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不動産投資
不動産投資をしている人、これから始める人が気になる2023年のマンション市場
不動産投資をしている人、そしてこれから不動産投資を始めようと考えている人にとって、今後の不動産市場がどうなるかは大きな関心事です。特に個人の投資家に人気のマンション市場がこれからどうなっていくのかは、多くの人たちにとって今後の判断にも影響を及ぼす重要事項です。
そこで本記事では、2023年の不動産市場(マンション)の動向について、最新のデータを交えながら展望したいと思います。
1.首都圏の不動産市場(マンション)動向は?
多くのマンション物件が所在し、日本で最も不動産投資の好適地といわれる首都圏について、新築と中古のマンション市場動向を見てみましょう。
1-1.新築マンション市場の最新動向
首都圏の新築マンション価格は、高止まりの状況が続いています。定期的に新築マンション販売動向をレポートしている不動産経済研究所の「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年2月」によると、首都圏の新築マンション平均価格は6,778万円で、1平方メートルあたりの単価は101.5万円です。
これを2020年2月からの推移で見ると、以下のようになります。
出典:首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年2月(不動産経済研究所)
時折7,000万円台に跳ね上がっている時期があるものの、おおむね横ばいです。しかしながらこの「横ばい」は高値圏でのことなので、首都圏の新築マンションは6,000万円台で高止まりしていると考えるのが自然でしょう。
1-2.中古マンション市場の最新動向
次に、首都圏の中古マンション市場についても最新の動向を見てみましょう。ここでは不動産情報の配信で知られる東京カンテイの「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70平方メートル価格月別推移」レポートによるデータを見てみたいと思います。
同レポートによると2023年1月の首都圏における中古マンションの平均価格は4,845万円です。前年11月が4,807万円、12月が4,819万円であったことと比較すると、少しずつ上昇していることが分かります。同レポートにあるグラフでも見てみましょう。
出典:三大都市圏・主要都市別/中古マンション70平方メートル価格月別推移(東京カンテイ)
先ほど新築マンション価格が高止まりしていると述べましたが、中古マンションにも同様のことがいえます。さらに厳密にいえば中古マンション価格はわずかに上昇し続けているので、依然として首都圏のマンション市場は好調であることが窺えます。
2.不動産市場動向の調べ方
不動産投資家、もしくはこれから不動産投資を始める人にとって、最新の市場動向を知ることは重要です。どのタイミングで買うか、売るかという戦略にも大きく影響を及ぼしますし、不動産市場の動向が家賃相場にも影響を与えるからです。
そこで、不動産市場動向を調べるために有用な5つのツールと、その使い方を解説します。
2-1.レインズマーケットインフォメーション
レインズとは、国から指定を受けた業界団体である不動産流通機構が運営している不動産情報ネットワークのことです。不動産業者はこのレインズを通じて物件情報のやり取りをしているので、レインズでは常に最新の不動産物件情報が飛び交っています。
日本全国に、レインズは4つあります。東日本、中部圏、近畿圏、そして西日本(九州・沖縄)にエリア分けされています。それぞれのレインズはサイト上で不動産情報を公開しているので、不動産動向などのレポートを見ることができます。
2-2.公示地価
公示地価とは、その年の元日時点で日本全国の標準地となっている地点について国土交通省が発表する価格のことです。この公示地価は不動産取引時の価格を決める参考にされるほか、相続時の財産評価、固定資産税の評価などにも用いられています。つまり、公示地価を知ればその不動産の大まかな価値が分かるということです。
初心者の場合は少々分かりづらいかもしれませんが、公示地価は国土交通省のホームページで閲覧可能です。
2-3.土地総合情報システム
地価の公示を行っている国土交通省では、不動産の価格や相場についての情報発信を充実させています。国土交通省が設けている「土地総合情報システム」には、公示地価と並んで実際に行われた不動産取引時の価格を調べることができる「不動産取引価格情報検索」というデータベースがあります。
この「不動産取引価格情報検索」では、売りに出されている不動産の価格ではなく、実際に取引が行われた(売買が成立した)不動産の価格を調べることができるため、実勢価格を知るのに役立ちます。
2-4.不動産価格指数
不動産価格指数とは、国土交通省が保持している膨大な不動産価格取引情報をもとに、不動産価格の動向を指数化したものです。実際の価格が表示されているわけではないので売買価格の参考にはなりませんが、指数の変化を見ることで過去との比較、推移などを知るのに役立ちます。
不動産価格指数は、国土交通省のホームページから最新の情報を取得できます。
2-5.不動産ポータルサイト
不動産ポータルサイトとは、「SUUMO(スーモ)」や「at home(アットホーム)」「LIFUL HOME’S(ライフルホームズ)」などの不動産総合情報サイトのことです。
これらの不動産ポータルサイトは規模が大きいので、賃貸情報や売買情報などが豊富に掲載されています。サイトによって数はまちまちですが、膨大な数の不動産業者が物件情報を登録しており、ユーザーは無料で情報を簡単に検索することができます。
こうした不動産ポータルサイトの売り物件情報の検索機能を使うと、購入したい、もしくは売却したいと考えている物件の類似物件を見つけられるかもしれません。そこから大まかな相場観を掴むことができます。
ただし、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」と違って、不動産ポータルサイトに掲載されているのは売り物件情報です。売買が成立していない物件の情報なので、必ずしも実勢価格と一致しないことを留意しておく必要があります。
3.不動産市場に影響を与える要因
不動産市場は、さまざまな要因や思惑が交錯して状況が変化しています。不動産市場に影響を与えうる主な要因は、以下のとおりです。
3-1.景気
一般的に景気が悪くなると人は新たな投資をしにくくなるため、不動産市場も活力を失います。不動産が売れにくくなると、価格は下落傾向になります。
3-2.人口動態
人口が増えている地域では不動産の需要が高くなるため、価格は上昇します。一方で、人口が減少している地域では逆の理由で不動産価格は下落します。
3-3.金利
不動産を購入する際に融資を利用するケースが多いことから、金利が高くなると不動産は売れにくくなり、価格下落要因となります。
3-4.自然災害
自然災害は人的な損害だけでなく、建物の損壊やインフラの機能停止など物的な損害も発生します。そのため自然災害は不動産に対する重大なリスクです。自然災害が発生したり、その影響を受けたりした地域は不動産の価格が下落します。
4.2023年の不動産市場はどうなる?
2023年の不動産市場は、首都圏など大都市圏を中心に高止まりの状況が予想されます。特に東京では依然として人口の流入が続いており、旺盛な需要が不動産市場を下支えすることは十分に考えられます。
2023年も東京をはじめとする首都圏は有力な不動産投資の候補地となることはほぼ間違いないでしょう。