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リノベーション投資は「都心、中古、ワンルーム」が最強である理由

マンション投資の際、物件選びの検討軸は「新築か中古か」「単身者向けかファミリー向けか」「都心の物件か地方か」の3つに大別されるのではないでしょうか。特に投資初心者の場合は、どのような組み合わせで、物件を選択すべきなのか悩んでしまうことも少なくないでしょう。

当記事ではこの3点について初心者がどんな選択をするべきか、特にその中でも3つめの「都心か地方か」にスポットを当て、リノベーション投資をするにあたってどんなメリットがあるのか、不動産投資初心者の目線に立って解説します。

中古マンションをリノベーションすることによって不動産投資を成功させたいとお考えの方にとって、とても重要な情報です。

リノベーション投資は「都心、中古、ワンルーム」が最強である理由

1.初心者には、中古・単身者向けが良い

一般的には、新築物件よりも中古物件の方が利回りが良いとされています。利回りは「年間の賃料収入÷購入価格×100」で算出するので、分母である購入価格が安い中古物件のほうが利回りが高くなるという仕組みです。

それなら中古物件一択でよいのかというと、そこにはリスクもあります。新築物件は、間取りや設備、内装なども最新で、空室リスクも抑えられる可能性が高い代わりに、中古物件よりも価格が高くなるので、利回りは小さくなります。

一方、中古物件は、新築物件と比べて商品競争力は下がるかもしれません。しかし入居者が安定して入っていれば先ほどの計算式が成立し、比較的大きな利回りが期待できます。よほど大きな環境変化がない限り、賃料も安定傾向にあります。さらに、リノベーションによって物件の価値を再生すれば競争力の低さを改善することも可能です。

新築物件では、本当に入居してもらえるかどうかは賃貸を始めてみないと分かりませんが、中古物件の場合は、新築時からこれまでの賃貸実績から今後の入居率や利回りの予測も立てられる点はメリットと言えるでしょう。

次に、「単身者向けか、ファミリー向け物件か」の観点ではどうでしょうか。

ファミリー向けの物件は部屋が広いので、その分購入価格は高くなります。しかし、面積の広さに比例して家賃を高く設定できるわけではないので、単身者向けと比べて利回りが少し低くなる傾向にあります。

その一方でファミリー向けと比較すると、単身者向けは入居者の流動性が高いので退居後の空室期間が短い傾向があります。しかも物件のサイズが小さいため、リフォームやリノベーションの費用もファミリー向け物件より低く抑えられ、投資効率は高くなります。

物件選びは、資金額や長期の安定収入を求めるのか、短期で売却益を求めるのかといった投資スタイルでも変わります。初心者の方で資金にあまり余裕がない場合は、「中古」で「単身者向け」という比較的小さい投資でスタートし、安定的に収益が上がってきた後に次の物件にチャレンジするほうが確実性が高いのではないでしょうか。

ここでいう単身者向けの物件とは、ワンルームマンションが具体的な選択肢となるでしょう。アパートにも単身者向けのものがありますが、アパートは一棟ものといって建物単位で所有するのが一般的であるのに対して、ワンルームマンションは1戸単位で所有できる区分投資が可能なので、できるだけ初期投資を抑えたい初心者向けといえるのです。

1-1.中古物件に対する投資のポイント

中古・単身者向けの物件で、最も重要なのは立地です。駅まで近い、会社・学校へのアクセスが良い、遅くまで開いているスーパーやコンビニが近くにあるなど単身者にとっての利便性が高い物件は、空室リスクを低く抑えられるとともに資産価値の低減率も比較的小さいという利点があります。その一方で昼間に自宅にいることが少ない単身者は、周囲の騒音や日当たりなどの条件は優先順位が低くなる傾向にあります。

もう一つ、今後さらに重要性を増すのはデザイン性でしょう。平日はほとんど外で過ごすからこそ、夜や週末は部屋で気持ち良く過ごしたいと考える人たちは少なくありません。コロナ禍を契機に家にいる時間の「質」にこだわりを持つ人が増え、こうした傾向はこれからの時代に向けてさらに強まると考えられます。居住性、機能性も重要ですが、デザイン性の高い部屋は単身者にとって魅力的で人気も高くなっています。

退去後の中古物件はそのまま元通りにリフォームするよりも、トレンドに合わせてリノベーションしたほうが、一時的なコストはかかりますが長い目で見れば入居率を高め収益を上げることにつながるでしょう。

2.今後、都心の物件が有利な理由

日本はすでに、人口減少の局面に入りました。人口が減少すれば、不動産需要も減少します。ただし人口動態を注意深く見てみると、より強い人口減少が起きているのは地方であり、首都圏を含む大都市圏はむしろ増加傾向にあることが分かります。

特に東京都では都心回帰の傾向があり、江東区、板橋区、世田谷区、品川区、港区などの人口増加率が高くなっています。また、地方では戸建・持ち家志向が強いのに対して、都市部ではマンションなどの集合住宅・賃貸物件に住む人が多い傾向があります。また、現在、都市部へ流入している人たちの多くが、若年層の単身者だということも見逃せないポイントです。しかも今後は急速に高齢者の単身世帯が増えることが予想されています。

予測不可能ながら地震などの災害リスクがないわけでもありません。ですので、こうした傾向に変化が生まれる可能性もゼロではありませんが、目の前の傾向を踏まえると、リノベーションをした都心の単身者向け中古物件が投資対象としては最適と言えそうです。

コロナ禍によって東京など大都市圏へ続いていた人の流れが変わりつつありますが、それではこのまま東京が過疎化するかというと、それは考えにくいでしょう。単身者人口が引き続き少なくなることはない大都市圏でのワンルームマンション投資のその優位性は、これからも維持されると考えるのが妥当です。

2-1.都心物件のメリット・デメリット

都心物件のメリットは、何といっても旺盛な賃貸需要です。東京など大都市圏は進学や就職などで地方から人口の流入が多いため、こうした人たちが単身者向けであるワンルームマンションの有望なマーケットとなります。

こちらは、東京都が発表している家族累計型別世帯数の推移と予測です。「単独」というカテゴリー(つまり単身者世帯)が増加を続け、2035年には過半数となる見込みであることが見て取れます。
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出典:「東京都世帯数の予測」の概要(東京都)

このデータからも、都心部のワンルームマンション投資が今後も有望であることがうかがえます。そしてもう一つ、見逃せないことがあります。それは、東京都内で見られる「ワンルームマンション規制」です。単身者は地域活動への関わりが消極的であることやごみ出しルールなど生活トラブルを起こしやすいとのイメージから、新規にワンルームマンションを建てにくくする条例が各区で制定される動きが見られます。

こうした規制ができるというのは、東京には多くの単身者が流入しているということでもあります。この規制は既存のワンルームマンションには適用されないので、中古物件の優位性がより高まっていくことが予想されます。

とてもメリットが大きい都心物件ですが、やはり物件価格が高いのは避けられない現実です。それだけの価値があると言い換えることもできますが、価格の高さゆえに手持ちの資金額によっては手が届かず、不動産投資そのものを始められないということもあるでしょう。

2-2.地方物件のメリット・デメリット

それでは大都市圏の都心物件ではなく、地方物件はどうでしょうか。地方物件のメリットは何といっても、価格の安さです。物件価格が安いということは利回りも総じて高くなるので、地方物件の投資効率はよくなります。

ただし、それは「入居者がいれば」の話です。入居者がいなければ利回りはゼロどころかローンの返済や税金などの分がマイナスになってしまいます。人口の減少が進んでいる地方だと入居者を見つけるのが難しくなっていくでしょうし、最終的に物件を売却するときに買い手がつかないリスクもあります。

2-3.地方から都心への人口流入

日本全体の人口が減少しているなかで、大都市圏には人口が流入する傾向が続いています。こちらは財務省が発表した「都市部と地方の人口移動」というレポートにある「三大都市圏及び東京圏の人口が総人口に占める割合」のグラフです。
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出典:都市部と地方の人口移動(財務省)

将来に向けて三大都市圏の人口比率は過半数を超えて増加し続け、そのなかでも東京圏は3割を超えると推計されています。その逆に三大都市圏以外の地域は比率が下がり続けているので、やはり地方の人口減少は今後も続き、不動産投資をめぐる環境は決して楽観視はできないことがわかります。

3.都心で投資物件を選ぶなら区分ワンルームマンションがおすすめ

ここまでの解説をお読みになった方の頭のなかには、「不動産投資を始めるなら都心のワンルームマンションがよいのではないか」という結論が作られつつあるのではないでしょうか。不動産市場や今後の人口推移を考えるとそれは正解ですが、このことを踏まえたうえで区分ワンルームマンション投資の優位性について解説します。

3-1.一棟マンションサラリーマンには非現実的?

マンション投資には「一棟」と「区分」があります。一棟マンションとは文字どおりマンションを土地と建物で丸ごと購入し、一棟単位で賃貸経営をするスタイルです。戸数が多いので家賃収入は多くなりますが、物件価格は少なくとも億単位になります。

サラリーマンなど給与所得者の方が始めるとなると、自己資金の規模や融資を受けられる金額などの面から容易だとは言い難いものがあります。その点、区分所有であれば数千万円規模の投資になるため、融資を利用すれば十分手が届く投資規模です。

3-2.立地の良い区分マンションを選ぶ

都心のワンルームマンションが人気を集めているのは、立地条件がよいからです。単身者は通勤や遊びに行くなどの利便性を重視する傾向が強いので、立地条件のよい物件は空室リスクが低くなります。

不動産は動かない資産なので、立地条件のよい土地にはすでにマンションが建っていることが多く、その意味では中古ワンルームマンションから選ぶのがよいかもしれません。立地条件を購入後に改善することはできませんが、内装はリノベーションによって再生することができます。

3-3.区分マンションならエリアのリスクを分散できる

立地条件が不動産投資の成否に深く関わっていることはすでにご理解いただいていると思いますが、だからといって万能かつ最強の立地があるわけではありません。そこで複数の区分マンションを異なるエリアに所有すれば、それぞれのエリア特有のリスクを分散することができます。これも区分マンション投資のメリットとして広く知られているものです。

リノベーション投資は「都心、中古、ワンルーム」が最適である理由がよくお分かりいただけたと思います。これらの基礎知識をもとに、初心者でも成功しやすい不動産投資にぜひチャレンジしてみてください。

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