です。これにより、自己資金だけでは購入できない高額な収益物件も投資対象にできます。

2-5.金利の違い

金利は、事業性の高い不動産投資ローンのほうが住宅ローンよりも高く設定されています。
住宅ローンの金利が1%前後からであるのに対し、不動産投資ローンは1%〜4%程度が一般的です。これは、空室や家賃下落といった事業リスクがあるため、金融機関が貸し倒れのリスクを金利に上乗せしているためです。金利の違いは総返済額に大きく影響するため、収支シミュレーションを精密に行う必要があります。

2-6.審査基準の違い

ローン審査で重視されるポイントも大きく異なります。
住宅ローンの審査では、契約者の年収や勤務先、勤続年数といった「個人の属性」が最も重要視されます。安定して返済を続けられるかどうかが焦点です。一方、不動産投資ローンの審査では、個人の属性に加えて「物件の収益性(事業性)」が同等以上に重視されます。立地や築年数、想定される家賃収入などから、その物件が安定して利益を生み出せるかが厳しく評価されます。

2-7.契約名義人の制限

契約できる名義人にも違いがあります。
住宅ローンは、そこに居住する個人が契約するのが原則です。しかし、不動産投資ローンは事業用ローンであるため、個人だけでなく、資産管理法人などを設立して「法人名義」で契約することも可能です。法人契約には、税制面でのメリットや、個人の資産と事業を切り離せるなどの利点があります。

3.不動産投資ローンと住宅ローンは併用できる?よくある疑問を解消

「住宅ローンを返済中だけど、不動産投資ローンは組める?」「逆の順番なら大丈夫?」といった併用に関する疑問は、多くの方が抱くポイントです。

結論から言うと、不動産投資ローンと住宅ローンの併用は可能ですが、注意が必要です。
金融機関は、個人の総返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を重視します。

既に一方のローンがある場合、もう一方のローンの審査では、既存の返済額も合算して審査されるため、借入可能額が減ったり、審査が厳しくなったりする可能性があります。

また、住宅ローンで購入した物件を、金融機関に無断で賃貸に出すことは「契約違反」となります。これが発覚した場合、ローンの金利引き上げや一括返済を求められるリスクがあるため、絶対に行わないでください。転勤などやむを得ない事情で賃貸に出す場合は、必ず事前に金融機関に相談しましょう。

4.不動産投資ローンを活用する4つのメリットと賢い選び方

金利が高いなど、一見するとデメリットが目立つ不動産投資ローンですが、資産形成においてはそれを上回る大きなメリットがあります。ここでは、ローンを活用する4つのメリットと、自分に合ったローンの賢い選び方について解説します。

4-1. メリット1 自己資金が少なくても始められる「レバレッジ効果」

不動産投資ローンの最大のメリットは、「レバレッジ効果」を活かせる点です。
レバレッジとは「てこの原理」のことで、少ない自己資金を元手に、ローンという他人資本を使って大きなリターンを狙う投資手法を指します。たとえば、自己資金300万円で3,000万円の物件を購入できれば、10倍のレバレッジをかけたことになります。これにより、自己資金だけでは手の届かない規模の資産形成をスピーディーに進めることが可能になります。

4-2.メリット2 他人資本(ローン)を活用した効率的な資産形成

不動産投資は、入居者が支払う家賃収入でローンを返済していくビジネスモデルです。
つまり、他人(入居者)の資本を使って、自分(オーナー)の資産を形成していくことができる、非常にユニークで効率的な仕組みと言えます。給与収入とは別の収益源を確保しながら、着実にローン残債を減らしていくことで、将来的に大きな資産を築くことが可能です。

4-3.メリット3 万が一に備える「団体信用生命保険」の効果

不動産投資ローンに加入する際、多くの場合「団体信用生命保険(団信)」への加入がセットになっています。これは、ローン契約者に万が一の事態(死亡・高度障害など)があった場合に、保険金でローン残債が完済される仕組みです。残された家族は、ローンのない収益物件を相続できるため、家賃収入がそのまま生活費や保障になります。これは生命保険と同様の効果であり、資産形成とリスクヘッジを同時に実現できる大きなメリットです。

4-4.メリット4 手元現金を温存し、不測の事態への安全性を高める

ローンを活用することで、自己資金を手元に残しておくことができます。
不動産経営では、突発的な修繕や設備の故障など、予期せぬ出費が発生することがあります。また、ご自身の生活においても、病気や失業といった不測の事態が起こる可能性はゼロではありません。手元に現金を温存しておくことは、こうしたリスクへの備えとなり、精神的な安定と経営の安全性を高める上で非常に重要です。

5.不動産投資ローンの審査基準と通過率を高めるポイント

不動産投資ローンを成功させるには、まず金融機関の審査を通過しなければなりません。ここでは、金融機関がどのような「制度的な基準」で見ているのか、その主要なポイントを解説します。

金融機関は、主に「個人の属性」と「物件の収益性」の2つの側面から総合的に判断します。

【個人の属性に関する審査基準】

  • 年収と自己資金:安定した収入があるかは最も重要な要素です。一般的に年収700万円以上が目安とされることが多いですが、金融機関や物件によってはそれ以下でも融資可能な場合があります。また、物件価格の1〜2割程度の自己資金を用意できると、審査上有利に働きやすくなります。
  • 勤務先・勤続年数:上場企業や公務員など、安定性の高い勤務先は高く評価されます。また、勤続年数が長いことも、収入の安定性を示す指標として重視されます。
  • 個人信用情報(クレジットヒストリー):過去のクレジットカードや各種ローンの返済履歴も厳しくチェックされます。延滞などの記録があると、審査に大きく影響するため注意が必要です。
  • 健康状態:団体信用生命保険に加入できる健康状態であることも、融資の条件となる場合がほとんどです。

【物件の収益性に関する審査基準】

  • 担保評価:金融機関は、万が一返済が滞った場合に備え、物件を担保として評価します。積算評価(土地と建物の価値を足し合わせる)や収益還元評価(物件が生み出す収益から価値を算出する)などの方法で、融資額に見合う担保価値があるかを判断します。
  • 収益性・事業計画:物件の立地や築年数、周辺の賃貸需要などを基に、将来にわたって安定した家賃収入が見込めるかを評価します。空室率や家賃下落リスクを織り込んだ、現実的な事業計画を提示することが重要です。

これらの制度的な基準をクリアするため、まずはご自身の属性を客観的に把握し、収益性の高い優良な物件を選ぶことが、融資通過率を高めるための王道となります。

6.不動産投資で融資を受けるために必要な書類

不動産投資ローンの申し込みには、個人の属性を証明する書類と、物件の概要、収益性を証明する書類の両方が必要になります。金融機関によって多少異なりますが、一般的に求められる主な書類は以下の通りです。早めに準備を進めることで、スムーズな審査申し込みが可能になります。

【本人確認・収入証明に関する書類】

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
  • 健康保険証
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 源泉徴収票(直近2〜3年分)
  • 確定申告書の写し(自営業者や副業収入がある場合)
  • 納税証明書
  • 既存の借入に関する返済予定表(住宅ローンなどがある場合)
  • 資産状況がわかる書類(預金通帳のコピーなど)

【物件に関する書類】

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 物件概要書(パンフレット)
  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 公図、測量図
  • レントロール(賃貸借条件一覧表)
  • 固定資産評価証明書

7.金利タイプと返済期間:あなたに最適な不動産投資ローンの選び方

不動産投資ローンを選ぶ際には、「金利タイプ」と「返済期間」をどのように設定するかが、将来のキャッシュフローを大きく左右します。ご自身の投資戦略やリスク許容度に合わせて、最適な組み合わせを見つけましょう。

【金利タイプ】

  • 変動金利:市場金利の変動に伴って、返済額が見直されるタイプです。一般的に固定金利よりも金利が低く設定されているため、当初の返済額を抑えられます。金利上昇リスクはありますが、短期での売却を考えている場合や、金利上昇に対応できる資金的余裕がある方に向いています。
  • 固定金利:借入期間中の金利が変わらないタイプです。返済額が一定のため、長期的な収支計画が立てやすいというメリットがあります。市場金利が上昇しても影響を受けない安心感がある一方、変動金利よりも金利は高めに設定されます。安定した運用を重視する方におすすめです。

【返済期間】

返済期間を長く設定すれば、月々の返済額は少なくなります。これにより手元のキャッシュフローは増えますが、総返済額(利息の合計)は大きくなります。一方、返済期間を短くすれば、総返済額は抑えられますが、月々の返済負担は重くなります。

あなたに最適な選び方は?

まずはキャッシュフローを最大化することを優先し、可能な範囲で返済期間を長く設定するのが基本的な戦略です。手元資金に余裕が生まれれば、繰り上げ返済で期間を短縮することや毎月の支払い額を少なくすることも可能です。金利タイプについては、現在の低金利状況を活かせる変動金利が主流ですが、将来の金利上昇が不安な方は固定金利を選ぶと良いでしょう。

ご自身の資産状況や投資スタイルに合わせて、不動産会社の担当者や金融機関とよく相談して決定することが重要です。

8.不動産投資のローン審査に受かるコツ

制度的な審査基準をクリアすることに加えて、審査を有利に進めるための「実務面」でのコツが存在します。ここでは、審査担当者とのやり取りや心構えといった、より実践的なポイントを5つご紹介します。

8-1.与信をできるだけきれいにしておく

個人の信用情報(与信)は、審査の土台となる部分です。
クレジットカードの支払いや携帯電話料金の分割払いなど、日々の支払いに遅延がないようにすることは基本中の基本です。また、使っていないクレジットカードやカードローンは解約しておくことをお勧めします。利用していなくても「借入枠」として見なされ、返済能力を圧迫する可能性があるためです。

8-2.電話と面談は積極的に

審査担当者からの電話連絡や面談の依頼には、誠実かつ積極的に対応しましょう。
担当者は、書類だけでは分からない申込者の人柄や投資への熱意を見ています。迅速で丁寧な対応は、信頼性を高め、「この人なら安心して融資できる」という心証を与える上で非常に効果的です。不動産投資にかける思いや、具体的な事業計画を自分の言葉でしっかりと伝える準備をしておきましょう。

8-3.仮審査の反応で安心して落ちると希望物件が買えない

仮審査(事前審査)に通ったからといって、本審査も必ず通るとは限りません。
仮審査はあくまで申込者の自己申告情報に基づく簡易的な審査です。本審査では、提出された書類に基づいてより厳密なチェックが行われます。仮審査の結果に一喜一憂せず、本審査に向けて気を抜かずに必要書類の準備などを進めることが、希望物件を確実に手に入れるための鍵となります。

8-4.交渉ではウソをつかない

審査を有利に進めたい一心で、年収や自己資金などを偽って申告することは絶対にやめましょう。
金融機関は、源泉徴収票や預金通帳の確認を通じて、申告内容の裏付けを徹底的に行います。虚偽の申告が発覚すれば、審査に落ちるだけでなく、金融機関からの信用を完全に失い、将来的な取引にも悪影響を及ぼす可能性があります。正直かつ正確な情報を提供することが、信頼関係の第一歩です。

8-5.不動産会社から紹介を受ける

実績豊富な不動産会社は、金融機関と良好な関係を築いていることが多いです。
そうした不動産会社を通じてローンを申し込むと、「この会社が紹介する顧客なら信頼できる」「この会社が扱う物件なら収益性も高いだろう」といった評価を得やすくなり、審査がスムーズに進むことがあります。また、個人では取引の難しい金融機関を紹介してもらえたり、有利な融資条件を引き出せたりする可能性もあります。信頼できるパートナーとなる不動産会社を見つけることが、融資成功への近道と言えるでしょう。

9.賢いローン選びで不動産投資を成功させよう

今回は、不動産投資ローンと住宅ローンの違いを7つの視点から比較し、ローンのメリット、審査のポイント、そして成功のためのコツを詳しく解説しました。

両者は名前こそ似ていますが、その目的や性質は全く異なります。不動産投資ローンは「事業」のための資金調達であり、個人の返済能力に加えて、物件の「収益性」が成功の鍵を握ることをご理解いただけたかと思います。

レバレッジ効果や団信による生命保険効果など、不動産投資ローンには資産形成を加速させる大きなメリットがあります。そのメリットを最大限に活かすためには、ご自身の投資戦略に合った金融機関やローン商品を選ぶことが不可欠です。

融資の成功は、不動産投資の成功に直結します。本記事で解説したポイントを参考に、信頼できる不動産会社のサポートも受けながら、万全の準備でローン審査に臨み、あなたの不動産投資を成功へと導いてください。

  • REISMコラム編集部

    編集者

    「不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ」そのために資産形成の基本的な情報から、不動産投資の基本やリスクなど、お金に関するお役立ち情報を紹介いたします。

このコラムを読んだ人におすすめ

セミナー