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資産形成
20代こそ投資を始めるべき4つの理由と20代におすすめの投資5選
20代のうちは、老後や将来のことを考える機会は少ないかもしれません。しかし、投資の世界には20代こそ投資を始めるべきだという「定説」があります。
しかし実際に投資を始めるといっても、20代はまだ投資に回せるお金がそれほどないとお感じの方も多いことでしょう。また、投資を始めるといっても元本保証ではないことが不安、何から始めればよいのか分からないといった不安や疑問もあると思います。
そこで本記事では、20代こそ投資を始めるべき4つの理由と、20代の方々が投資を始める際に知っておくべきポイントを解説し、おすすめの投資方法5選も紹介します。
1.20代から投資を始めたほうがいい理由
なぜ、20代こそ投資を始めるべきなのでしょうか。読んで納得の理由を4つの項目で解説します。
1-1.グラウンドに立つなら早いほうがいい
上司や先輩から「投資はもう少しお金の知識が身についてから始めた方がいい」と言われた経験はありませんか。確かに、若い人ほど一般社会での経験は少ないため、理解できないこともありません。しかし、「いつまで待てばいいのか」と問われて、明確に「○歳から」と答えられる上司や先輩はいないでしょう。
バッティングセンターで、延々とバットを振っていても野球は上達しません。とにかくグラウンドに立ってみないと、試合は始まらないのです。投資も同じです。実際に経験してみることが、投資の知識を身につける上で一番の近道になります。
投資に絶対はありませんから、損することもあるでしょう。しかし、しっかりとしたリスクマネジメントさえできていれば、次に失敗しないための糧になります。人間はトライ・アンド・エラーを繰り返すことで学習するのです。
1-2.期間は長い方がいい
「複利効果」という言葉があります。投資で得た金利や利益を再投資することで、「雪だるま」のように利益は増えます。そして、投資期間が長ければ長いほど、複利は効果を発揮します。
例えば、1,000万円を年利3%で運用した場合、元利合計は10年後に1,343万円、20年後に1,806万円、30年後に2,427万円となります。投資期間が長ければ長いほど、金額は膨らむのです。
投資では、時間を味方につけることが大切です。最初の投資額が小額でも、複利効果を長期で利用すれば、多額の短期運用に勝るというわけです。「投資は若いうちに」というのは、まさにこのことなのです。
1-3.少額でしかできないから、損失も少額で済む
日本の会社の多くはまだまだ年功序列です。資産運用では分散投資が基本ですし、堅実な資産形成を目指すならば、まずは貯金を優先して、余った資金を投資に回します。
結果的に、若い頃は投資資金が少なくなりますが、失敗して受ける痛手も小さなものになります。むしろ、この時期はさまざまな経験を積んで、投資スキルをレベルアップさせておくことが大切なのです。いずれ、給与所得が増え手持ちの資産が大きくなったとき、今度は大きなリスクを取って、大きなリターンの投資にチャレンジすればいいのです。
1-4.経済や社会の仕組みが学べる
例えば、株式投資を始めると、投資先企業の業種、事業内容、業績に詳しくなります。財務諸表がきちんと読めなければ、果たしてこの企業は「買い」なのか、それとも「売り」なのかという投資判断は下せません。
また、外国為替証拠品取引(FX)を始めれば、各国通貨と自国通貨の現在の為替レートを覚え、世界各国の経済状況や金融政策が、自国の経済状況、金融政策にどのような影響を与えて、通貨レートはどのように動くのかということに気がつくでしょう。
つまり、投資を通じて、私たちは経済や社会の仕組みを学習しています。若い人たちが、社会人としての知識と経験を身につけるうえで、投資は非常に有効な手段となるはずです。しかも、将来に備えるための資産も同時に形成できます。
2.20代で投資を始める前に押さえておくべきポイント
20代は投資を始める上で優位な立場にあることが、お分かりいただけたと思います。それなら今すぐ始めようと考える方もいるかもしれませんが、その前に押さえておくべきポイントが3つあります。
2-1.長期投資を前提にする
20代から投資を始める方にある大きなアドバンテージは、時間です。時間を味方につけるのが投資の王道であることは、先ほどの複利に関する解説でもお分かりいただけたと思います。投資期間が長くなればなるほどリターンを大きくしやすく、リスクも抑えやすくなります。
この「リスクを抑えやすい」というのも、大きなポイントです。長期投資では投資期間が長くなるため、時間軸でのリスク分散が可能になります。投資対象の商品には価格の変動があるため、買った時よりも価格が下落すると含み損を抱えることになります。
しかし投資期間が長ければ価格変動のある商品を少しずつ購入することができるため、期間が長くなるほど購入価格は平均化されていきます。この手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、長期投資だからこそ得られる強い味方です。
20代の方々に時間のアドバンテージがある大きな理由のひとつは、ドルコスト平均法を活用した時間軸でのリスク分散が可能だからです。
2-2.余剰資金で投資する
余剰資金で投資をするのは、基本中の基本です。なぜなら、ほとんどの投資商品が元本保証ではなく、リスクを伴うからです。生活費など使ってはいけないお金まで投資に使ってしまうと、投資の結果が思わしくない時に生活への悪影響が生じてしまいます。
例えば、ギリギリの資金で株式投資をしている人が生活費を捻出するために損失覚悟で株を売ったものの、その後株価が上昇して得られるはずの利益を逃してしまったばかりか、株価が不利な時に売却してしまったせいで逆に損を出してしまったといった最悪の展開になってしまったとしましょう。この失敗の原因は明らかで、余剰資金以外のお金まで投資に使ってしまったからです。
余剰資金だけで投資をしておけば、こうした短期的な価格変動に振り回されることはありません。相場の動きに一喜一憂するのは精神衛生上も好ましくないので、投資に使ってよいのは余剰資金のみ、これを徹底してください。
2-3.リスクがあることも理解しておく
ほとんどの投資商品が元本保証ではない以上、リターンとリスクは表裏一体です。また、大きなリターンを狙える投資商品ほどリスクも大きいので、リターンとリスクのバランスを常に意識して投資先を選ぶ必要があります。
最もリスクが低いとされるのは、預貯金や個人向け国債などです。実質的に元本保証なので安心感はありますが、その一方で利回りは1%にも遠く及びません。固定金利型の個人向け国債の利回りは0.05%なので、これではよほど大きな資産でなければ資産が増えている実感を持てないでしょう。
その一方で個別株やFXなどで年利10%、20%といった高い利回りを実現している人がいます。これだけを見るととても儲かりそうに見えるかもしれませんが、こうしたハイリターン投資は総じてハイリスクです。一度の失敗で数十%、さらにはそれ以上の大きな損失を出してしまう可能性もあるため、リターンとリスクは常に比例していると理解しておきましょう。
20代の若い方々は積極的にリスクを取れる世代だといわれていますが、だからといってリスクを取りすぎて大切な資産を失ってしまうことがないよう、リスク許容度に見合った投資商品選びが重要です。
3.20代におすすめの投資方法5選
先ほどリターンとリスクの関係について解説しました。それを踏まえて何を選ぶべきか?と疑問を感じた方は多いと思いますので、ここでは20代の方々におすすめの投資方法を5つ紹介します。
3-1.投資信託
投資家から集めた資金をひとつのかたまりとして、ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用の専門家が運用するのが投資信託です。投資信託には大きく分けて、銀行や証券会社などが取り扱っている非上場の投資信託と、証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)があります。
運用対象となる金融資産には株式や株価指数、債券、不動産などがあります。それぞれの投資信託は運用対象や運用方針を明示しているので、投資家はその中から自分に合ったもの、好みのものを自由に選ぶことができます。
元本保証ではないものの、銘柄によっては安全度が高いものもあるため、長期投資に適した選択肢といえます。
3-2.株式投資
ここでいう株式投資とは、現物株といって個々の銘柄を売買する投資のことを指します。トヨタ自動車やNTT、ソニーといった日本を代表する企業の株式から、新興市場に上場しているベンチャー企業まで銘柄の選択はとても広く、2022年10月時点で東証には3,840もの上場銘柄があります。
値動きの大きな銘柄の短期売買を繰り返して利益を上げるのも株式投資ですが、ここでおすすめしたいのは配当による収益や長期的な株価の成長を見込んだ長期目線の株式投資です。
配当利回りが安定している銘柄を長期保有して配当収入を狙う方法、もしくは長期的に成長が見込まれる企業の株式を保有して株価の上昇による資産増を狙う方法がよいでしょう。
3-3.iDeCo
iDeCo(イデコ)の正式名称は個人型確定拠出年金です。任意で加入できる私的年金で、公的年金に上乗せされて年金給付を受けられるため老後資金の確保に役立ちます。
これだけなら金融機関や証券会社が提供している個人年金と大差はありませんが、iDeCoには掛金や運用益、そして給付金受取時の税金が優遇されるという大きなメリットがあります。
運用対象には投資信託をはじめ、株式や債券、保険、外貨建て商品なども含まれているため、幅広い選択肢から選ぶことができます。運用成績によって将来受け取れる年金額が変動するため、選択した運用商品が良好な成績を上げれば老後に受け取れる私的年金部分が増えます。
税金面の優遇を受けながら老後資金を構築できるため、ぜひとも活用したい制度です。
3-4.国債
国債とは、国が発行する借金の証文です。購入時に利率や償還時期が決められているので、約束の期日が到来すればお金が返済される仕組みになっています。日本の国債は個人向け国債として一般向けに販売されており、固定金利型だと年利は0.05%です(2022年10月時点)。
金利が低いので本格的な資産形成には不向きではありますが、実質的に元本が保証されているため、必要になる時期が決まっているお金をその時まで運用するなどの方法としては検討の価値があります。
3-5.不動産投資
アパートやマンションなどの収益物件を購入し、そこに入居した人からの家賃収入を得るのが不動産投資です。管理会社などにほとんどの業務を外注化できるため、会社員としての本業を持ちながら「サラリーマン大家」として副業に取り組んでいる人もいます。
不動産は短期的に大きな値動きをすることがないため、比較的リスクの低い投資として、特に長期目線の投資では有効な手段といえます。
4.20代には特に不動産投資がおすすめ
20代の方々におすすめできる5つの投資について紹介しましたが、この中でも特に20代の方々には不動産投資がおすすめです。その理由は、いくつかあります。
不動産投資では多くの場合、銀行など金融機関の融資で収益物件の購入資金を調達します。まだ十分な自己資金を用意できなくても本業がある方は融資を利用しやすい立場にあるため、20代であっても収益物件を購入できるだけの資金を調達することは十分可能です。
家賃収入をローンの返済に充当することができれば、完済をもってその物件が自分のものになります。本業の収入が増えていくのに合わせて2件目、3件目と物件を増やしていくことで不動産投資による収入も多くなりますが、こうした事業の拡大には時間を要します。
20代の方々にはそのための十分な時間があるため、不動産投資がおすすめといえるのです。
5.不動産投資は20代の強みが最も強く発揮される
今回は20代で投資を始めるべき理由について考えてみました。このように投資にはさまざまなメリットがあります。投資は「若すぎるからできない」というものではありません。むしろ、若い頃から始めたほうが有利な場合も少なくないのです。
特に不動産投資は若い人のほうが有利になる可能性が高く、同時に家賃収入によるメリットを享受できる時間も長くなるため、さまざまな理由から20代は不動産投資に適した世代といえます。もしまだ投資を始めていない場合は、これを機にはじめてみてはいかがでしょうか。