不動産投資

資産運用の王道!株式投資と不動産投資を比べてみた

「資産三分法」といえば、保有する資産を株式・現金・不動産の3つに分けて管理する考え方です。伝統的な資産運用のセオリーといえます。特性の異なる資産を組み合わせることでリスクを減らし、リターンを高められることは、現代ポートフォリオ理論も示しています。この記事では、3つのうち2つ、株式投資と不動産投資を比較してみます。

会社員の資産運用としては株式投資が王道

資産運用といえば株、というくらい、株式投資はよく知られています。会社員のように本業を持っている人が取り組みやすい理由としては、注文や管理に時間を要しない、少額からも投資できる、優待狙いや短期投資などいろいろな取り組み方ができる、などが挙げられます。

一般的には価格変動の大きいリスク資産と位置づけられる株式ですが、派生する金融商品も多くあります。例えば、プロが株式を売買し、その収益を受ける権利を買う株式投資信託や、TOPIXなどの指数を企業の株と同じように売買できるETF(上場投資信託)、特定の日に株を売買する権利を取引するオプションなどが挙げられます。

株式投資と不動産投資を比べてみる

株式投資と不動産投資にはどのような違いがあるのか、収益の上げ方を中心に比べてみます。

株式投資の収益は主に2つ。売買益と配当です。優待や貸株金利などもありますが、おまけのようなものと考えておきましょう。不動産投資にも物件の売却益と家賃収入の2つがあるというのと似ています。

株価の変動ははげしく、1日で20%〜30%上下することも珍しくありません。時には数ヵ月で2倍3倍になることもあります。もちろんその逆もまたしかりで、50万円で買った株が1週間後に半分の25万円になる可能性もあるのです。タイミングよく売買できれば、大きな利益(キャピタル・ゲイン)が狙えます。

不動産価格の値動きは比較的緩やかなため、売却益を狙った投資はあまり一般的ではありません。それどころか宅建業免許を受けていない人が転売目的で住宅を繰り返し売買するのは違法です。

株の配当は企業の業績次第で、出ないこともあります。年に1回から2回ある権利確定日に株を持っている人に対して支払われます。東証一部上場企業の平均的な利回りは1%後半~2%くらいとなっています。

不動産投資でメインとなる収益源は家賃収入です。いったん入居が決まれば引っ越しするまで年単位の継続が見込めるので、比較的安定しています。

証券会社に預けた現金で額面そのままの株を買う現物取引の他に、お金を融通してもらう信用取引があります。必要な証拠金は基本的に株価の30%。約3.3倍のレバレッジがかけられるというわけです。

これに対して、不動産投資は金融機関から資金を借り入れて物件を買うため、極端に高いレバレッジをかけられることがあります。

300万円でそれぞれ何ができるか

例として、現金300万円が手元にあったら何ができるのか考えてみます。

株の場合、現物取引で300万円の株を買えば現金はなくなり、代わりに株が手に入ります。株価が1年後に450万円になったときに売れば450万円が手元に残ります。信用取引で1,000万円の株を買っていた場合、株価が1,500万円になれば800万円という大金を手にしますが、逆に700万円になってしまったら1円も残りません。

不動産投資の場合、仮に300万円を自己資金として3,000万円の融資を受けるとします。年間の現金収支が150万円だとすると、1年後に手元には150万円の現金とともに3,000万円近い価値の不動産が残ります。おそらく来年も150万円の収入が入るでしょう。株で勝ち続けることはプロでも難しいと言われますが、不動産投資で一定の収入を続けるのはそれほど難しいことではないのかもしれません。

株は価格の変動を狙って売買し、不動産からは安定した副業収入を得る……このように使い分ければ、リスクを分散でき、高いパフォーマンスも期待できます。冒頭の資産三分法やポートフォリオ理論の実践といえます。

株式投資と不動産投資、それぞれの特徴を活かす

株式投資と不動産投資には、価格の変動性や収入の安定性、レバレッジのかけ方などに違いがあります。リスクが異なる資産を組み合わせることで、効率的な運用が可能になるのです。

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