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COLUMN

不動産投資コラム

不動産2022年問題とは

「2020年の東京五輪までは好調だが、その後は失速する」などと、日本経済について、悲観論もささやかれるようになりました。それと連動するように、2018年時点では好調な不動産市場も2020年を境に不調に陥るのではないかという説も飛び出しています。一般的に経済の失速は、供給が需要を大きく上回ったときといわれています。

しかし、不動産業界では、首都圏を中心に、2022年、全国で土地や住宅の供給が過多になるのではないかという「2022年問題」が取り沙汰されています。その原因は「生産緑地の指定が解除されるからだ」ということなのですが、そういわれても、いったい何のことなのかよくわかりませんよね。そこで、今回は不動産業界の「2022年問題」について調べてみました。

戦後の街づくりと生産緑地法

戦後の日本は、高度経済成長を背景に、都市圏での都市化が急速に進みました。ただ、無秩序な開発は効率的な都市の発展の妨げとなります。国や自治体は「国民が健康で文化的な生活ができるよう、しっかりと都市整備を行わなければならない」として、1968年に都市計画法を定め、住みやすい街づくりを目指しました。

この都市計画法では、まず、街づくりをする区域が決められます。そして、市街化を推進する区域(市街化区域)を、住居系、商業系、工業系など12種類に用途地域を分けて、目的に沿ったそれぞれのルールに従い、開発が行われてきました。この「市街化区域」に指定された地域でも、農業の継続を希望する農家が多く存在していたのです。

また、多くの緑地が次々と宅地に転用されたことで、都市部の住環境の悪化や、発生する公害や災害を防ぎ、農林漁業と調和した都市環境を維持する必要が出てきました。そのため、「市街地の例外」として、自治体が残すべき農地や緑地を指定できるようにしたのが、1974年に制定された「生産緑地法」です。

生産緑地法により、0.2ヘクタール以上の農地や緑地で、自治体から指定を受けると、固定資産税の減免措置(農地の宅地並み課税の適用除外)が受けられ、一定期間を経たら、自治体に買い取りを求められるようになりました。

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生産緑地は不平等の象徴

1992年に改正生産緑地法が施行されました。市街化区域にある生産緑地で農業を続けてきた農家の多くは兼業。その人たちが持つ農地が、宅地並み課税の提供除外であったことに対する住民からの不満の声があがったのです。また、80年代後半のバブル経済による地価高騰から、特に東京、大阪、名古屋の3大都市圏で宅地供給を促進させるべきだということになりました。

改正内容のポイントは、敷地面積が500平方メートル以上で農業に専念する人は、「生産緑地」として自治体に届ければ、今後30年間、従来通りの優遇税制が受けられるということです。(※)つまり、「保全すべき農地」と「宅地かすべき農地」を改めて選別し直したのです。

こうして、対象となった生産緑地は首都圏、近畿圏、中部圏のいわゆる都会に約1万3,187ヘクタールあります。(平成28年 国土交通省「都市計画現況調査」)このうち、東京都内には3,330ヘクタールです。(平成26年東京都都市計画公園緑地等調書)

※目黒区は300平方メートル以下など自治体によっては面積要件を引き下げている

指定解除で土地と物件の供給が進む

1992年から30年経った2022年、まさに、この生産緑地の指定は期間満了となり、その優遇措置が終了するのです。これまで農業を続けてきた人も高齢化しており、そのタイミングで農地売却が加速するのではないかと考えられています。

2018年3月27日に発表された最新の地価公示によると、全国平均で0.7%のプラスと3年連続で上昇しています。この上昇傾向が2022年まで続いていたら、農地を売却しようとする人は続出するでしょう。大都市とはいえ、その真ん中で1万ヘクタールもの土地が供給されれば、地価は下落するはずです。

相続対策のために、農地に投資効率の良いワンルームの賃貸アパートなどを建設して、不動産投資を始める人が急増するという見方があります。東京のみならず、神奈川や千葉、埼玉にも生産緑地はたくさんあるのです。首都圏での賃貸住宅の供給は急増して、需要を上回り、物件価格も賃料も下がっていくのではないかといわれています。

こうした状況から、週刊誌などでは、すでに「2022年まで待てば、広々とした一戸建てが買える」というような記事も出てきました。「郊外では驚くほど安い値段で買えるようになる」「賃貸アパートやマンションも借り手市場になる」との予測です。

影響を受けにくい立地の物件を選ぶ

不動産市場を一変してしまう可能性のある生産緑地の指定解除。その影響を回避するために、不動産投資家は、どうしたら良いのでしょうか。ちなみに東京23区では、生産緑地が練馬区と杉並区だけで半分以上の面積を占めています。続いて、江戸川区、杉並区、足立区、葛飾区と続きますが、これらの区で不動産投資を検討している方は、どこに生産緑地があるのかを確認しておきましょう。

近くに生産緑地があるとやっかいなことになるかもしれません。その他の区では、生産緑地の割合は1%以下ですので、それほど気にする必要はないと思われます。首都圏の市街化区域で物件を購入するときは、必ず生産緑地の場所を確認し、指定解除後にどのような開発が行われるかを想定したうえで、投資判断をするという配慮は必要ではないでしょうか。結局、影響を受けにくい立地の物件を選ぶのが一番有効といえそうです。

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