更新日 :
資産形成
安全な副業には何がある?副業は安全性と資産形成の視点を持って選ぼう
頑張って働いても思うように給料が上がらないとお感じの方は多いと思います。これは肌感覚だけの話ではなく、2021年の平均賃金を見ても日本はOECD加盟国の平均値を下回っており、しかもG7に含まれる主要先進国の中でも最下位です。
出典:OECD(経済開発協力機構)「Average wages」
今すぐ劇的に給料が上がる見込みがない以上、嘆いているだけでは何も始まりません。そこで検討したいのが、副業です。本業だけで満足のいく収入が得られないのであれば、副業で収入を上乗せするほうが現実的です。
しかし、副業であれば何でもよいわけではありません。本業との兼ね合いも考慮しつつ、安全かつ効率よく収入を得ることができる副業をすることで、満足のいく結果が得られるでしょう。
そこで本記事では、安全といえる副業を紹介し、理想的な副業として注目されている不動産投資についても解説したいと思います。
1.安全な副業には何がある?
数ある副業の中で「安全」を重視した場合、どんな選択肢があるのでしょうか。ここではサラリーマンなどの本業がある方にとって安全といえる副業を4つのカテゴリーで紹介します。
1-1.スキル販売系
人にはさまざまな特技があります。その特技を活かすのが、スキル販売系の副業です。例えばイラストや絵を描くのが得意な人であれば、それをネット上にあるクラウドソーシングサイトで仕事として受注し、報酬を得る形が考えられます。
他にも翻訳や文章作成、動画編集など、さまざまなスキルがお金になります。なお、クラウドソーシングサイトとは仕事を任せたい人と受注したい人をマッチングするためのサービスで、「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったサイトが有名です。
本業で得たスキルであっても、本業と競合したり悪影響を及ぼすことがなければ問題はないので、身についたスキルを副業でお金にするのは有効な方法です。
1-2.ポイントサイト・モニター系
ネット上にはたくさんのポイントサイトがあります。こうしたポイントサイトではアンケートに答えたり、モニターとして商品やサービスを使用して感想をフィードバックすることで商品やポイントがもらえます。
1件ごとの獲得ポイントはそれほど多くはありませんが、すき間時間を有効活用することで副収入となります。
1-3.データ入力・文字起こし系
スキル販売系の中でも特に仕事の数が多いのが、データ入力や文字起こしといった内職です。これらの仕事はスキル販売系のように特殊なスキルがなくても自宅などにパソコンがあれば簡単にできるため人気も高く、クラウドソーシングでは定番の職種となっています。
上記で紹介した「クラウドワークス」と「ランサーズ」で「データ入力」を検索してみたところ、「クラウドワークス」では8,424件、「ランサーズ」では22,118件の案件がヒットしました(2022年10月17日時点)。
単純にデータ入力という文字列が含まれている案件がヒットしているだけの場合も考えられますが、データ入力に関連する仕事がとても多く掲載されていることがお分かりいただけると思います。
1-4.投資系
投資ができるだけの手持ち資金がある方は、投資によって収入を得ることも有効な手段です。株式や投資信託、FX、暗号通貨など投資商品はさまざまですが、この中でも比較的リスクが低く安定的な利益が見込めるのは投資信託です。運用を専門家に任せることができるため難しい知識も必要なく、長期目線で取り組めば資産形成にも役立ちます。
また、副業として取り組むのであれば不動産投資もおすすめです。一部の自己資金を用意して残りは金融機関の融資を活用して収益物件を購入し、そこからの家賃収入を得ることで不労所得に近い副業が実現します。
中古市場で流通しているマンションの中には好立地のものも多く、こうした物件を購入してリノベーションをすれば価値を再生できるため、高い収益性が期待できます。
2.副業を安全に行うポイント
副業が成功すれば副業による収入を上乗せすることができますが、そのためにはいくつかの注意点があります。本業の勤務先が副業を禁止していないかどうかや、税金との関わり、そして悪質な詐欺に対する注意の3点です。
2-1.会社の就業規則を確認する
副業を安全に行うのにあたって、まず確認するべきなのが勤務先の就業規則です。なぜなら、企業によっては副業を規則で禁じている場合があるからです。
国の方針もあって副業が広まってきたとはいえ、まだまだ「副業禁止」の企業も少なくありません。労務管理の義務が生じることや、企業秘密などが外部に持ち出されかねないなどの懸念から、会社としては消極的にならざるをえない側面があります。
また、民間企業の場合は就業規則が根拠になりますが、公務員は法律で明確に副業が禁じられています。それは国家公務員、地方公務員ともに同じなので、公務員が副業をする場合は法律に抵触しないか特に注意が必要です。
副業が禁止されているにもかかわらず、副業をして会社に見つかれば、懲戒の対象になる可能性もあります。思わぬ不利益を被ることがないよう、副業をする前には必ず勤め先の就業規則を確認するようにしましょう。
2-2.副業収入が20万円を超えたら確定申告を行う
次に注意したいのが、副業収入と税金との関わりです。副業で収入があると、個人で確定申告する必要が出てきます。金額が少なければ確定申告の義務はありませんが、年間の副業収入が20万円を超えると確定申告が必要になります。
最近ではクラウドの会計ソフトなどが利用できるので以前ほどの手間はかかりませんが、普段から帳簿を付けたり、申告手続きについて学んでおくと便利です。
2-3.副業詐欺に注意する
副業詐欺という悪質な犯罪行為をご存じでしょうか。副業でお金を稼ぎたい人の心理に付け込んで「必ず儲かる」「〇〇円以上の収入保証」といったように副業やネットビジネスなどを持ち掛けられ、その話に乗るとサーバー代金やホームページ作成費用、コンサルティング料などの名目でお金を請求され、支払っても思うように利益は上がらず、そのまま取られ損になってしまうといった手口が多く見られます。
手口の種類はとても多いですが、こうした副業詐欺に共通しているのは常識では考えられないような高収入であることや、ほとんど不労所得に近いような形で楽にお金を稼げることなどを前面に打ち出している点です。
リアルの世界と同様に、ネットの世界であってもうまい話には必ず裏があると認識して、こうした悪質な手口に騙されないように注意しましょう。
3.不動産投資は安全な副業なの?
先ほど、安全な副業のひとつとして不動産投資を紹介しました。不動産投資が安全な副業といえる理由は数多くありますが、投資全般を見渡しても不動産投資はミドルリスクに分類されているため、一獲千金はない一方でいきなり資金のほとんどを失うといったリスクもないのが特徴です。
本業との兼ね合いにおいても、不動産投資は副業と見なされないケースが多く、公務員であっても規模によっては容認されています(5棟10室まで)。不動産投資は管理会社などを活用することで業務のほとんどを外注化できるため、本業への影響をあまり考慮しなくて済むというのが容認されている理由です。
不動産投資にもさまざまな形があります。マンションやアパート、戸建てなど建物による分類があることに加えて、新築と中古といったように物件の状態によっても分類があります。先ほど中古マンションをリノベーションする投資手法について簡単に述べましたが、これは「中古マンションには好立地の物件が多い」「新築よりも安価で購入できる」といった理由から、副業として取り組むには適していると考えられるためです。
長期目線で取り組むことでリスクを抑えやすく、勤務先から咎められることのない不動産投資は、ここで紹介した副業の中でも最も安全度が高いといえます。不動産投資の中でもさらにリスクを抑えるのであれば、中古マンションのリノベーション投資をおすすめします。
4.「副業」から「複業」の時代に
これまで「副業」というと、会社に隠れて、コソコソ行うイメージがありました。しかし、最近は「副業」ではなく、「複業」や「パラレルキャリア」などとも言われ、本業に加えて副業を複数持つ人が増えています。
企業もかつては就業規則で副業を禁止するところが大半でしたが、最近はベンチャー企業から大手企業に至るまで、副業解禁の動きが進んでいます。意外に思われるかもしれませんが、公務員にも副業を容認する動きが起きています。特に地方公務員の場合は地域の活性化に貢献できることなどが認められると、合法的に副業をすることができます。
医療技術の発達で、人間の寿命は伸びました。その結果、人生において長期間働くことが可能になりました。今後は、さらなるテクノロジーの進化によって、あなたが持つスキルや専門性も、AIやロボットに代替される可能性が高いでしょう。
このような時代に備えるためには、現在の本業とは別にリスクヘッジとして安全な副業を行い「キャリアの複線化をしておく」「たとえ環境が変わっても、生業と収入は確保する」ということが重要です。