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不動産投資
これを知っているだけで生涯支出がかなり減る!不動産投資と生命保険比較
不動産投資と生命保険は、一見まったく関係のない分野のトピックにみえがちです。しかし、両者にかける費用のバランスは生涯支出にとても大きく影響してくるといえます。ここでは、生涯支出を減らしたい人にお得な情報や不動産投資と生命保険について解説します。
生命保険大好き日本
一家の大黒柱やそれを支える妻が倒れてしまったら……と転ばぬ先の杖として生命保険をかける人が多い傾向です。2016年度に生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入する男性は80.6%、女性は81.3%となっています。同調査によると年間に支払う保険料の平均は約19.7万円です。内訳は男性が22.8万円、女性が17.4万円となっており、加入する割合に反して保険料としては男性の方が高い傾向といえます。心配性で働き者の日本人らしい数字といえるかもしれません。しかし、年間約20万円を生涯支払い続けることが本当に得策なのでしょうか。例えば、大学を卒業し就職をしてから、定年まで約40年間保険料をかけ続けたとしましょう。保険料総支払額は20万円×40年=約800万円にもなります。
転ばぬ先の杖を保険ではなく不動産で
リーマンショック以降、不景気の影響も受け保険の加入を見直す世帯も増えています。日ごろの生活に直結しない保険料のかけ過ぎは大きな家計の圧迫につながるのです。受取金額を減額したり、保障内容を変更したりするなど加入を見直し、保険料の支払いをスリム化していくことが賢明です。しかし、スリム化しすぎてしまうと、その分、保障される範囲も狭くなる点は注意が必要といえます。万が一のときに、生命保険で対応できないという不安は拭えません。
そこで、発想の転換をしてみましょう。生命保険は、万が一のときに指定している受取人へ支払われます。これと似通ったシステムが不動産を購入する際の団体信用生命保険にもあるのです。住宅をローンで購入した人なら「団体信用生命保険」という言葉は耳にしたことがあるでしょう。住宅ローンを借り入れしている人が死亡した場合、残った借金を団体信用生命保険の保険金で完済してくれます。つまり、住宅ローンがゼロになるという保険です。一家の大黒柱に万が一のことがあっても、残された家族はローンの返済負担がなくなるという点もメリットといえます。さらに、住宅ローンが支払えず、家を売却するという必要もなく、引き続き住むことが可能です。
例えば、不動産投資としてアパートやマンションをローンで購入し、家賃収入から返済するとします。その所有者が死亡したり、高度の障害が残ったりして返済不能となったときに団体信用生命保険に加入していると、ローンの支払いはゼロになるのです。残された家族はローンのない物件と家賃収入を得ることができます。保険料の支払いは毎月の返済額の金利に上乗せする形で支払われることが一般的です。
例)2,000万円の融資を20年のローンで購入
金利2.8%(団体信用生命保険分+0.3%上乗せ済み)
20年間の保険料は約108万円
108万円÷20年=年間保険料平均は約5万4,000円
5万4,000円÷12カ月=1カ月平均保険料は約4,500円
毎月5,000円以下の保険料負担ならば、外資系やネット保険会社で同じ保障のある保険に入れると思うかもしれません。しかし、不動産投資の場合は2,000万円の物件が残るだけではなく、所有している間に家賃というインカムゲインを得ることができるのです。これは、非常に大きな違いといえるでしょう。
もし先ほどの例で8%の利回りがある物件であれば、2,000万円×8%=160万円、160万円÷12カ月=約13万円の収入があります。そこからローンの返済額の約10万9,000円を差し引くと毎月2万1,000円のキャッシュフローです。2万1,000円×20年間で約420万円、仮に管理費や修繕費に20%を出費したとしても420万円×20%=84万円を差し引いた約336万円のインカムゲインが得られることになります。毎月5,000円程度の保険料で生命保険をかけたていたとしても336万円の配当はむずかしいでしょう。不動産そのものと家賃収入が得られる団体信用生命保険と、掛け捨てで2,000万円の安心料として20年間で120万円(5,000円×20年)を支払う生命保険とは180度違う運用方法です。
保険で安心しながら運用できる資産
不動産投資の場合は、20年の間に売却するチャンスもあるでしょう。保険と異なり、資産の組み換えが可能なのです。そうなってくると保険で安心料として出費をすることとは大差がでます。もちろん、不動産投資は賃貸事業なので空室リスクやトラブルなどへの対処も必要です。しかし、それらは管理をきっちり行うことで、さらにうまく運用形成していくことへのステップとなります。団体信用生命保険の対象となるのは死亡や重度の障害だけではなく、3大疾病や8大疾病にも対応している保険もあるということも心強いポイントです。
人生100歳の時代に突入しています。保険料や住宅ローン、さらには教育費や自動車ローンなど生涯支出の多いやりくりでは老後の不安も大きくなりがちです。家賃収入の得られる不動産投資と団体信用生命保険の仕組みをうまく活用してみましょう。堅実な保障が得られるライフプランを、ぜひご自身で設計してみてください。