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賃貸物件の家賃はどうやって決めるべきなのか

賃貸経営で利益を上げるために家賃はなるべく高く設定したいところですが、家賃が高すぎることが原因で入居者が見つからず空室が続いてしまっては本末転倒です。今回は家賃設定の考え方と、競合物件より家賃を高くしても入居率を上げられる方法を考えてみます。

賃貸物件の家賃はどうやって決めるべきなのか

家賃設定の基本的な考え方

家賃設定の基本的な考え方は、大きく分けて2つあります。建築費や取得費などに希望する利回りを掛けて算出した金額をもとに設定する方法と、周辺にある競合物件の家賃を参考にして設定する方法です。

前者の視点がなければ投資金の回収やローンの支払いに後々困ってしまう可能性が高まり、後者の視点がなければ入居者がまったく見つからず空室期間が続いてしまうリスクが高まります。そのため、家賃設定は両方の視点から行うことが大事なポイントになります。

周辺にある競合物件の家賃を参考にする場合、新築物件には過去の入居者データがないため傾向をつかみにくく、家賃設定に苦労することがあります。そういったときほど周りに頼りたくなってしまうものですが、すべてを丸投げして強気な不動産会社に振り回されないように注意しましょう。

利回りを確保するために入居者の事情やニーズを考慮せず、競合物件などの市場環境も無視した無理な家賃設定を提案されることがあります。これには、新築物件の販売価格が高いことも一因として挙げられるでしょう。不動産の取得費用は少しでも早く回収したいものですが、それを焦るばかりに無理な家賃設定を行い、その結果、空室が長期化し結局家賃を下げざるを得なくなってしまっては元も子もありません。

一方で中古物件の場合は過去の入居実績があるため、家賃を設定する際に参考になります。周辺にある競合物件の間取りや面積、駅からの距離、エアコンやトイレなどの設備、築年数、木造か鉄筋コンクリートかなどの建築構造、見栄えなど、比較すべきポイントはたくさんあります。不動産会社任せにするのではなく、必ず自分でも確認するようにしましょう。

同ランクの物件だと思っていても、街灯の有無や騒音、商店街の雰囲気など、実際にその場に足を運んでみると周辺環境が大きく異なる場合もあります。家賃は、これらも加味して決めるべきなのです。

家賃設定以外にもある、入居率を上げる工夫

家賃を周辺相場より下げず、できれば少し高く設定したい場合にカギとなるのは、「営業」「差別化」「管理」の3点でしょう。

「営業」では、賃貸仲介をする不動産会社を通じて、他の物件にはない良さを入居希望者に広く周知してもらうことが大切です。地域の仲介会社と日頃から密にコミュニケーションを取り、彼らが営業しやすいように内見資料やサイトに掲載する見栄えの良い写真などを用意して提供するといいでしょう。

「差別化」という点では、例えば「ペット可」にしたり、外国人や高齢者など他の物件では受け入れてもらえなかった人たちを受け入れたりすれば、周辺の競合物件との差別化が図れます。とくに「ペット可」は家賃を高めに設定しやすくなるでしょう。

「管理」も非常に重要です。共用部分は常に清潔に保つようにしましょう。入居者の満足度が上がり、内見に来た入居希望者にも好印象をもってもらえます。また無料Wi-Fiや宅配ボックスを設置したりするなど、住みやすくなるような設備を導入することも有効です。

管理会社については物件購入後に変更することも可能なため、対応に不安がある場合は思い切って別の管理会社に変えてみるのもいいかもしれません。

家賃設定以外にもある、入居率を上げる工夫

リノベーションで質を上げて高めの家賃設定を

最後に、高めの家賃を設定する方法として、リノベーションをご紹介しておきましょう。
リノベーションとは、既存の建物に新たな機能や付加価値を加える改装工事のことです。住む人のライフスタイルに合わせて構造から改良するため、原状回復工事などとは内容がまったく異なります。

例えば割安な中古物件を購入し、リノベーションによって間取りやデザイン、設備を一新し、部屋のクオリティーを高めれば、競合物件よりも高めの家賃を設定できるでしょう。

もちろん、リノベーション費用はかかります。しかし割安な中古物件であれば、リノベーション費用を含めても新築物件を購入するほどの金額にはなりませんし、リノベーション費用を含めたローンに借り換えをすることで、場合によっては低金利やローン年数の延長が実現することもあります。それでいて、新築に負けないような高いデザイン性と充実した設備を入居者募集時の“武器”にできるのです。

その際に大切なのは、物件探しの段階からリノベーションの経験が豊富でノウハウのある不動産会社をパートナーに選ぶことです。もしかすると、リノベーション済みの掘り出し物件をすでに持っているかもしれません。

不動産会社に相談しながらターゲットを明確にして物件を決定し、ターゲットに合ったリノベーションを行えばその効果を最大化できます。物件に最適な付加価値をつけて、周辺相場より高めの家賃設定での賃貸経営を目指しましょう。

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