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不動産投資
不動産投資で入居率を上げる5つのポイント 入居率の計算方法3つも紹介
「所有するアパートの空室が、もう3ヵ月も埋まらない……」
「これから始めるマンション投資、満室経営なんて本当にできるのだろうか……?」
不動産投資において、オーナー様の悩みは常に「入居率」に集約されます。入居率の正しい知識から、なぜ入居率が上がらないのか、その原因と具体的な改善策を知っておきましょう。明日から実践できるレベルで詳しく解説するので、安定した家賃収入への道筋が、きっと見つかるはずです。
目次
1.【結論】不動産投資の入居率とは?平均と目標目安【2025年最新】
不動産投資における「入居率」とは、所有する全戸数のうち、実際に入居者がいる戸数の割合を示す指標です。この数値が高いほど、安定した家賃収入を得られていることを意味し、不動産経営がうまくいっている証となります。
日本の賃貸住宅の平均入居率がどれくらいかというと、一つの数字として提示できるのは、約81.2%です。なぜなら、総務省統計局の「住宅・土地統計調査(2023年)」によれば、賃貸用住宅全体の空室率(※部屋が空いている割合)が18.8%だからです。
しかし、これはあくまで全国・全構造の平均値です。都市部と地方、アパート(木造など)とマンション(RC造など)では大きく異なります。
たとえば、大手不動産情報サイトの調査(2025年上半期)によると、東京23区のマンションの入居率は95%を超える一方、地方の築古アパートでは80%を下回るケースも少なくありません。
これらのデータを踏まえ、不動産投資における健全経営の目標とすべき入居率は「95%以上」と言われています。常にこの数値を意識し、下回るようであれば何らかの対策が必要なサインととらえましょう。
2.【プロの視点】入居率の計算方法は3種類!最重要はどれ?
一口に入居率と言っても、その計算方法は3種類があって、それぞれ特徴があり、どの数字を見るかで物件の評価は大きく変わります。
特に、プロの投資家や金融機関が重視する「本当に見るべき数字」はどれなのか、しっかり理解しておきましょう。
2-1. 日数ベース(空室期間を正確に把握)
「年間で、どれくらいの期間入居があったか」を日数で計算する方法です。1年を通しての稼働状況を細かく把握したい場合に用います。
計算式: (365日 – 年間空室日数) ÷ 365日 × 100
たとえば、ある1室が年間で合計30日間空室だった場合、入居率は (365 – 30) ÷ 365 = 約91.8% となります。
この計算方法が有効なのは、1部屋だけの運営状況を把握する場合や、季節による入居の変動を詳しく分析したい場合です。
複数戸数を所有している場合は計算が煩雑になるため、あまり一般的ではありません。
2-2. 戸数ベース(最も一般的だが注意が必要)
最もシンプルで、一般的に「入居率」としてよく使われるのが、この戸数(部屋数)を基準にした計算方法です。
計算式: (総戸数 – 空室数) ÷ 総戸数 × 100
たとえば、10戸のアパートで1戸が空室の場合、入居率は (10 – 1) ÷ 10 = 90% となります。計算が簡単なため、物件の現状を手早く把握するのに便利です。
しかし、この方法には注意点があり、それは、どの部屋が空室でも「1戸」としてしかカウントされない点です。
家賃10万円の角部屋が空いていても、家賃6万円の部屋が空いていても、入居率は同じ90%になってしまい、収益の悪化度合いが数字に現れません。
2-3. 賃料ベース(経営実態を映す最重要指標)
プロの投資家や金融機関が最も重視するのが、家賃収入を基に計算する「賃料ベース」の入居率です。これは「稼働率」とも呼ばれ、経営の実態を最も正確に反映します。
計算式: (年間満室想定賃料 – 年間空室損失額) ÷ 年間満室想定賃料 × 100
たとえば、満室なら年間家賃収入が1,000万円の物件で、年間100万円分の空室損失が出た場合、稼働率は (1,000万 – 100万) ÷ 1,000万 = 90% となります。
この方法なら、家賃の高い部屋が空室になった場合、その影響が数字として明確に現れます。融資を受ける際の事業計画書でも、この賃料ベースの考え方が基本となります。
3. なぜ下がる?入居率を悪化させる5つの根本原因
入居率が95%を下回っている場合、そこには必ず原因があります。対策を考える前に、まずはご自身の物件がどの問題に当てはまるのか、冷静に分析することが重要です。
ここでは、入居率を悪化させる代表的な5つの原因を解説します。
3-1. 物件の競争力低下
築年数の経過と共に、建物や設備は古くなり、魅力は下がります。
たとえば、お風呂とトイレが一緒の3点ユニットバス、インターネット環境が未整備、オートロックがない、といった点は、新しい物件と比較された際に大きな弱みとなります。
「昔は人気だったのに……」と感じる場合、物件の仕様が現代の入居者ニーズに合っていないのかもしれません。
3-2. 家賃設定ミス
周辺の類似物件と比べて、家賃が高すぎませんか?
入居希望者は、必ずSUUMOやHOME’Sといったポータルサイトで競合物件と比較検討します。同じような間取り・築年数・駅からの距離で自分の物件だけ家賃が高い場合、内見にすら至らない可能性があります。
逆に、安すぎる場合も「何か問題があるのでは?」と敬遠されることがあります。
3-3. 募集活動の問題
物件の魅力が正しく伝わっていない可能性もあります。
ポータルサイトに掲載されている写真が暗かったり、枚数が少なかったりしませんか?
物件の長所をアピールするキャッチコピーは工夫されていますか?
また、退去者が出た後、次の入居者を募集開始するまでの期間が長すぎるなど、募集活動(リーシング)そのものに問題があるケースも少なくありません。
3-4. 管理会社のサービス
入居中のトラブル対応が遅い、共用部分の清掃が行き届いていないなど、管理会社のサービスの質が低いと、入居者の不満が募り、退去につながります。退去者が増えれば、当然入居率は下がります。
また、そもそも管理会社に客付け(入居者を見つけること)の能力や意欲が低い場合、いくら物件が良くても空室は埋まりません。
3-5. エリア需要の変化
物件自体に問題がなくても、そのエリア自体の賃貸需要が低下している可能性もあります。
たとえば、近隣の大学や工場が移転して学生・社会人の人口が減少したり、新しい鉄道路線が開通して人の流れが変わったりするなど、外部環境の変化が原因で入居率が下がることもあります。
4.【購入前に差がつく】高入居率が期待できる物件を見抜く5つのポイント
既に持っている物件だけでなく、これから不動産投資を始める方にとっても「入居率」は最重要テーマです。購入してから後悔しないために、高い入居率が期待できる物件を「購入前」に見抜くための5つのポイントを解説します。
4-1. ①データに基づくエリア選定法(e-Stat活用法など)
感覚や営業トークに頼らず、客観的なデータでエリアの将来性を見極めましょう。
政府統計の総合窓口「e-Stat」を使えば、市区町村ごとの人口推移や年齢構成、単身者世帯の割合などを誰でも無料で確認できます。
「人口が増加傾向にあるか」「ターゲットとしたい単身者やファミリー層は多いか」といった視点で分析することが、失敗しないエリア選定の第一歩です。
4-2. ②ターゲット設定と間取りの一致
選んだエリアにどんな人が住みたいのか、具体的な入居者像(ターゲット)を想定し、そのターゲットに合った間取りの物件を選びましょう。
たとえば、大学の近くならワンルームや1K、小学校の近くなら2LDKや3LDKといった具合です。「単身女性向けならオートロックは必須」「リモートワークの社会人向けならワークスペースを確保できる広めの1LDK」など、ターゲットのニーズと物件の仕様を一致させることが重要です。
4-3. ③周辺の競合物件調査の方法
検討中の物件の「ライバル」を徹底的に調査します。
SUUMOやHOME’Sで、同じ駅・同じような広さ・築年数の物件が、どのくらいの家賃で募集されているか、どんな設備が付いているかをリストアップしましょう。
その中で、検討中の物件が家賃や設備面で見劣りしないか、あるいは何かで差別化できるかを冷静に判断します。
4-4. ④管理会社のヒアリング項目
物件を案内してくれた不動産会社や、その物件の管理会社に、具体的な質問をぶつけてみましょう。
「このエリアの家賃相場はいくらですか?」
「このエリアの主な入居者層はどんな人ですか?」
「繁忙期の1〜3月以外だと、平均的な空室期間はどのくらいですか?」
「敷金、礼金の有無やAD(仲介会社への広告料)はどの程度が相場ですか?」
「過去に家賃滞納などのトラブルはありませんでしたか?」など、プロにしか分からない生きた情報を引き出すことが、リスクを見抜く上で非常に有効です。
4-5. ⑤将来の再開発計画の確認
そのエリアの将来性を測る上で、再開発計画の有無は重要な判断材料です。自治体のウェブサイトで「都市計画」や「まちづくり」といったキーワードで検索すると、新しい駅や商業施設の建設計画、道路の拡張計画などを確認できます。
大きな再開発が予定されているエリアは、将来的な人口増加や利便性向上が期待でき、資産価値や入居率の維持・向上につながりやすいと言えます。
5.【実践】不動産投資の入居率を上げる5つの重要ポイント
ここからは、すでにお持ちの物件の入居率を上げるための、具体的な5つの実践的ポイントを解説します。
5-1. ポイント①:ターゲットに響く「物件力」を最大化する
入居者に「この部屋に住みたい!」と思わせる魅力、すなわち「物件力」を高めることが最も根本的な対策です。
まずは、あなたの物件のターゲット(学生、単身女性、ファミリーなど)を改めて設定し、その層に響く改善を行いましょう。
| 順位 | 人気設備(単身者向け)2025年版 | 導入コスト目安 | 家賃UP効果目安 |
|---|---|---|---|
| 1位 | インターネット無料 | 月額3,000円〜 | +2,000〜3,000円 |
| 2位 | 宅配ボックス | 10万円〜 | +1,000〜2,000円 |
| 3位 | モニター付インターホン | 3万円〜 | +1,000円 |
このような人気設備への投資は、費用対効果が高い代表例です。
また、全面的なリフォームが難しくても、費用を抑えつつ部屋の印象をガラリと変える方法はあります。たとえば、壁の一面だけをオシャレな色の「アクセントクロス」に変える(費用3万円〜)、照明を温かみのあるダウンライトに変える(費用5万円〜)だけでも、内見時の印象は格段に良くなります。ペット可、楽器可といったニッチな需要に応えるのも、競争を避ける有効な戦略です。
5-2. ポイント②:戦略的な「賃料設定」
空室が続くからといって、やみくもに家賃を下げるのは得策ではありません。一度下げた家賃を元に戻すのは非常に難しく、物件全体の収益性を損なう可能性があるからです。重要なのは「戦略的」に賃料を設定することです。
まずは、現在の家賃が適正かどうかを客観的に判断しましょう。具体的な方法は2つあります。
- 競合調査:SUUMOなどで、ご自身の物件と同じ最寄り駅、同じような広さ・築年数のライバル物件がいくらで募集されているかを最低10件はリストアップし、平均値を算出します。
- 専門家への相談:複数の不動産会社(管理会社や仲介会社)に、無料でできる「賃料査定」を依頼します。プロの視点から、現在の適正家賃を教えてもらいましょう。
調査の結果、もし家賃が高すぎると判断した場合は、家賃そのものを下げる前に「初期費用」で調整する手もあります。
たとえば、入居時に必要な敷金や礼金をゼロにする、あるいは最初の1ヵ月の家賃を無料にする「フリーレント」を付けることで、入居者の初期負担を軽減し、お得感を演出できます。特に、引越しシーズンを過ぎた閑散期には効果的な手法です。
5-3. ポイント③:戦略的な「募集活動」
どんなに良い物件でも、その魅力が入居希望者に伝わらなければ意味がありません。募集活動は、いわば物件の「プレゼンテーション」です。
- 写真で魅せる:ポータルサイトで最も重要なのは写真です。「明るさ」「広角」「片付け」の三原則を意識しましょう。天気の良い昼間に、全ての照明をつけて撮影します。スマホでも広角モードを使えば部屋が広く見えます。プロのカメラマンに数万円で依頼するだけで、反響が倍増することも珍しくありません。
- 言葉で惹きつける:「駅徒歩5分」という事実だけでなく、「駅までフラットアプローチで雨の日も楽々」「スーパー・コンビニが徒歩3分圏内に揃う便利な立地」など、住んだ後の生活がイメージできるような言葉を添えましょう。ターゲットに合わせたキャッチコピーも有効です(例:「リモートワークに最適な静かな環境」「日当たり良好な南向きバルコニー」)。
- タイミングを逃さない:退去の連絡があったら、すぐに行動を開始しましょう。現在の入居者が住んでいるうちから「先行募集」をかけることで、空室期間を最短にできます。1〜3月の繁忙期には、仲介会社への広告料(AD)を上乗せして、優先的に紹介してもらうといった戦略も有効です。
5-4. ポイント④:管理を見直し、入居者対応で「満足度」を高める
高い入居率とは、言い換えれば「低い空室率(※部屋が空いている割合)」を維持することです。そのためには、新しい入居者を見つけることと同じくらい、「今いる入居者に長く住んでもらう」ことが重要になります。
入居者が退去を決める最大の理由は、物件や管理への不満です。
- クレーム対応のスピード:「給湯器が壊れた」「隣の部屋がうるさい」といった連絡に、管理会社が迅速かつ誠実に対応してくれているか。対応が遅いと、入居者の不満は一気に高まります。
- 共用部の美観:廊下や階段、ゴミ捨て場などが常に清潔に保たれているか。共用部が汚いと、物件全体への愛着が薄れ、引越しのきっかけになり得ます。
- 更新時の対応:2年に1度の契約更新。その手続きがスムーズで、丁寧な対応がなされているか。
これらの地道な管理の質を高め、入居者満足度を上げることで、退去率は確実に下がります。それは結果として、安定したインカムゲイン(※家賃などの定期的な収入)につながるのです。
5-5. ポイント⑤:成功の鍵を握る「管理会社」をパートナーにする
ここまで解説してきた改善策の多くは、管理会社の協力なしには実行できません。つまり、入居率向上の鍵は、いかに優秀な「管理会社」を経営のパートナーにできるかにかかっています。
もし、今の管理会社の対応に不満があるなら、思い切って変更を検討するのも一つの重要な経営判断です。
【優良な管理会社を見極めるチェックリスト】
| チェック項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 客付け力 | 地元の仲介業者との関係は強いか?募集広告の質は高いか? |
| 管理能力 | 定期的な物件巡回や清掃は行っているか?トラブル対応の体制は? |
| 報告体制 | 毎月の収支報告や、入居者募集の状況報告は定期的かつ詳細か? |
| 提案力 | 空室対策や家賃設定について、データに基づいた具体的な提案をしてくれるか? |
| 担当者の質 | レスポンスは速いか?専門知識は豊富か?親身に相談に乗ってくれるか? |
複数の管理会社から話を聞き、これらのポイントを比較検討して、最も信頼できるパートナーを選びましょう。
6. 入居率は経営努力でコントロールできる最重要指標
不動産投資の成功は、安定した家賃収入、すなわち高い入居率なくしてはありえません。この記事で解説した通り、入居率は市況や運だけで決まるものではなく、オーナー様の知識と行動によって大きく改善できる「経営指標」です。
- 現状把握:まずはご自身の物件の「賃料ベースの稼働率」を計算し、本当の収益性を把握しましょう。
- 原因分析:なぜ空室が埋まらないのか、5つの原因から課題を特定しましょう。
- 実践:今日ご紹介した5つのポイントの中から、ご自身の物件で最も効果がありそうなものを、ぜひ一つでも試してみてください。
その小さな一歩が、満室経営と安定した資産形成につながるはずです。
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REISMコラム編集部
編集者
「不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ」そのために資産形成の基本的な情報から、不動産投資の基本やリスクなど、お金に関するお役立ち情報を紹介いたします。


