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不動産投資やお金の知識をわかりやすく学ぶ

不動産投資型クラウドファンディングとは?メリット・デメリットや選び方を解説

一般的にクラウドファンディングというと社会貢献活動やスタートアップ事業の資金集めに用いられるイメージをお持ちの方が多いでしょう。しかし、今ではこのスキームを利用した小口不動産投資として不動産投資型クラウドファンディングが人気を集めています。

そこで、不動産投資型クラウドファンディングの概要やメリット・デメリット、ファンド選ぶ際に知っておきたいポイントなどについて解説します。また、社会貢献型のリノベーションクラウドファンディング「REISM ファンズ」についてもご紹介します。

不動産投資型クラウドファンディングとは?メリット・デメリットや選び方を解説

1.クラウドファンディングの基礎知識

最初にクラウドファンディングについての基礎知識と、市場が拡大し続けている背景などについて解説します。

1-1.クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングは、「crowd(群衆)」と「funding(資金調達)」を組み合わせた造語です。資金を必要とする事業者がプロジェクトごとに、インターネットを介して不特定多数の人から比較的少額の出資や協力を募る手段として活用されており、すでに多くの成立プロジェクトがあります。

これまでは、どのようなプロジェクトでも資金調達をするには、金融機関から融資を受けることが基本でした。しかし金融機関から融資を受ける場合、実績や担保が必要となります。そのため、多くの人がプロジェクトを諦めてしまっていました。

しかし、クラウドファンディングを利用すれば、事業が魅力的であったり出資者に何らかの見返りがあったりすれば、実績や担保がなくてもネットを通じて資金を集められるようになりました。1人当たりの出資額は少額でも、多くの人の心をとらえれば合計額はまとまった金額になります。

クラウドファンディングには「寄付型」「購入型」「投資型(ファンド型)」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式型」などのタイプがあります。不動産投資の資金調達を可能にするタイプとして広く用いられているのは「貸付型」で、不動産投資のプロである投資会社が出資を募り、その資金で物件を購入し運用して得た利益を出資者に還元するという仕組みです。

1-2.クラウドファンディング市場は拡大傾向

矢野経済研究所の調査結果によるとクラウドファンディングの市場規模はこれまで順調に拡大し、2022年時点では約1,900億円の規模になると推計されています。

以下のグラフでは2017年から市場規模が1,500億円から1,900億円前後で推移していることが読み取れるため、クラウドファンディングは一定の市場規模を維持し、一定の市民権を獲得していると考えてよいでしょう。

矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)」

引用:矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)」

さらに同調査結果では2021年の市場概況として、不動産型のクラウドファンディングが堅調に増加したと述べられています。これは当記事で解説している不動産投資型クラウドファンディングのことなので、2022年以降も不動産投資型クラウドファンディングは順調に市場規模を拡大させていくと思われます。

2.不動産投資型クラウドファンディングとは

不動産投資型クラウドファンディングとは名称の通りクラウドファンディングの一種で、一般の出資者から集めたお金で不動産を運用し、そこから生まれた収益を出資者に分配するスキームのことです。

個人投資家にとって不動産は高額商品であり、自分だけで購入するとなると資金調達が必要ですし、失敗した時のリスクが大きくなってしまいます。それを小口化することで投資のハードルを下げたのが不動産投資型クラウドファンディングです。

クラウドファンディングの仕組みをそのまま、不動産投資に当てはめたものと理解すると分かりやすいかもしれません。

2-1.不動産投資型クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングには、資金を募る事業者と資金を出す出資者がいます。不動産投資型クラウドファンディングの場合は、事業者は不動産を購入して運用する役割を担い、出資者は投資家としてお金を出す側になります。

不動産投資型クラウドファンディングでは運用対象の不動産が情報公開されているので、その不動産に投資をしたいと考えている投資家が出資者となります。そして事業者は出資者から集めたお金であらかじめ提示していた物件を購入し、そこから得られる賃料収入などを出資金に応じて分配します。

最初から運用期間が設定されているので、その運用期間が終わったら最初に約束していた利回りの分だけ分配金を支払って運用終了となるのが一般的な形です。

2-2.現物不動産投資との違い

不動産投資というと投資家自身が収益物件を購入して賃料収入を得る形が広く知られていますが、これは現物の不動産を所有するため現物不動産投資と呼ばれています。

現物不動産投資と不動産投資型クラウドファンディングの最大の違いは、投資家自身が不動産を所有するかどうかです。クラウドファンディングの場合は事業者が不動産を所有するため、投資家は不動産を管理する必要がありません。また、現物不動産を自分だけで購入するわけではないので、少額から始められる点も現物不動産投資との大きな違いです。

2-3.REITとの違い

投資家から募ったお金で不動産を運用するという意味では、REITと同じではないかと感じる方は多いと思います。REITとの大きな違いは、購入する不動産を投資家が選べるかどうかです。

REITは投資法人が運用する不動産を選定し購入するため、投資家がそれを選ぶことはできませんが、不動産投資型クラウドファンディングの場合は購入する不動産の実名が公開されているので、それを見て購入するかどうかを検討することができます。

また、不動産投資型クラウドファンディングではマンションなど住居物件に投資をしますが、REITの場合は物流施設やホテル、商業ビルなど運用対象は多岐にわたります。

2-4.ソーシャルレンディングとの違い

ソーシャルレンディングは、クラウドファンディングの仕組みを利用した高利回りの金融サービスです。ソーシャルレンディングの中には不動産に投資をするものもありますが、これとは何が違うのでしょうか。
根本的な違いは、利益の源泉です。ソーシャルレンディングの「レンディング」は資金調達という意味なので、お金の貸し借りを基本としたスキームです。そのためソーシャルレンディングでは資金を貸し付けたことによる利息が利益の源泉となります。

不動産を購入した場合であっても、その物件を購入した運用主体にお金を貸しているのであり、運用益から利息の支払いを受けることで利益が発生します。

それに対して不動産投資型クラウドファンディングは事業者自らが不動産を購入し運用するため、そこから得られた賃料収入が利益の源泉となります。

3.不動産投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット

ここでは、不動産投資型クラウドファンディングのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

不動産投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット

3-1.不動産投資型クラウドファンディングのメリット

不動産投資型クラウドファンディングは、不動産のプロが厳選した好条件の物件に投資できる点がメリットです。利回りも定期預金や個人向け国債などに比べて圧倒的に高く、しかも投資後の運用期間中は事業者が管理も行うため、投資家はほとんど手間いらずです。

運用対象の不動産は担保になるので、大幅な元本割れのリスクは少ないでしょう。不動産会社によっては物件の価値が下落した場合、出資率の割合まで不動産会社が下落分を負担するという契約の商品を販売していることもあります。当記事で紹介している「REISM ファンズ」も同様のスキームで提供されている不動産投資型クラウドファンディングなので、これについては後述します。

また、利益に関しても運用益を「出資者優先」で分配する会社が多いので、予定通りの利回りが期待できる可能性は他の投資よりも高いかもしれません。

リスク管理の観点から不動産投資型クラウドファンディングのメリットを挙げると、運用の透明性が高いことと投資家にとっての選択肢が広いことが大きなポイントです。

REITやソーシャルレンディングはいずれも投資家が直接運用不動産を指定することはできませんが、不動産投資型クラウドファンディングでは購入する不動産が開示されているため、投資家はその不動産を購入する感覚でプロジェクトを選ぶことができます。

3-2.不動産投資型クラウドファンディングのデメリット

とてもメリットの多い不動産投資型クラウドファンディングですが、リスクやデメリットもあります。少額から気軽にできるとはいっても投資に変わりはなく、元本や利回りの保証はありません。さらに投資期間が決まっていることが多く、その間はキャンセルができず途中でお金の入用があっても多くの案件では現金化することができません。

不動産投資の醍醐味であるレバレッジ効果についても、その効果はあまり享受できないと思っていたほうが良いでしょう。現物不動産投資の場合はローンを利用することにより少ない投資額で大きなリターンを期待することができますが、クラウドファンディングの場合はそもそもの投資額が小さいため、現物不動産投資に比べてどうしてもリターンは小さくなりがちです。

また、これはメリットの裏返しなのですが、2022年12月現在で主要業者が募集している案件を見ると、条件のよい案件や知名度の高い案件は募集直後に満額到達してしまうか抽選になっています。

それだけ人気が高いことを示しているわけですが、募集金額の数倍規模で応募が殺到している案件もあり、これだと投資したい案件を見つけてもなかなか実行できないのが実情です。早い者勝ちというイメージが強くなりすぎると十分な検討をせずに応募してしまうリスクもあるため、投資をする際には慎重に検討することが大事です。

4.不動産投資型クラウドファンディングを選ぶ時のポイント

不動産投資型クラウドファンディングは多くの投資家から人気を集めていますが、人気があるからといってどの案件を選んでもよいわけではありません。クラウドファンディング投資を成功させるために必要な、案件選びのポイントを解説します。

4-1.運営事業者の信頼性

不動産投資型クラウドファンディングには元本保証はなく、預金保険のように投資家を保護するスキームもあるわけではありません。万が一クラウドファンディングを運営している事業者が倒産したり業務継続が困難な状態に陥ったりすると、大切な資金が危険にさらされることになります。

過去にはアパート投資のクラウドファンディングを手がけていたTATERUのグループ会社が融資書類の改ざんなどによって国土交通省から業務停止命令の処分を受け、経営が危機的状況に陥った事例もあります。

運営事業者の経営状態が安定しているか、法令違反などによって業務を継続できなくなるようなリスクがないか、今後も事業の継続性が確保されているかといった部分はしっかりと精査して資金を投じる必要があります。

4-2.運用期間

不動産投資型クラウドファンディングは、それぞれの案件によって運用期間が異なります。運用期間が1年未満の案件がある一方で、年単位に及ぶ案件もあります。

原則として不動産投資型クラウドファンディングは運用中の途中解約ができないので、運用期間は資金が拘束されることになります。他に何か入用があってもクラウドファンディングに投じているお金を引き出すことはできません。

そのため、不動産投資型クラウドファンディングの運用期間は事前にしっかりチェックしておく必要があります。その意味では運用期間が短いほうが投資家にとって有利といえますが、期間の短さゆえに利回りが低くなってしまっては投資先としての魅力が薄れてしまうので、運用期間と利回りのトータルバランスで選ぶのがよいでしょう。

4-3.不動産の種類やエリア

不動産投資型クラウドファンディングは間接的で小口化されているものの、不動産投資であることに変わりはありません。運用対象の不動産に十分な収益性がなければクラウドファンディングに出資をしている人は満足のいく収入を得られないため、運用対象となる不動産の種類やエリアといった収益性に直接影響する部分もしっかり精査しましょう。

東京など大都市の好立地物件であれば資産価値の低下が起きにくい上に、安定した家賃収入を見込むことができます。不動産投資型クラウドファンディングでは運用対象の不動産が公開されていることもメリットのひとつなので、そのメリットを生かして収益性が見込める案件に投資をするのがセオリーです。

4-4.優先劣後出資の割合

多くの不動産投資型クラウドファンディングでは、優先劣後方式が採用されています。不動産投資型クラウドファンディングでは出資者(投資家)から集めた資金だけで不動産を運用するのではなく、クラウドファンディングを運営している企業自身も出資者となります。出資者が投じた資金は優先出資分、運営会社の出資分は劣後出資分として分類されます。

もし運用対象の不動産価格が低下したとしても、劣後出資分(つまり運営会社の出資分)の範囲内であれば影響を受けるのは劣後出資者のみです。仮に優先出資分が70%で劣後出資分が30%だとすると、その物件の価値が下落しても30%までは劣後出資分のみが影響を受け、優先出資者は影響を受けません。

この仕組みを前提とすると、劣後出資分の比率が高い案件ほど投資家は価格下落の影響を受けにくいことになります。逆に劣後出資分の比率が低いと投資家が影響を受けやすくなるため、不動産投資型クラウドファンディングを選ぶ際には優先劣後出資の比率にも注目してください。

5.新しい不動産投資型クラウドファンディング「REISM ファンズ」

好立地の中古マンションをリノベーションによって再生し、オンリーワンの物件を提供することで高い入居率を実現しているREISM(リズム株式会社)では、新しい不動産投資型クラウドファンディングとして「REISM ファンズ」を提案しています。

ここでは、「REISM ファンズ」の特徴や実際の投資案件などを紹介します。

5-1.「REISM ファンズ」の特徴

「REISM ファンズ」は、不動産会社であるREISMが提供する不動産投資型クラウドファンディングです。REISMは都心の中古マンションのリノベーションによる差別化を提唱し、すでに多くの実績を有しています。

「REISM ファンズ」はそのREISMが提供する不動産投資型クラウドファンディングなので、運用対象は中古リノベーション物件となります。REISMが持つ強みをそのまま不動産投資型クラウドファンディングに生かすことで、安定した利回りを確保している点が特徴です。

5-2.投資案件例

「REISM ファンズ」には、どのような投資案件があるのでしょうか。ここでは2022年に募集、運用された案件を3つ紹介します。

5-2-1.REISM-koko Anti笹塚

REISM-koko Anti笹塚

2022年11月15日から同25日までの10日間に188.92%もの応募が集まった人気案件です。運用対象は、東京都心へのアクセスも良好な京王本線「笹塚」駅から徒歩3分の立地にあるリノベーション物件。中古物件の経年感を生かし、アンティークな魅力によって差別化され、入居者からの人気も高いことから安定した利回りが確保されています。

「REISM-koko Anti笹塚」の詳細はこちら

5-2-2.REISM-koko Chic西荻窪

REISM-koko Chic西荻窪

2022年10月14日から25日まで募集され、すでに応募額100%に到達した案件です。賃貸マンションの立地として人気の高いJR中央線「西荻窪」駅から徒歩10分のリノベーション物件で、賃貸マンションでは珍しいヘリンボーン床を採用し、真鍮のアクセサリーを効果的に配することで「優雅な都会暮らし」を演出し差別化に成功しています。

「REISM-koko Chic西荻窪」の詳細はこちら

5-2-3.REISM-koko Boho初台

REISM-koko Boho初台

京王線「初台」駅から徒歩7分、さらに京王線以外にも複数路線で新宿へアクセスが可能な好立地リノベーション物件です。2022年5月27日の募集終了までに応募額100%に到達し、すでに運用も成功裏に終了しています。「好立地」とリノベーションによる差別化が奏功した典型例ともいえるリノベーション物件で、REISMらしさや強みが発揮された案件といえます。

「REISM-koko Boho初台」の詳細はこちら

5-3.利用の流れ

「REISM ファンズ」の利用の流れは以下の通りです。不動産の小口投資商品ということもあり、とても簡単な手続きで始めることができます。

①「REISM ファンズ」への会員登録と本人確認
「REISM ファンズ」の公式サイトで氏名や住所、配当金の振込先口座などを登録し、画面の指示に従って本人確認を行います。本人確認の完了には1~3営業日を要するため、投資したい案件がある場合は早めの申し込みをおすすめします。

②投資案件を選び、申し込み手続き
会員登録が完了すると、案件への申し込みが可能になります。「REISM ファンズ」で募集されている案件から、投資したい案件を選び、投資金額を入力して手続きを進めます。

③入金
投資に必要な資金を入金します。

④運用
運用はすべて運営者が行うため、投資家は何もする必要はありません。

⑤配当支払い
運用成果に応じて配当金が振り込まれます。

6.不動産小口投資の魅力を最大化するために

不動産投資はしたいけれど多額の資金を用意したり借金をしたりすることに抵抗があるという方にとって、小口投資が可能な不動産投資型クラウドファンディングは魅力的な投資商品です。とはいえ本文でも述べているように何でもよいわけではないので、記事内で解説しているポイントを踏まえて投資すべき案件を慎重に選ぶようにしましょう。

また、ひとつの選択肢として「REISM ファンズ」を紹介しました。人気が高いだけでなく成績も優秀な不動産投資型クラウドファンディングなので、投資先を選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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