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広がるFinTech!「おつり」で投資を始める

家計簿アプリを使った資産管理、ロボットによる資産運用など、金融に最新テクノロジーを組み入れることでさまざまな新サービスを生み出すFinTech(フィンテック)の潮流が、ますます加速しています。

なかでも高い注目を集めているのが、「おつり」を投資に回すというサービスです。今回はこのFinTechについて調べてみました。

なぜ「おつり」で投資すると良いの?

「投資に回す資金をつくるために貯金しなきゃ」と思っていても、日々の生活では、欲しいものを衝動買いしてしまったり、予定外の出費があったりして、なかなか貯まらないものです。

そんな時は、何らかの「ルール」を作って、半ば自動的にお金を貯金に回す方法を取ることが有効です。また、少しずつ貯まるそのお金を、簡単に使えないようにすることが大切です。積立型の定期預金などは、そのようなお金の貯め方の最たるものと言えます。

「貯金箱」もその類でしょう。シンプルな方法ですが、例えば、「500円玉貯金箱」を用意して、買い物をして、おつりに500円硬貨が入っていたら、迷わず貯金箱に入れます。それを続けていると、ある日、貯金箱が一杯になっていたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

なぜ「おつり」だと、それができるのかと言えば、「買い物という目的で、一度は財布から出したお金だ」という意識があるからではないでしょうか。「貯金しよう」と思って、財布からお金を出すよりも、一度は支払われたお金で、自分のものでなくなったという感覚があれば、貯金しやすいのかもしれません。そんな心理を上手く活かした仕組みが、FinTechによる「おつりで投資」のサービスです。

おつり投資サービスいろいろ

アメリカには「Acorns」や「Moneybox」という少額投資サービスがあります。これはクレジットカードやデビットカードで支払う金額のうち、1ドル未満の「おつり」があった場合、それを自動的に投資にまわせるサービスです。それと同じようなサービスが日本にもあります。「トラノコ」「マメタス」と呼ばれるサービスです。

「クレジットカードや電子マネーで決済したら、おつりは出ないはずだよね」と思われる方も多いでしょう。現金を持ち歩かなくて済むのがクレジットカードや電子マネーの特徴ですので、その通りです。これら「おつりで投資」するFinTechサービスは、「疑似的に」おつりが生み出される仕組みを取っているから可能なのです。

どういうことか簡単に説明すると、いずれのサービスでも、あらかじめ100円、500円、1,000円という端数計算のための額が設定されているのです。そして、例えば、「500円」を設定しておくと、5,350円の買い物をした際は、決済時に150円のおつりが出たものと認識し、その150円が自動的に投資に回されるというわけです。

いつの間にか増えている

ただし、あくまでもおつりとして認識された金額を投資に回すサービスで、「500円玉貯金箱」に現金を入れる「貯金ではない」という点に注意してください。投資に回ったおつりが、増える可能性もあれば、減るリスクもあるというわけです。

いずれのサービスも、マネーフォワードやZaim、Moneytreeなどの家計簿アプリと連携し、そのデータから、おつりを自動的に捕捉します。そして、そのおつりが、「トラノコ」の場合は専用の投資信託に、「マメタス」は、WealthNaviが提供するロボ・アドバイザーの資産運用に、自動的に回されます。

これらのサービスでは運用手数料が発生します。また、トラノコは月額300円のサービス利用料がかかり、マメタスは指定の銀行で資産運用・自動積み立てをしていることが、サービスを利用するための条件になっていることを認識しておきましょう。

なかなか投資のための資金が貯められないと悩んでいる人にとっては、「少額ながら、いつの間にかできた資金を、知らない間に投資にまわせている」という便利なサービスです。このような新しいFinTechサービスがあなたの暮らしを豊かにするかもしれません。

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